ホラー演出事典(仮)

猫渕珠子

みぶんるい

■今りに向かってます(死の実況中継)

 敵対者(殺人鬼やおばけ)が、PCやスマホを通して、登場人物のもとへ徐々に近づいていく様子をLIVE中継の映像としてその当事者に見せつける。スマホが一般的になってから多く取り入れられているように思う。「わたしメリーさん、今○○にいるの」と電話で煽って来るメリーさん演出の現代版。


■走馬灯

 「助かった」と思うが、実は夢の中。死に際の幻覚。悪夢はまだ続いていた……。

 バッドエンドオチに使われる。


■頼りになる奴が真っ先に死ぬ

 デスゲーム、モンスター、ゾンビ、潜入ミッション系。

 意外性を狙った演出。今はありがちな序盤の展開。

 見た目が主人公っぽい人、軍人や警官、屈強な男、問題を解決するのに有利な人物など。「こいつは最後まで生き残りそうだ」と思われる奴が、早々に離脱する。


■敵対者に襲われて「キャー!」→ハッとするとベッドで目が覚める。


■親切だった人が悪い奴へと豹変

 良識人だと思っていた人が一番危うい狂った人間。だんだんにそれがわかっていく場合と、一気に化けの皮が剥がされる場合。


■壁紙の張替え、壁の塗替え

 主に外国映画。このシーンのあとにストーリーが転がりだす合図。


■メッセージ

 壁に血文字で、曇った鏡や窓ガラスに指文字で、描かれる登場人物へのメッセージ。心霊もので多様。「次はお前だ」のようにわかりやすいものから、意味不明な文字の羅列だったりする。後者の場合、登場人物の身に迫っている危険や解決策を知らせようとしていることもある。

 英語圏作品では、冷蔵庫のドア表面に貼られているアルファベット磁石を使ってメッセージが送られることも。


■I see dead people...(死んだ人が見えるんだ……)

 映画『シックス・センス』の台詞。同作品へのオマージュ。心霊ものなどでかなり引用されている。


■車が真横からドーン!

 登場人物が徒歩で車道に入り込んだ途端に、真横からいきなり車が突っ込んできて轢かれる演出。初見だと超ビビる。どれも似たような構図(登場人物の背後にカメラがある位置取り)なので、一度体験すれば心構えができる。でもビビる。


■猫

 ホラー映画に登場すると、十中八九、殺される。それもけっこう残忍な殺され方をする。猫好きにとっては精神的に一番堪える。


■車が故障→困っているところに現れる犯人


■急がば回れ

 遠回りをすれば事件を回避できていたのに、近道をしたがために、事件に巻き込まれてしまう。


■ロボトミー手術


■金属バット(または、ゴルフクラブ)を片手に家の見回り。

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