第20話 イシリスとオルタナティブスキルと属性竜

女神が闘いにおいて行使するスキルは一つ。

オルタナティブスキル(代替スキル):女神の思惑をお汲んで、スキルや魔法を発動させる。

女神自身が保有する魔法やスキルは、一つ一つが劇的な効果を発揮するので

、やられる相手からしたら訳が分からない闘いになってくる。


☆闘いっていってもオルタナティブスキルが勝手に発動するから

 暇っちゃ暇なのよね。

「ナリス!ルッツォがやられた!」

☆あ、私やります!


ルッツォさんって、ナリスさんが確か気にしてる人だったわね。

そう思いながら、属性竜の尻尾の薙ぎ払いにやられたルッツォさんを

保護する。


☆はい!回復Lv4!!

    気力充実Lv4!!

 どうですか?

《ああ!ありがとう!!完全に直った、いける!!》

☆バフもかけときますね。俯瞰視野Lv4!!


と、ここで属性竜が体当たりをかましてきた。10mの巨体で。


オルタナティブスキル発動:

    α、重力無効結界 展開

    β、衝撃無効結界 展開

    δ、属性消去結界 展開

    Ω、次元共有無効結界 展開

  α~zまで、多重起動。


オルタナティブスキルというのは、言わば、多重起動演算スキル。

神の代名詞と言える演算系のスキルや魔法。

それの代替系統の演算スキルは私にとっての非常に楽の出来るスキル。


そんなことを考えながら、膝枕しながらルッツォさんを介抱していると、

ルッツォさんを気にしてるいるであろうナリスさんの表情が抜け落ちていく。


☆(なんと!この状況は!く、属性竜やるわね!これを見越して

 私にルッツォさんを介抱させるとは!燃える!く、ルッツォさん行かないで!)。

☆はい!(ああっ行っちゃう!)気を付けて!


こういう時、オルタナティブスキルが発動すればいいのに、

闘い以外では発動しにくいのよね。


☆しょうが無いから、デバフでもかけとこう。えい!!


オルタナティブスキル発動:

    α、時間減速デバフ 

    β、属性竜位相体生成

    δ、位相対を本体へ反映 

 α~δまで多重起動。


☆あ、やり過ぎちゃった。


まあ、しょうが無いから、このままやろう。

まず、属性竜の位相体を10mから10cmに縮小。それを私の足元に移動させよう。


オルタナティブスキル発動:

    α、位相体相似体生成

    β、位相体消去

    δ、位相体相似体を本体へ反映

    z、位相体座標修正

   α~zまで多重起動。


属性竜が突然ポカンとした。属性竜には、普通の視点と、総体的に

巨大になった私を見上げている視点の、二つを視ていることだろう。

私の足元に小さくなった10cmの属性竜の位相体相似体現れる。


☆あらまあ、かわいい!


と言ったのも束の間、私はそれを私の単純に踏み抜く。

そしたら属性竜はあっという間に昏倒。何故か

@俺やりましたよ!!

っていうやり遂げた感じの顔をしている。


みんながやったなと褒めたたえる中、ナリスさんが声をかけてきた。

『あの、イシリスさん!今度会って頂けませんか?』

何やら面白くなってきそうな予感!

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