30作品目

Rinora

01話.[確かにそうだね]

 持っていた物を落とすぐらいには驚いて固まっていた。

 現在位置は教室。

 他の子は既に帰っていて凄く静かだった。

 はっとなり自分の席に座って、机の上に手を置こうとしたらもにゅっと柔らかい感触。


「……なにやってるの?」

「べ、勉強をっ、お、教えてくださいっ」


 女の子にしては随分と野太い声だった。

 もちろん、作り物だということは分かっているが。


「明日はテスト最終日なんだけど?」

「だ、だからですよ、いまのままじゃ不安で不安で」

「じゃ、人の机の上で土下座していないで下りてよ」


 律儀に上履きを脱いでいるのは偉いけどさ。

 彼女は机の上から下りた後、一瞬だけ柔らかい笑みを浮かべてからすぐ真面目な顔に。

 いまだけで判断すると普段から真面目にやっている子だと勘違いされるかもしれないが、普段から真面目にやっていないからこその行動と発言だった。


「どうして最終日前日になって慌ててるの?」

「昨日と今日やってみてかなり難しかったから」

「まあいいや、勉強をやろうか」

「うん、よろしく」


 どうせ残ったのなら真面目にやっていかなければ損だ。

 誰かが一緒にやっていてくれれば集中力が続く自分的にはいい環境だった。

 にしても、普段から真面目にやっていれば本当に見た目も良くていい子なのにな。

 残念な美少女とか言われてるからね、本人は改めるつもりがないみたいだけど。


「ちかれた~……」

「まだ20分も経っていないけど」

「あんまり集中力がなくてね、合間に休憩を入れないとだめなんだよ」


 私だって1時間ぐらいしたら集中力が切れるからあまり人のことは言えないかもしれない。

 けど、そうやっていたらいつまで経っても変わらない、自分に大甘になるだけ。

 だから◯◯時までやろうとか、そういう風に毎回目標を作りながらやっている。

 ……私のこれも彼女のそれと同じなのかもしれないがそれでもやっているだけマシだと考えておきたい。


「あ、それよりさ、この前学校から帰っているときに可愛い子を見つけてね」

「可愛い子なんて発見できていないだけでたくさんいるでしょ」


 実はモデルの子とすれ違っている、なんてこともあるかもしれないし、モデルじゃなくても可愛い子や綺麗な子とすれ違っている可能性もある。

 面白い点は少しずれるだけでそんな子達と関わることもあるかもしれないということなんだ、目の前の彼女を見ていると余計にそう思う。


「私は同性が好きだからさ」

「聞いたよ」


 しかも特別な意味でと彼女は言ってきた。

 私としてはそういうことは隠すべきことだと考えていたから驚いた。

 それでも彼女はあくまで真っ直ぐに「女の子が好きでなにが悪いの?」と言うだけだった。

 ゆっくりと生きている内に色々なことが変わっていたのかもしれない。


「だから街中を歩いていると興奮しちゃうんだよね」

「それはやめておきなさい」


 下手をすれば警官に声をかけられて終わりだ。パトカーとかを見る度になにもしていなくてもキョロキョロしてしまうようなことになりたくないのなら我慢した方がいい。


「あー、お胸をいっぱい揉みたいな~」

「自分のを揉んでおけばいいでしょ、それだけあるんだし」


 少し自分のを見てみたらかにょんって感じだった。

 絶壁までとはいかなくてもいっぱいあるとは言えないレベル。


七菜ななはなにも分かってない、それじゃあイケないことをしているみたいじゃん」

「はい? 別に胸に触れるぐらい性行為以外でもするでしょ」


 こっちなんかしょっちゅう触れてはため息をついてるよ。

 たまに発育のいい女の子とすれ違ったりした際には心で泣いているぐらい。

 なるほど、つまり貧乳には言ってはいけない最凶のワードをぶつけたいということか。

 自分に多くついている分には重いだけでいいことはなにもないと言いたいわけかっ。


「もういい、帰る」

「え、それなら私も帰るよ」

「うん、帰りにアイスを買って食べよ」

「そうだね」


 昔はカルシウムを多く摂っていれば大きくなると信じていたさ。

 バストマッサージをしていれば素敵なお胸ができると信じていたさ。

 睡眠時間を多くした方がいいと書いてあったからいっぱい寝たさ。

 なのに結果はこれだっ、下手をすれば小学生の女の子にも負けるぐらいだよっ。


「はい、あーん」

「あむ――うん、美味しい」

「七菜のもちょうだい」

「あーん」

「がぶっ!」


 ……こうやって色々な物を持っている人間に取られていくだけなんだ。


「やっていられるかこんちくしょー!」

「どうしたの?」

「いや、大声を出してごめんね」


 たまにはこうして発散させたいときがあるということ。

 私も一応人間なんでね、それこそなんにもないなら余計に不満は溜まる。

 これは仕方がないことだ、たまに叫ぶぐらいは許してほしい。


「お、可愛い子発見っ、ちょっと行ってくるね!」

「うん、それじゃあね」


 こっちはもう少し頑張って詰め込んでおくことにしよう。

 これが終わったらすぐ冬休みになる。

 今年こそ1度も出ないで冬休みを満喫するんだ。

 これまで1度もできていないからできるかは分からないが、いつだって挑戦しようとすることだけは忘れないようにしたいとそう思った。




「お、終わっ……だ」

「お疲れ様」


 一応やってきたのもあって最後までトラブルなく終えることができた。

 つまり後は自由、冬休みまでは半日で帰れる日ばかりだからテンションは自然と高くなる。

 私でもそうなっているぐらいだ、勉強大嫌いの彼女であればなおさらのことだろう。


「最近は禁止にされていたから七菜の家に行ってもいい?」

「いいよ、もうテストも終わったわけだからね」


 どんなに慌てようが来週になれば結果は出される。

 いまから変えようとしたところでもう遅いのだ。

 ちなみに禁止にしていた理由は彼女が勉強もやらずに漫画ばかり読むから。

 教えてとか言ってくるくせにやる気がないからむかついていたというのも影響していた。


「あれ、若菜ちゃんはまだいないんだね」

「中学生はあんまり下校時間の変化がないからね」


 仮になにもなくても大人しく帰ってくる子ではないから驚きはしない。


「ただいまっ、うぅ、寒すぎるわっ」

「おかえり、珍しく早かったね」

「ま、一応これでも受験生ですから」


 その割には家で勉強をやろうとは絶対にしない子だけど。

 なんか真面目にやっているところを私達に見られたくないらしい。

 真面目にやっているのなら堂々としておけばいいと思う、というのが私の感想だ。


「おぉ、若菜ちゃんはいつ見てもお姉ちゃんよりお姉ちゃんっぽいね」

「ん? ああ、あんたもいたのね」

「その冷たい目も素敵っ、ゾクゾクしてくるよっ」


 いつも通りだから気にする必要はない。

 だから気にせずに妹の分まで温かい飲み物を用意して渡しておいた。


「七菜、こいつと付き合うのやめた方がいいわよ」

「そう言われても友達だからね、心配してくれるのはありがたいけどさ」

「まあ、七菜がいいならいいけど」


 悪いところが目立つだけで基本的にはいい子だから大丈夫。

 いやもう本当にこういうところがなければ本当に完璧美少女という感じなのにね。

 生き方を否定するつもりはないけど、もったいないと感じてしまうのは自分にはなんにもないからだろうか?

 ……どうして妹の方が大きく育っているんですかね、私は別の人の子どもですか?


「それで? どうしてあんたは来てるの?」

「今日で地獄のテストが終わったからです」

「普段から真面目にやっていないから地獄のように感じるのよ」


 そうだそうだー、真面目にやったら私よりも上なのを知っているぞ。

 能力が高い人間は本気でやったりしないのかもしれないが私的には能力が高いからこそ無難にやっておけばいいと思うんだ。

 だってずっとそんな生き方じゃまず間違いなく疲れるし、上手く対応できないことも出てくるかもしれないから。


「そ、そういう若菜ちゃんも家ではやっていないって聞きましたけどっ」

「だから学校ではやっているわよ?」

「ぶぅ」

「そんな変な顔をしても無駄よ」


 このふたりが並んでいても若菜の方が姉に見える。

 なんというか全体的に余裕があるというか、すぐに慌てたりしないのが強いと思う。

 なにかが起きても大抵は落ち着きなさいと逆に周囲を落ち着かせられるような子だから。


「そういうところは七菜の方がいい!」

「別に自由に言っていいわよ? 変えるつもりはないもの」

「若菜ちゃんなんてきら……きりゃいだー!」


 ああ、出ていってしまった。

 ふたりの仲は切れそうで切れないという感じだ。

 顔を合わせてはこういう言い合いをして、最後は千晶ちあきが出ていくのが常のこと。

 そのくせ、毎日毎日若菜に近づくという意味のないことをしている。

 それが彼女流の仲良くなる方法だということならなにも言わないが仲良くなりたいならもっと素直になった方がいいと思う。


「七菜……」

「なにか嫌なことでもあったの?」

「え? 違う、七菜が暖かいから」

「はは、生きているからねー」


 胸のところに脂肪がついていてくれればもっと暖めてあげることができたのに申し訳ない。

 でも、こたつ内に体を突っ込んでいるとやっぱりいいなあ。

 できれば学校の机にもつけてほしい、そうすれば毎日ほんわかとした気持ちで受けられる。


「そうだ、今年のクリスマスはどうするの? 去年みたいに友達と過ごす?」

「今年は家にいるわ」

「そうなんだ、じゃあ一緒に楽しめるね」

「24日も25日も両親はふたりだけでどこかに行っちゃうけどね」


 普段から頑張ってくれているから休日ぐらいはゆっくりしてほしい。

 夫婦仲が良くて結構だ、できればそのままの状態のままでずっといてほしかった。

 離婚とかになったら寂しいもん、若菜と離れ離れになっても嫌だし。


「七菜こそどうなの?」

「千晶が来るかもしれないけど、私も家だね」

「良かった、ひとりじゃ寂しいから」

「大丈夫だよ」


 毎日話す相手は千晶ぐらいだけだから。

 でも、妹が求めてくれるのは嬉しいなあ。

 普通は多感な時期というのもあって、可愛げのないところを見せるものではないだろうか。


「ありがとね」

「なんで急に?」

「気にしなくていいよ」


 お姉ちゃんには友達が少ないから優しい妹がいて助かっているということ。

 わざわざこれを言う必要はないからその後聞かれても答えることはしなかった。




「あぁ、可愛い子成分が足りないよぉ」


 読書をやめてうるさい千晶を見つめる。

 暗にお前は可愛くないと言われているということだから微妙な気分になった。

 というか、それなら動いて探してくればいいのにとも思う。

 こんなところでじっとしていたって見つかりはしないのにさ。


「もう放課後なんだから帰ればいいのでは?」

「だって七菜が帰る気ないようだし」

「いやいや、合わせてもらうのは悪いから帰りなよ、それで可愛い子を見つけてきなよ」


 こっちは若菜の帰りが遅いからここで時間をつぶしているだけ。

 わざわざ付き合ってもらうようなことではないから自分を優先してほしい。

 と言うより、何度も可愛くないと言われるのは嫌だからというのが大きかった。


「いいよ、七菜に合わせるし」

「そう? それならもう帰ろっか」

「うん、七菜がそうするなら」


 ま、可愛くないのは事実なんだろうなあ。

 その証拠に、告白されたのは幼稚園時代の1回だけだし。

 チョコも女の子にしかあげたことがない、残念だよ……。


「というかさ、私じゃだめなの?」

「七菜はねー」

「うぅ、千晶に苛められた」

「だって、同性に興味はあるの?」


 別に気持ち悪いとかそういう風には思わないけどね。

 もしそう思っているのであればこうして一緒にいないわけだし。

 ただ、女の子同士ってそれはそれで面倒くさそうだ。

 いま読んでいるラノベみたいに都合良くいくわけではないから。

 だって片方が男の子に惚れてしまったら? そのときは虚しいよね。


「私が同性をそういう意味で好きだと言っても嫌そうな顔をしていなかったから馬鹿にしているわけではないだろうけどさ、それはあくまで自分とは違う場所で行われることだからだと思うんだよね、実際にそういう対象として選ばれたら嫌なんじゃないかと思ってさ」

「好きになってもらえたら普通に嬉しいけど?」

「でも、一方通行だよね? 受け入れる気はないよね? 平気で友達のままでいいじゃんとか言っちゃうのが七菜みたいな子なんだよ」


 うっ、確かに言いそうだった。

 恋人同士でなければできないのは性行為とかそれぐらいのこと。

 あくまでそれ以外は友達のままでもできてしまうから多分言う。

 満足できるということなら手を繋ぐことや、頭を撫でることや、抱きしめることぐらいしてあげるけどね。

 別に本命を見つけたらそっちに行ってくれて構わないし、縛るつもりはなかった。


「ま、この話はこれで終わりね、意味のないことだから」

「千晶がそう言うならいいけどさ」


 適当に生きているように見えてすっごく考えて行動しているんだろうな。

 ぶつけても嫌がらない相手とか、同じような好みの人とかを探してるはず。

 なかなかに難しそうだ、可愛いや綺麗な子を見つけても同性を好きになれる人間ばかりではないから。

 それどころか可愛いや綺麗であればあるほど既に彼氏さんがいるとかそういう人が多くて大変そうだ、仮にいなくても同性を対象として見られる人は少ないだろうし。


「で、なんで付いてきているの?」

「ご飯作ってっ」

「あのねえ、便利屋じゃないんですけど?」

「それとこれとは別、私は七菜とだっていたいから」


 ……いつも一緒にいてくれているんだから余計なことを考えずにご飯ぐらい作ってあげるか。

 食材がないなら買いに行けばいいんだし、合わせる努力をしなければならない。

 それこそなにも相手のためにしないで側にいてくれと言うのは都合が良すぎるだろう。


「はい、オムライスね」

「おぉ、ふわとろだっ」

「何回も練習したから」


 上手くできて良かった。

 先程は引っかかったが使うためだけにでもいいから近づいて来てほしい。

 ひとりは寂しいから、彼女のおかげで2年の12月まで楽しく過ごせてきたから。


「ごちそうさまでしたっ、ふぁ~、美味しかった~」

「お粗末さまでした」


 汚れがこびりついてしまう前に洗ってしまうことに。

 そういえば千晶はクリスマス、どう過ごすのだろうか。

 去年は彼女も友達と過ごしたわけだが、今年もそうなのだろうか?


「千晶はクリスマス――」

「あ、ごめん、別の女の子と過ごすから無理かな」

「って、全て言い終える前に言わないでよ、別に誘おうとなんてしてないし」


 今年は若菜がいてくれるからいいもんっ。

 あ、やばい、これは絶対にフラグになる。

 当日になったら結局呼ばれたーとかで若菜も行っちゃうんだろうな。

 いいさ、ひとりでも別に死ぬわけじゃない。

 それにクリスマスとは本来キリスト――って当日も言い訳をしようとするんだろうなあ。


「ただいまー――げ、あんたまたいんの?」

「いちゃ悪いんですかっ?」

「七菜が連れてきているのなら別にいいけどさ、強制的に付いてきているということならやめておきなさい、通報するわよ?」

「ふっふっふー、私と七菜の仲をちゃんと考えてから言ってください」


 余計なことを考えなければ私達は確かに仲がいいと言える。

 大体はふたりでいるし、こちらが離れていても勝手に向こうが近づいて来る。

 そのことが嬉しかった、たまに言葉で抉ってくるけどそれがどうでもよくなるぐらいには。

 でも、我慢させてしまっているのかなあ、私がひとりだから気を使わせているのかな。

 もしそうならかなり申し訳ない、嫌だけど自分のしたいように行動してほしいと思う。

 私にできるのはこれを言ってあげることだけ、……一緒にいてなんて言えないよ。


「千晶、あんたの誕生日ってもう近くよね?」

「そうだね、1月の5日だから」


 そういえばもうすぐか。

 冬休み中ということになるが、その前か後に貰えるんだろうな。


「なにが欲しいの?」

「じゃ、若菜ちゃんを抱きしめさせて~」

「別にいいけど、はい」

「うぇ、い、いいんだ、嫌われているかと思った」


 私も嫌だと言うと思っていたから少し驚いた。

 若菜は「嫌いじゃないわよ、ただ高頻度で来ると少しうざったいだけで」と。

 それって嫌っているのでは? という感じのことを答えて。


「ふへへ、柔らかいお胸~」

「あんたの方が大きいじゃない」

「そうだけど自分のとはやっぱり違うから」


 聞こえない聞こえない、私には関係のない世界の話だ。

 無駄なことで脳の容量を消費したくないのでこれでいいのだ。

 別に胸がなくたって生きていけるんだからな! と、内で吠えてより虚しい気持ちに。


「七菜はなにをくれるの?」

「欲しい物ってある?」

「それが特にいまはないんだよね」


 なんでこっちは抱きしめようとしてくれないんですかね。

 それこそ若菜の方が一方通行になって終わるだけだと思うけど?

 なにが違うの? それとも単純に仲が良くなかったとか?


「ま、千晶の誕生日の話はまだいいでしょ、始まってもいない冬休みがもう終わってしまう感じがして嫌なのよ」

「確かにそうだね、まだ冬休みにもなっていないんだからいいか」


 適当に甘くて美味しい物でも買って渡そうと決めた。

 彼女なら捨てることはしない、仮に自分は食べなくてもご両親にでもあげてくれればいい。


「あ、呼ばれたからもう帰るね、ふたりともありがとう」

「気をつけて」

「テンションを上げすぎないようにしなさいよ?」

「はーい、またねー!」


 ふぅ、彼女が去ると途端に静かになるな。

 落ち着くような、寂しいような、ごちゃまぜになって去った後は落ち着かない。


「千晶のことは嫌いじゃないけど、少しは七菜を見習ってほしいわ」

「でも、暗かったら千晶らしくないから」

「そうねー、難しいわね」


 たまに演技しているときもあるから本当に難しい。

 無理やり元気に振る舞っているときとか、楽しそうに振る舞っているときとかあるからね。

 仲良くしていたいけど依存しないように気をつけないと。

 千晶だって困るだろうからね。

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