第3話 個人的に考えている長文タイトルのメリット・デメリット
という事でクリスマスイブにこれ書いてるんだけど、なんで書き始めたかと言えば単純に暇だったからだな。事情は深く訊くなよ、悲しくなる。
まず最初に書くけど、俺は長文タイトルそのものに反対してる訳じゃない。理由は後で書くけれど、それは別によくて……今回は「ざっと見た限りこんなメリット、こんなデメリットがあるんじゃないか」というメモをまとめたものだ。タイトルは言っちゃえば小説の看板だ。看板をどういうデザインにするか、俺が今後悩む時にメモを見返す形にしたくてこうしてる。
ただし、プロでもなんでもない人間の観点から書くから参考になるかは知らんけどな。
そもそも長文タイトルとは言ってるけど、似たようなタイトルはライトノベル以外でも昔はあった。俺が思い当たる節があるのは一つだけだけど、そのタイトルはドラマ化までした。ただ、評価は凡作止まり。俺は見ていないんだけど、ミステリー物としては微妙な出来だったという話だ。それでも表紙とタイトルのインパクトは十分な本で、手に取られては売り上げが伸びたって事だな。
でも、良い点だけじゃなかった。さっきも書いたけどこの作品の評価は「凡作」止まりだ。つまり買った人間の数だけ評価してる人も当然多くなる。タイトルと表紙で期待して買ったまでは良かったんだが、中身が普通……というより、少しコメディ色のあるミステリーだったことも踏まえて「期待外れ」という評価をされてしまった。
これがデメリットの一つ、「タイトルから期待して買われると評価は厳しくなりがち」な点。
それともう一つ、今度はライトノベル作品を二つ上げる。その二つは初めタイトル通りにやってたんだが、後半は主人公の設定そのものに変更を加えて「タイトル」から大きく外れてしまった。これにより、盛り上がり所である後半に入ってから人気が落ちて人が離れていった。かなり人気作で一時期は本当にこの作品一色だったんだが、今はもう話してるファンはあまり見かけないな。全盛期ほど盛り上がってもいない。
上記の通り、もう一つのデメリットは「タイトル通りに進まないとタイトル詐欺になる」という点だ。
つまり俺から見て長文タイトルは「評価は厳しくなりがちで、タイトル詐欺も起こり易くなる可能性がある」という点がデメリットとして大きい訳だ。
じゃあ、メリットはないのか?という話になるけどそんな事はない。メリットもちゃんとあると思うぞ。まず一つ、さっきも書いたけど「目に引きやすく、手に取って貰い易い」という点はある。ただまぁこれ、正直「長文タイトルが溢れてる」現状ではメリットが死にかけてる気がしてならないけどな。
でも、今の忙し過ぎる社会において「面白い物にしか金をかけたくない」という人達は博打的な本の選び方をしないだろうからな。だから「タイトルで内容が分かる」という利点は十分まだ残ってると思うぞ。これがメリットその二だ。
長文タイトルのデメリット、メリットを踏まえた上で「どうしたら面白く、なおかつ筋の通った作品になるか?」というのを俺なりに考えると――
① 設定を大きく変更せず、最後までタイトル通りにした方がいい。
【理由】
さっきのライトノベルの例を上げた通り、急なそして主人公の設定の大幅な変更が人気下落の原因だった。要するに「タイトル通りじゃねぇだろ!」という不満が出て来てしまった訳だな。
上記の事を守るなら当然、やる事は大きく限られる可能性がある……それも考えると「設定を後から変更しても問題がない長文タイトル」を付けるのが無難じゃないだろうか。
② 最終回(オチ)は決めた上で書いた方がいい。
【理由】
これはなんだって言えるんだけど「ゴール」を決めておかない物語っていうのは気楽に書ける反面、そこまで作者が走る時に設定がブレたり、物語が上手く進まなかったり、作者自身が走り切れなかったりする。
それに最初から決めておけば、伏線を張り易かったり、回収もし易い。俺的にはラストを決めてから書き始めるのがお勧めだぞ。ぼんやりでもいいからな。後から形にすればいいし、オチを考えた上でタイトルを付ける人も居るし。
で、こっからは余談だけど、この手の作品にありがちな一発屋形式も止めた方がいいと思う。
打ち切りなら仕方がないと思うけれど「完結せずに新しい話を書き始める」というケースも結構出て来てる。書籍化作家ですらこれを繰り返してる人が居るのが現状だ。まぁ俺もやってるからブーメラン刺さるけど、それでも書籍化した作品を投げるのは「もったいない」という気持ちが本音だ。
確かに新鮮な作品を届け続けるのは大事かもしれない。人気だって、普通は段々落ちていくのが当たり前だ。でも続きが楽しみで作者をフォローしてる人は、見たい作品が放って置かれてカクヨムコン用に書かれた作品がずっと上がり続けるのを見てる訳だから「あれ、〇〇さん、××の続きは?」と思った人も居るんじゃないだろうか。
いくら読者が買う時に作者の名前をほぼ覚えなかったり見ないからと言っても、そういうやらかしを繰り返してしまえば嫌でも名前を覚えていってしまうんじゃなかろうか。
個人的にはそういった、せっかく固定になりそうなファンを逃してしまうような行為を繰り返す人達には「なんで?」という疑問しか浮かばない。
新規を何人確保していても、「この作品、面白かった!」と広めてくれるかもしれないファンは長期作品や完結作にしか付かないと思っているし、その影響力は一時の価値に勝る物だと思っているだけに、本当にもったいない。
見ていて「そのファン捨てるくらいなら俺にくれよ……」とも思う。まぁ、面白くない作品だったらそもそもファンなんて付かないんだろうけど。
でもファンっていうのはありがたいもんだし、そんな簡単に増えるもんじゃない。才能があろうとなかろうと期待させておいて、その期待を裏切ったり、ファンを捨てるような真似だけはどうか止めて貰いたいなと思う。
今回はこんな感じだ。ちょっと変わった形式、メモでの投稿になったが、ついでに少しでも誰かの参考になったり、似たような悩みを抱える人の助けになったら幸いだな。
それじゃあ、良いクリスマスを。
【メモ作成者:静井 拓也】
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