第28話

「「あのさ」」

 

 2人の声が重なる。

 

「何?」

「蓮こそ、何?」

「じゃあ——。動画、ありがとう。誤解解けそう」

「それは……良かった」

 …………………………。

 ……………………。

 ………………。

 二人の間に、会話の糸口を探りあうような長い沈黙が流れる。

 お互い、話したい事なら、山ほどある。

 別れる前なら、どちらからともなく自然としてた会話も今は、相手の動向を伺ってる始末。

 数週間、逢わない間に、二人の関係は、それほどまでに変わってしまったと言う事なのだろう。

 やがて、沈黙に耐えきれなくなった莉菜は席を立った。 

「私。ちょっと、飲み物買ってくるね。蓮、いつもので良い?」

「俺はいいや」

「いいから」

「じゃあ、俺が行こうか?」

「いいの。座ってて」

「じゃあ、よろしく」

 

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