第27話幕間 目黒晴(めぐろはる)
幕間 目黒晴(めぐろはる)
男勝りを通り越して、不名誉な2つ名を勝手につけられる日々
これでも昔は女の子らしいってのに憧れてた
でも家庭環境や周りは格闘技だらけ
自然とみんなが習い事するようにあたしも空手を始めた
少しばかりセンスがあったのかどんどん強くなって県大会の上位や優勝の常連で全国大会にも出るよ うになった
なまじ、ごつい男ばかりが周りにいるせいか
どうにもチャラチャラした男の子に抵抗を持った
女の子らしさの憧れを捨てるかのように長い髪を切り真っ赤にして態度もそれらしからぬようになっていった
空手だけじゃなく、音楽の趣味も持ち、その2つで青春は満たされた
それでも、明けても暮れても物好きなチャラチャラしたひ弱なやつが接触してくる
堪らなく不愉快で、それを制圧してるうちに
様々な2つ名がついてしまった
まあべつにいいけど
バンド関係で冬馬くんと知り合い、意気投合した
変に女扱いしてこないし、周りの人と空気も似てるし馴染めた
ある日、冬馬くんの弟を紹介された
あんま友達いねーし同世代と全然絡まないから相手してやってくれと
冬馬くんとは違って、その子は大人しめで、どこか少し女の子っぽくて、弟と妹が出来たような感覚だった
懐いてくれるし、よく行動を共にするようになった
あたしの影響か、髪とかピアスとか段々派手になったけど、冬馬くんも両親も特に気にしてない様子だったので良かった
ふと気づいた、道場やバンド以外でこんなに一緒にいる子って初めてだなと
最近トラブルがあって、その子の意外な一面を見た
怪我をしているのを見てパニックになりかけてしまった
あたしが
こんな1面あったんだ
少しずつ、これはあたしの勝手な感覚かもしれないけれど距離感が変わってきているような気がした
もうあまり時間が無いのに
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