2 友達作り=性癖暴露?
2ーGのドアを開ける。そして、教室に入ってからクラスメイト達を一瞥する。
うっへぇ〜……。こりゃまた一癖も二癖もありそうなクラスメイト達ばっかりで。その中でも特に俺の脅威になり得る奴。それは、一年の時のカースト順位が高かった奴と、このクラスでカースト上位になりそうな奴だ。俺の代わりにカーストNo. 1にでもなってみろ、一度出来上がったものは簡単には変えられない。そうさせない為には、事前に俺の友達になって、俺の陣営にも入ってもらう必要がある。そうすればカーストNo. 1になる可能性は格段に低くなる訳だ。ま、それ以前にクラスメイトに俺のことが認知されなきゃいけないけどな。
ってことで、まずは友達作りと行こうか。とは言っても、最初から気の強そうな奴って訳にはいかない。だから、その気の強そうな奴の周りから仲良くしていかないと。大体、気の強そうな奴の周りにすーぐ人が集まってくるからな。少しずつ周りから固めていく。そして最後に中心人物、だ。まぁ流石に1日目からカーストが形成されはしないだろう。
最初は……。と、誰かに話し掛けようとしたその時。
「小っちゃいですね〜。名前、なんて言うんですか?」
逆にそう話し掛けられた。
「ふぇっ!?」
俺はびっくりして、つい変な声をあげてしまった。
「あっ……。ごめんなさい。驚かせるつもりは無くて……」
俺に話し掛けてきた子は、どうやら優しいっぽそうだった。
「あ、あぁ、大丈夫ですよ。……それより名前、でしたね。私は
名前を聞き返すと、彼女はニコッと可愛らしく微笑んでから、
「私は、
と言ったのだった。
そこからしばらく、水無月さん……いや、りんちゃんと話して、すっかり友達と呼べる関係にまでになった。もう俺はタメ口でしゃべりかけられる位の。……何故かりんちゃんはずっとタメ口じゃないけど。まぁそういうタイプの子もいるよねって事で割り切ろう。
すると、そこで教師が
「そろそろ入学式が始まる。お喋りはそこまでにして、出席番号順に並んで体育館に行ってもらう。そうだな、まとめ役は……霙。君がやってくれ」
と言った。
「へっ?……あっはい!」
急だったからつい……。まとめ役ってことは、中学校で言うところの学級委員長みたいな感じで良いのかな?
「えーと、皆さん、廊下に出席番号順に並んでください。あ、勿論静かに、です」
こんな感じ……?静かに〜ってところは余計だったかもしれないけど。不安だから一応りんちゃんに確認を取っておく(何のだ)。
「まとめられてるかな?」(小声)
「大丈夫ですよ」(小声)
彼女は、親指をグッと立てながらそう言ってくれた。
良い友達をもったなぁ……。
しかし、入学式、濃いクラスで何も起きないはずはなく……。
何と、りんちゃんが貧血が倒れてしまった(クラス関係なかったけど)。俺は焦りながらも、りんちゃんを保健室へ連れて行くことに成功した。
「急に倒れちゃうからビックリしたよ〜」
「あはは、ごめんなさい。私ったら昔っから貧血でして、小中学校でも集会では苦労したものです」
昔からだったか……。
「しかもこの後、大抵微熱が出るんですよ……」
ということは……。
「今も?」
「はい……。体が少し火照っています……」
その単語だけ聞くと、ねぇ。元健全男子としては、ねぇ。
「……その、1つお願いがあるのですが……」
何だろ。こう言っちゃ言い方が悪いけど、病人は少しでも楽にしてあげたいし。
「私に出来ることだったら何でもするよ!だから、遠慮なく言って良いよ!」
「では、お言葉に甘えて……。……私の名前を呼んで欲しいのです」
名前を呼ぶ??俺が名前を呼んだら何か変わるのだろうか?
「名前を呼ぶ?それだけ?もっとこう、ほら、手を握ってて欲しい〜とか」
「いえ、名前を呼んで欲しいんです」
本人がそう言うなら、そうするか。
「わかった。…えっと、りんちゃん」
「んくぅーーーーーーーーー!!!」
俺が彼女の名前を呼ぶと、彼女は、保健室のベッドの枕に顔をうずめて足をバタつかせながら悶え始めた。
「……は?」
おっとつい本音が。ってかどこに興奮する要素があったの……?
「……おっと、失礼しました」
「いや失礼じゃなくて!」
おっとついツッコミを。
「じゃなくて?」
「どういう状況なの!さっきの悶えてたの!」
正直に聞くことじゃないんだろうけど……。答えてくれるかな?
「あぁそういうことですか。……お恥ずかしいことですが、暦音ちゃんは友達なので、包み隠さずお教えしましょう。私、自分の名前を呼ばれると興奮してしまうのです」
まさかの性癖カミングアウトされたーー!!!
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