第35話 12月24日-2-

誘ったか誘ってないか


客観視したらどうか分からないけれど、僕の中ではギリギリお誘いできたと思いたい


24日の集まり楽しみですね


夕方からみたいだけど昼間あいてますか?


一遍に纏めて送れずに


メッセージのやり取りの流れの中で押し込んだ感と、確認せずとも24日【夕方からは皆でライブハウスでクリスマスパーティー】という前提の元、ビビりにビビりを重ねながら


なにをそんなにも突然に、特定の1日を恐れるのだろうかと、僕にも分からない


それがクリスマスというものだろうと、脳内で締めくくった


そして結果的に昼間空いていて、恐れに恐れた割に昼から遊んで参加しようと足早に決まった


普段と何ら変わらないように


妙に意識し過ぎてる自分が恥ずかしかった


普通にいつも通りいこう


そうしてドアを開けた矢先に、やはり今日は特別な日だと思ってしまった


僕だけが勝手に意識してる、ばかりではないのではないかと


ハルさんの格好といつもと違う雰囲気を見てそう思った



2人とも、なんとなくで


不自然過ぎるそれとなくで深くツッコミ過ぎずに


12月24日が


始まった






ーーー17時なー、遅れるなよー


支度は粗方昨日のうちに終わらせていて夕方迄は家でだらだらして15時頃ライブハウスに本番準備に向かうと寝起きの兄貴に見送られた


わざわざ玄関迄出てきて、唐突に2人ともお洒落してんだし、今日はクリスマスだしだのと


急に写メを撮りだして恥ずかしかった


少し変な感じがした兄貴の感じ


妙に感慨深い感じというか


突然親になったような感じというか


雰囲気が少し違って感じた


なんでかは分からないけれど


満足そうに、玄関先で撮った僕とハルさんの写メを嬉しそうに観ていた


行ってくるね、と言うと一瞬遅れて、おうっ17時なー、遅れるなよーと


手をヒラヒラさせた



ライブハウスは近いし、時間的にそんな色々遠くを巡ることも無いので、近場を周ったあとライブハウスへ向かう予定で、バイクではなくのんびり歩いて駅前に向かった



お昼を駅ビルの中で食べて


ゲームセンターや雑貨、ビルの中のお店を巡った


「ちょっと街中(まちなか)に出かける格好だし、プリクラ撮ってみようよ」


意外にも、と言うとちょっと失礼かもしれないけれど、ハルさんから提案されてプリクラを撮った


落書きコーナーに移り、12月24日、クリスマスイブなう


など、今日という日を強調した落書きをしていたハルさん


純粋にクリスマスを楽しんでやろーって感じなのかなぁと

そう思い、僕も慣れないけど落書きを楽しんだ


出てきたプリクラを手に撮ると珍しいものを見るかのように、何処と無く嬉しそうに、恥ずかしそうにマジマジ見るハルさん


僕も気恥ずかしくなる


プリクラなんて数える程も撮ったことないし


半分こに切り分けたプリクラを大事そうにしまってくれた



別にゲームセンターに来てプリクラを撮るなんて普通の事だと思う


それでも、2人でこんな感じで遊ぶのは初めてだし、こういう形の普通、ってやつを実感すると不思議な気持ちになった


そしてより一層なんだか、ほんとに今日は特別な日って感じが凄くしてきた



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