第3話

森を抜けると古い王宮があった。

「あれがウィンディ城」

翔かけるが言った。

「そうよ」

レイシアが答える。


「ウィンディ城のミケーネ王子は古くからの知り合いなの」

レイシアが草原を歩きながら話し続ける。

「へー。そうなんですか」

翔はそう言いながら、銅の剣を調べていた。

特にこれと言って特徴のない剣だ。


「さあ、着いたわ」

レイシアが門兵に挨拶した。

「これはレイシア様」

「ミケーネは居る? 」

「それが今、ミスティ王国に呼ばれて居ないんです」

「そっか。分かったわ」


翔はレイシアが戻ってくるのを待っている間街の様子を見ていた。

これと言って特徴の無い街、というか少し寂れている。

噴水のある広場で2、3人の子供たちがはしゃいでいる。


レイシアが戻ってきた。

「翔、あてが外れちゃった。どうしよう」

「レイシアさん、お城で待っていたらどうでしょう? 」

「そうね、そうさせてもらえるか聞いてくる」


レイシアは門兵に、ミケーネ王子が戻ってくるまで居ても良いか訊ねた。

すると、中からメイド長が現れ、応接間に通された。

「ミケーネ王子が戻られるまで、こちらでお待ちください」

「はい、ありがとう」

レイシアは、運ばれてきた紅茶を飲んだ。

すると、急に意識を失った。

翔が慌てていると兵に取り押さえられた。

2人はウィンディ城の牢獄に入れられてしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る