第13話 マルルとミルル3


 ◆異世界生活三日目◆


 異世界での俺の朝は早い

別に仕事に追われいる訳では無い

DVDもTVゲームも無い

マンガも新聞の類いすら無い

なので必然的に暗くなれば寝るのだ


礼司)「マルル!ミルル!

カエデやモミジ達の仲間を紹介するよ

先ずは執事のセバスチャンだ

5人の仲間の代表だ

続いて馭者のレイボン

そして庭師のエンリオだ

三人共とても強いんだぞ

普段は警備だけど良く言う事をきくんだぞ」


マル)「分かったのにゃー!」


ミル)「………………」


ミルルは恥ずかしい?恐い?からか

俺の後ろに隠れてしまった

朝食後ミルルはカエデから

歯磨きの訓練をして貰った


歯磨き訓練後

マルル達とウッドデッキに並べるための

ベリー類を植える事になった

マルルとミルルに

新たに作業服件戦闘服を用意した

色は発見しやすいオレンジ色だ

日本の災害派遣の隊員のユニフォームと似た色にしてみた

二人共戦闘服なのに何故か可愛い

この服は戦闘用で結構優秀だ

服に対し物理的、魔法的な急激な力が掛かると瞬時に硬化し内側を守る性質が有る

普通の剣等歯牙にも掛けない

そんな安全性の高いユニフォームなのだ


植木鉢、培養土、ベリー系の苗木はエンリオが召喚で用意してくれた

今回用意してくれた苗木は全部で七種

テーブル用に一種の都合八種だ

それも全部錬成されており

四季成りで実も巨大化されている

テーブル用のコケモモに至っては

実の大きさが10ミリは超すそうだ


エンリオ)「糖度に至っては

ブルーベリーで18%を超えて来るハズです

なので相当な甘さです」


礼司)「エンリオって凄いんだな」


エン)「それがもう一つの自分の能力です

樹木の姿勢もお任せ下さい」


エンリオは戦闘能力の他に

植物の生理に関する能力を有してる

植え終わったら鉢毎錬成してしまい

デッキの目隠しに成長結実もさせ

その日に食べれる様にしてくれるそうだ


マルル)「エンリオお兄ちゃん!

これはなんにゃ〜?」


次々に飛び出す質問

何せ召喚したベリー類は

地球由来の物ばかりだ

エンリオはタブレットを召喚し

マルルとミルルに画像を見せる

二人は目をキラキラさせながらはしゃぎ回る

種類はクランベリー、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、ブラックカラント、アロニア、ミュール等だが

錬成され進化しているので

もはや別種と言えるものだ

オマケに四季成りなので

花と果実を一緒に楽しめる

ツツジの仲間も多いので花も美しい


スタッフ全員で鉢植え作業を行ない

鉢植えが終わった物から移動させる

デッキの定位置にセバスチャンが両手で軽く抱え持って行く

鉢の総重量はどう見ても100キロ以上は優に有るだろう

それを彼は安々と運ぶ

やはり人間に見えてもゴーレムなんだな


運ばれた鉢にエンリオが手を添えると

緑魔法の成長促進と錬成を同時に掛ける

見る見る成長する苗木

本来の倍近い花と実が同時に実る

それを見たマルルとミルルは大喜びだ

エンリオも喜ばれ満更でもない様子

俺も緑魔法が使えるんだけどな

なんて野暮な事は言わない


エン)「今度は

川砂を集めて置きますので温室を建て

イチゴの栽培をしましょう」


確かにイチゴが無いのは問題だ

俺は素直にエンリオに頷いた

そして夢の様な

ベリーだらけのウッドデッキが出来上がった


礼司)『確かに

好い目隠しの有るウッドデッキだな

でも何と無く綺麗なので

反対に目立つ様な気もするぞ』


神眼)『デッキ内が見え無いので

落ち着いてお茶が出来ますよ』


礼司)『そうだな

そろそろ手を洗いお茶にするか』


俺は皆に指示を出しお茶の準備を始めた

マルル達にはココアそして俺はコーヒだ

いざ飲もうとしたら全員が驚いた様に

一斉に北を見た

んっ!?どうした魔物か!?


セバスチャン)「巨大な魔物が………

14体ですな」


やがて

北方面の街道から巨大な鳥に追われる

馬橇隊が見えてきた

てっ云うかマルルもミルルも

全員同時に見たぞ

マルルとミルルは鍛えれば強いとかか?


神眼)『Aランクのワイバーンです

珍しい事に大魔境の隣りの

高山地帯からの魔物達です

此処も一つ訓練と行きましょう

レイジ様お願い致します』


礼司)『エ〜~~ッ!

また俺!?』


神眼)『魔法で簡単に倒せますし

何よりも肉が最上級の和牛以上の味です

此処は是非共全て狩ってしまいましょう』


礼司)「そうか!肉かー!

セバス!後を頼む」


美味しい肉と聞いたので

俺も俄然ヤル気が出て来た

今宵はワイバーンの絶品ステーキだ!


俺は神眼の指示に従い魔剣八俣を召喚

神眼の言った通り様々な新たな剣技が俺の中に急激にインストールされる

次に収納を自動収納に設定

これで倒した魔物が自動で収納される


神眼)『何かが変ですね

馬橇に対しファイアーブレスを吐きません

サーチを掛けてみます………………

分かりました

馬橇の中にワイバーンの卵が有ります』


礼司)『じゃっ殺すのは無し?』


神眼)『いいえ

普通に襲って来る魔物ですので

全て討伐して下さい』


てっ云うか

何故か1台の馬橇がプレハブ前に放置された

あれれ〜っ?????


神眼)『やっぱり!!

魔物の擦り付けです

卵が有るのでワイバーンも此の位置に居据わるでしょう

序でにレイジ様は既に攻撃対象ですよ

擦り付けを行なった奴等は全員

戦闘ゴーレムに捕縛させておきますので』


俺は俺に向って来るワイバーンに鑑定を掛け

魔石の位置を特定し魔石を収納すると

突然生気が失われ落下し始め

落下中のワイバーンは自動収納されてしまい

直ぐに消えてしまった


礼司)『確かに神眼の言う通り楽だ

皮膚がゴジラメガムリオン状だったから

魔剣八俣を使いたく無かったので

尚良しだ!』


その後次々に向って来るワイバーンを撃退

3分もしないで14頭全てを撃退し

俺はウハウハ状態だ

そして自分の能力で倒した始めての魔物の肉

結界内ではマルル達が飛び跳ね大喜びだ


マル・ミル)「「美味しいお肉ー!!」」


礼司)『ワイバーンって

そんなにも凄い肉なのか

マルル達があんなに喜んでるぞ!』


神眼)『コンスタントに市場に回る肉としては最高級の食肉で尚且有名です』


礼司)『その上はないの?』


神眼)『そうですね~

その上は地竜とかでしょうか?

冒険者の被害が多く

二三年に1頭位の割合でしか市場には出ませんので非常に高価な肉になります』


神眼の話しでは

どうやら今行こうとしていた大魔境の地竜は特に人気が高く

100年以上前に

討伐された記録が有るだけらしい


礼司)『じゃっ大魔境以外には

地竜は余りいないの?』


どうやら大魔境の地竜だけは

他所とは違うのらしい


そうこうしてる内に

擦り付けを行なった冒険者達が

ゴーレム軍団に捕縛され

引き摺られながら戻って来た

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