第20話
後日、歌番組、収録日。控え室。
メンバーが手に持つ週刊誌には、蓮の熱愛報道の記事が、載っていた。
「何々——『難波 瑞穂』婚約発表。お相手は人気急上昇中のアイドルグループ、キッド・ファクターの『須屋 蓮』。——お前も出世したなぁ。週刊誌に載るなんて」
「ごめん。本当に」
「いや、良いけどよ。蓮が悪い訳じゃないんだし」
「そうそう。蓮はちゃんと否定したんでしょ? 婚約どころか付き合ってませんて」
「うん……」
「じゃあ、やっぱり、蓮、悪くないじゃん」
「……」
「にしても問題はこの人だよな……。「難波 瑞穂」芸能界でもかなり影響力のある事務所、8&1(えいてぃー・わん)の、人気ナンバーワンモデル。滅茶苦茶、影響力のあるこの人とぽっとでの俺らとじゃ、どっちを信じるか? って、話」
「実際、ネットじゃ、難波 瑞穂のコメント信じてる奴の方が多い——「本当は付き合ってるくせに彼氏じゃないですとか、この須屋 蓮とか言う奴、小物すぎ——彼氏なのに、彼女傷つけんな——この男、自分の身しか大事じゃないのかな?——。その他にも、数百以上のコメント。しかも、そのどれもが蓮を叩くコメント」
「ほんと、言いたい放題だな」
「これは思った以上に、誤解を解くのは難しいぞ」
「……」
「さすがに婚約報道とか、無視できないよな」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「ちょっと待って」
「どうした?」
「これ……」
「「「「「!っ」」」」」
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