第16話

「ごめんなさい」

「なかなかの即答ね?」

「すみません……」

「良いわ。理由を聞かして?」

「はい……。実は僕には忘れられない元カノがいるんです」

「いつ、別れたの?」

「一週間ほど前です」

「話の流れから言うと、須屋君が振られたんでしょ?」

「はい……」

「なら、その元恋人さんの事は忘れた方が良いんじゃ無い? これ以上、引きずってても、苦しいだけでしょ? それなら、気持ちを変えるとゆう意味でも私と……」

「そんな事、出来ませんっ」

「……」

「こんな気持ちで河北さんとお付き合いさせて貰って、仮に元カノの事を忘れる事ができたとして、そんな上書きみたいな事、僕は絶対したくない」

「……」

「僕は彼女を忘れたい訳じゃないんです。彼女とは別の女性を好きになりたい訳じゃ無いんです……僕は……僕は……」

「どうしたいの?」

「……わからない」

 

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