転生=カーストNo.1
迅な_シスターズ
1 転生=カーストNo.1?
「結局、答えは出なかったわね」
俺の前に立った女がそんなことを言う。
「あぁ。だがな、無意味だったなんてことは決してない!俺の惨めで憐れな人生にだって、ほんの少しでも価値はあったんd」
しかし、俺の言葉はそこで遮られた。それと同時に俺の喉にナイフが突き刺さっていた。
「っ!!!!」
俺は言葉にならない叫び声をあげた。しかし、女は俺の叫び声など気にも留める様子もない。
「うるさいわね……。あんたの下らない御託に付き合ってる時間はないの。さっさと死ね」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!
「悔しかったら、来世で私のことを見返してみなさいよ。この最下層が」
最後に聞こえたのは、そんな言葉だった。
最後に覚えていたのは、独りぼっちの俺の姿だった。
そうして、俺の惨めで憐れな人生は終わりを告げた。
はずだった……。
気がつくと、俺は知らない天井が見える場所にいた。
「ここは何処だ?」
そう言おうとして口を動かそうとしたが、何故か上手く動かせなかった。不思議に思い、立ち上がろうともしてみたが、体も上手く動かせなかった。
しかし、俺は諦めきれずに体と格闘すること30分……。誰かが俺の近くに来た。そして、
「
と言った。
俺はペットか……。……そうじゃなくて!つまり、俺は転生して赤ちゃんになったのか?……この状況から察するにそれしかないだろう。ってか性別女じゃん。まぁ、それはかまわない。一度は女として生を受けてみたかったからな。
さて。この新たな人生。ただの新たな人生じゃあない。そう、前世の記憶(俺にとっては前世じゃないが)がある。どう生きようか……。
しばらく悩んだ結果、前世の記憶から良い目標が見つかった。
それは、『カーストNo.1を目指す』だった。そういや、前世の死因はカーストNo.1の女子に殺されたことだったな。とはいえ、カーストNo.1になるにはそう簡単ではない。彼女だって相当な努力を強いられていたはずだ。
だが、あぁ言われて引き下がれる性分の男じゃあない。……今は女だったか。まぁそれは置いといて。
俺は決心した。どんなに大変な道のりだろうと、皆に愛される(友達として)カーストNo.1になると。
俺は、幼稚園、小、中学校、高一は準備期間にすることにした。少しばかり長いかもしれないが、一番カースト制度が強いのが、高校だと考えたからだ。
そして、そう決めてから、高校まではあっという間だった。
幼稚園では、初歩的な友達を作る方法を学び。
小中学校では、いじめを起こさせない方法などを学んだりした。
高一ではどんな人がいるかを知った。
そして、学年が上がった。
その時には俺もしっかり大きくなって……なかった。なんか中学に入った辺りから、成長が止まった。なんで!?ってなわけで、俺、物凄く小さいです。合法ロリです。
まぁそれは良いとして(良くないけど)。
緊張するなぁ……。俺が治めるクラスかぁ……。っと。こういう言い方とかも改めないとな。今の俺は女だ。汚い言葉遣いはよろしくないだろう。だがまぁ急いで直す必要はないか。
というか、こうやって考える時だけ男っぽい口調に戻っちゃうんだよなぁ……。なんでだろ。ま、いっか。
気を取り直して。俺が所属するクラスは、と。
俺は、張り出されているクラス名簿へと目を向けた。
えーと、
まぁこのクラスで仲良くなる(予定)からいっか。
……それにしても、なんか周りから視線を感じるとゆーか。なんなら指を差してくる失礼な奴までいるよ!くそっ!!ちょっとちっちゃいからって、バカにしやがって!!!覚えとけよ!!!!
俺は静かに腹を立てながら、2年G組の教室へ足を向けたのだった。
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