第3話 眠れない夜と僕の家に来た足立さん

最寄りのコンビニでタクシーを降り、飲み物をコンビニで買って自宅へと向かった


僕の家はごく普通のワンルームマンションだ


北新宿駅を降りて歩いて5分ちょっと、神田川が流れる風景を通り過ぎたらすぐのとこに僕は住んでいる


春になるとここの桜が綺麗なのは、ここに引っ越してきて良かったと思うところである


川の音が少し聞こえる



心地よい気分でその道を過ぎると自宅へと着いた



「新宿から近いし駅前も夜の散歩とかにいい感じなとこ住んでるんだねーっ」



いーなーと足立さんはキョロキョロと見回してる



「足立さんはどんなとこ住んでるの?」


オートロックの鍵を回しながら足立さんに尋ねた



「あたしは田町駅の駅からちょっと離れてるとこのワンルームマンションだよ。お姉ちゃんがすぐ近くのマンションに住んでたけど、お姉ちゃん休学して海外行っちゃっててほんと最近になって1人暮らし実感してるかなー」



ちょっと寂しそうに足立さんは言った


彼女も一人暮らしなのか



高校生のうちから一人暮らしする人って、寮とかじゃないとそんないないだろうから、僕達は珍しい部類なのかな


学校も特別スポーツに力入れてて寮付きで、なんてわけてないし、進学校ってわけでもない



足立さんは優等生だしいいとこに進学できるかもしれないけど



そんな取り留めないこと考えてるとエレベーターで3Fに上がり302、僕の部屋へと着いた



「人とか来ることがないからそんな綺麗にしてるわけじゃなくて申し訳ないけど」


在り来りな台詞を言いながら僕は玄関ドアを開け、足立さんを招き入れた



「お邪魔しまーすー。あっなんかいい匂いがする」


足立さんはわくわくしながらといった様子で玄関から部屋へ向かう


いい匂いってのはフレグランススティックだ


生活臭とかを好まない僕はフレグランススティックや消臭の置物を多めに置いている



「適当に座ってて」


クッションを足立さんに手渡し

僕は2人分の飲み物をカップへと移しにキッチンに向かった


大したお構いも出来ないので、せめて飲み物をカップに移して出すくらいはしないとな


キッチンに立ち飲み物を移してると実感が改めて湧いてくる



初めてクラスメイトがうちへ来た


平日の真夜中


しかもほとんど話したことないクラスメイト



多数の非日常に、ただただ不思議な感覚を感じた



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