第43話 さよならのメリークリスマス-4-
こんなにも喜んでもらえて良かった
本当に心から思ったし、安心した
サンタを信じる歳はとうに過ぎたけれど
クリスマスがいい日である事を知った気がした
でもさ?
どうしてだろう、こんなにも楽しい事だらけの日なのに
過ぎてく事が惜しく思えて、ちょっとセンチメンタルな気がする
どうしてだろう、ハルさんの、たなりゅーの、兄貴の、少しだけ見慣れない顔が浮かぶのは
みんな浮かれてて、なんとなく気恥しいだけだ
そう思いたい
そんな僕がいた
ねえハルさん、来年はもっと喜んでもらえるよう考えるよ
来年も、またこんな感じで皆で騒げたらって思うんだ
少しだけ俯いて、僕は顔をあげた
ハルさんは涙ぐんでた
今度こそハッキリと
なんで?
本当に、初めて見た顔だった
「違っ、これは本当に嬉しくて」
ハルさんは慌てて言った
笑顔で少し涙を流しながら
だから僕は余計に分からなかった
来年だって同じ
そう思ってたから
気がつけば言っていた
さっき頭に浮かんだ言葉
「僕だって凄く今日楽しくて嬉しかったです。来年だって、皆でこうやってまた騒ぎたいですよ」
笑顔なのに、悲しそう
得体の知れない焦燥感に襲われる
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