第21話
翌朝、食事の際に王がレイシアに話しかけた。
「レイシア、伝説の剣の絵本の後半は城の図書館にあるぞ」
「そうなんですか?」
王の言葉にレイシアは驚いた。
「ああ、たしか塔の中には絵本の前半だけが置かれていただろう」
「はい」
王の言葉にレイシアは頷いた。
「そこに書いてあった言葉を唱えたら、翔が現れたんです」
レイシアは言った。
「あの本の続きには、グリーンドラゴン、イエロードラゴン、レッドドラゴンを倒すと、伝説の剣はエクスカリバーに進化し、キングドラゴンとも戦えるということが書いてある」
王はそう言って、口を拭った。
「そうなんですね」
レイシアは神妙に頷いた。
「現在、生息が確認されているのはグリーンドラゴンとキングドラゴンだけだ」
王はそう言った。王妃も頷いている。
「ミスティ王国はグリーンドラゴンの生息地から近い。暴れられたら危険だ」
王は続けていった。
「それじゃ、倒しに行きますか?」
翔がそう言うとレイシアは頷いた。
「そうだな。コカトリスも倒せたし、そろそろドラゴンと戦っても良いかもしれない」
レイシアの言葉に王が頷いた。
「それでは、行ってくるが良い」
食事を終えるとレイシアと翔は旅の準備を始めた。
「グリーンドラゴンは何処にいるんですか?」
「この国を出て、東の岩山の山頂付近にいるらしい」
「そうなんですか」
レイシアと翔は、東の岩山を目指して歩き始めた。
道は険しかった。
「レイシアさん、大丈夫ですか」
「ああ、私は大丈夫だ。翔は?」
「僕も大丈夫です」
二人はミスリルの鎧と帷子を身にまとったまま、岩山を上り始めた。
大きな鳥が時々襲ってきたが、翔の薔薇の鞭で難なく仕留めていった。
「そろそろ頂上だな」
「あ、あれがドラゴンじゃないですか!?」
翔が指さした方を見ると、大きな緑色のドラゴンがいた。
「ドラゴンの急所は、喉だ。狙っていこう翔」
「はい、レイシアさん」
翔とレイシアはグリーンドラゴンに向かってかけていった。
「ギャオオオ」
「行くぞ!」
翔はそう言ってコカトリスの剣を取り出した。
ドラゴンの鱗は堅く、剣は跳ね返されてしまう。
「翔、魔法を使うぞ! 氷の刃!!」
「ギャオオ」
レイシアの呪文で、ドラゴンの目に氷で出来た剣が刺さった。
「やりましたね、レイシアさん」
「さあ、とどめを。翔」
翔はレイシアに促されて、目を潰されたグリーンドラゴンの喉元を切り裂いた。
ドラゴンの喉が石化する。
「危ない! 翔!!」
ドラゴンの尻尾が翔を襲った。
翔はかすり傷を負ったが、ドラゴンの尻尾を躱すことが出来た。
「とどめだ!」
翔はドラゴンの喉元に剣を突き刺した。
ドラゴンは倒れると、全身が石化していった。
ドラゴンから魔石が転げ落ちた。
翔はそれを拾うと、伝説の剣に吸収させた。
ドラゴンスレーヤーLV1
伝説の剣のステータスが更新された。
翔とレイシアは城に戻った。
「ただいま帰りました」
「ドラゴンはどうだったか?」
「倒しました」
翔とレイシアがそう言うと王が頷いた。
レイシアは言った。
「残っているのは、キングドラゴンだけでしょうか?」
「そうだな。伝説とは少し異なるが、キングドラゴン以外の噂は聞いていない」
王はそう言って、ひげを撫でた。
「ルーシアの国の傍で、キングドラゴンが暴れているらしい」
「それでは、また翔とルーシアの国に向かいます」
「それが良かろう」
王はそう言うと、翔とレイシアを見送った。
「ルーシアの国に戻るんですね」
「ああ」
翔の言葉にレイシアが頷く。
「今度は馬車で行こう」
「はい」
ルーシアの国へ、翔とレイシアは向かうことにした。
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