第20話皐月さんと夏休み
とある日の夕方、新宿の東口の人並みの中に僕は居た
人を待っている
「ヤホー、じゅうじょ、、う君?」
その声を発した皐月さんは少し戸惑っていた
しっかりと髪を整えて、季節に合っている半袖
外していたピアスもつけて
タトゥーを出して僕は皐月さんを待っていた
「とりあえず、ギャップに言葉が出ない」
仰る通りで
夕食どきもあって、一部の人がよく利用する強めの名前の個室ラーメン屋に入った
「それはなに?本性を出してるって受け取っていいの?」
「そ、そうなんだけど、、違うんだ。なんていうか、僕は元々身なりはこうで、それを皐月さんに隠して、騙してるような気がして。」
「葛藤してんだねなんか、桜のことで」
話が早すぎる、理解が早すぎる
「もちろん、具体的に何がどうまではいかないけど、それなりにあたしも分かってるよ。桜はなんも知らないと思ってると思うけど」
話す前からある程度理解、把握
流石皐月さん
「ま、変に律儀な十条君の気持ちは受け取っておくよ。でも別に外見がどうとかって、あたしは君の中身を、あたしの中でそれなりに出来てる人だと思ってるから、その辺はどっちでもいいんだよねー」
あ、と付け足してそれ以上は聞かないよーと付け足された
どうして?と、口にするより前にそのまま紡ぐ彼女
「桜からも、言ってくる時だよね?3人でだよね?」
何も言えない。
丁度よくラーメンが来て無言で食べる2人
ふう、と食べ終わった皐月さんはほんとに、ご飯だけ食べに来たようだった。
「今2人が寄り添うことがいいか悪いかなんて、今は分かんないの。実際あたし個人としては、客観的に見てそう思うわけだし」
だから
と、
最後の答えが出てからでいいじゃない
あたしは不安には思わない
だからこうキッパリと言うんだけどね、と。
それに、その2人の在り方は、周りを気にしてまでの事なのかな?
と、問題視するほどの事でも無いかのように言った
「まあ余りにもであれば、3人で解決しようよ。男の子なんだからそこまでは頑張りなよー」
挑発的に笑みを浮かべる皐月さん
僕は肩を竦めた
店を出て、駅へ向かい皐月さんの帰るホームまで見送ると
「夏休みはまだまだあるんだよ。」
そう言って手をヒラヒラさせて電車に乗りこみ帰ってゆく皐月さん
夏休みはまだある、、か。。
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