ファッション業界で生きるには

櫻唏 桃菜

「~したつもりは聞き飽きた」

初めまして!石川弥柚華(いしかわみゆか)といいます。

私は、アパレル企業で服を作る仕事と、モデルを両立してやってるの。

モデルの方の仕事は、女性向け雑誌のクール系ファッションのいわゆる読モをやってる。

アパレルの方の仕事は、今どきの若い子の間で流行りそうな服を考えたり、若い子に話を聞いたりしてるの。


なんだけど・・・最近仕事が楽しくなくなってきちゃってる。

原因は自分でもわかる。

原因は、私の出した案がすべて(6つ)採用されなかったから。

普通なら、採用されなくて当たり前って思ってる。けど、今回だけは違う。

なぜなら、私が案を考える前に若い女の子数人に話を聞いて、頑張っていたのに全部却下された。

正直、1つくらいは採用されてほしかった。

採用された案は、私とは違う部署の後輩が作った。

採用された案は、水玉柄のどこにでも売ってそうなワンピース。

だけど、よく見ると前と後ろでスカートの長さが違うフィッシュテールスカートタイプで、トップスとスカート部分で水玉の大きさが違う、今までありそうでなかった案。

会議の後、部長(ファッションモンスター)に呼ばれた。

また怒られるのかな・・・

~部長室にて~

〈ほんとに、いつも役立たずね。採用案は出せない、業績も下から2番目。全くベテラン社員とは思えないわ。あなたの隣のデスクの鈴木さん見てみなさいよ。あなたと同じ時期に入って、採用案もたくさん出して、業績もトップクラス。少しは見習ったら?〉

「でも、私は今回今の若い子たちの意見をたくさん聞いて、意見をまとめて今回の案を作りました。私は自分の中で最高作品だと思っていますし、私はこの案は採用されるように作ったつもりです」

〈あなたが私に対して、~したつもりですって言ったの、何回目?もうね、あなたの~したつもりです。は聞き飽きたの。私はあなたが私に~したつもりですって初めて言った時、私、~したつもり1種の逃げ・自分への甘え・それは~したに含まれない。って教えたわよね?

それに、あなたの中で最高作品でも、売りに出して売れなかったら、あなたの信頼だけじゃない、会社の信頼度が落ちて赤字になる、それが続いたら倒産になるかもしれないのよ?そういうことわかってる?

ここは時分自身を評価してもらう場所じゃない。ここは服を評価する場所。

自分自身を評価してほしいなら、ここじゃなくてほかの場所行ったら?こういう業界って入りたいって憧れてる人が何人もいるから、あなたの代わりなんていくらでもいるの。それが嫌だったら辞めたら?〉

結局、また怒られちゃった。

辞めたら?ってあんなド直球で言わなくてもいいじゃん!

今週の日曜日に美彩(みさ)に話聞いてもらおう。

美彩は私の幼馴染で元モデル。

美彩は今私がコーナーを持っている雑誌の専属モデルだった。

私よりも売れててTVにも出演してたから、今後を期待されてるモデルの1人だったのに、急に芸能界引退するって聞いて、本当に驚いた。

理由を聞こうと思ったけど、芸能界を引退するっていうことを電話で話したとき、泣いた後みたいな声だったから、きっと美彩も自分でとことん考えて決めたんだから、私が根掘り葉掘り聞く必要もないなって思ったから理由は聞いてない。

その後美彩は、アパレルの会社で働いている。

私とは大違いで充実してそう。


てか、今日雑誌の撮影じゃん。急がなきゃ、時間に遅れちゃう。

~撮影場所(控え室)メイク中~

[柚ちゃん、どうしたの?嫌なことでもあった?]

「本業の方でちょっと・・・。」

[なるほどね。柚ちゃんって確か本業がファッション業界だよね?]

「はい。」

[ファッション業界は、いびりとか上司からの無茶ぶりがすごいってよく聞くけど、柚ちゃんの会社は大丈夫?]

「大丈夫って言ったら、嘘になりますけど、私は好きでファッション業界に入ったので、自分で採用案を作れるようになるまで辞めたくないんです。」

[そっか。辞めるタイミングは柚ちゃんに任せるけど、辞めるタイミングを失って、無理しちゃダメだよ?無理して体を壊したら元も子もないんだから]

「それはわかってますよ。」

[ならいいんだけど・・・そういえば美彩ちゃんは、元気にしてる?]

「元気にしてますよ!今はアパレルの仕事をやってるらしいんです」

[アパレルか~。いいねぇ。美彩ちゃんはモデルの仕事をやめたらアパレルの仕事をやりたいって言ってたもんな~。有言実行だね。あっ、こんな長々と話しちゃってごめんね💦美彩ちゃんに、よろしく言っておいて]

「わかりました。じゃあ、撮影行ってきます」

[いってらっしゃい。楽しんできてね]

「はい(o^―^o)ニコ」

~撮影終了後~

やっと、終わった・・・今日はそのまま家に帰れるから、家帰ってゴロゴロしよ。

[ゆず~]

なんか、パリピが私のことを呼んでる・・・誰だ?目が疲れて、よく見えない・・・[ゆ~ず~?]

「だれ?」

[華恋(かれん)だよ?覚えてない?どうしたの?こんな痩せちゃって・・・ってフラフラじゃん。一回私の家行こ。私の家すぐ近くだから]

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私は華恋を名乗る人物の家で少し寝た

[柚、大丈夫?]

「大丈夫けど・・・」

[けど?]

「だれ?」

[私のこと?]

「うん」

[幼馴染だけど、覚えてない?]

「幼馴染に華恋って言う幼馴染がいたのは覚えてるけど、こんな痩せてなかったような・・・」

[私の学生時代の写真見る?]

「見たら、思い出すかも」

華恋から写真を見せてもらった。そこ私と美彩と華恋の3人で写った写真がある。

確かこの写真は、高校の卒業式の後に学校の大きな桜の木の下で撮った写真だ。

華恋は、[これが、私だよ?]って指をさした。

指をさした先には、ぽっちゃりな華恋がいる。

でも今は別人みたいに痩せている。

「もしかして、ダイエットしたの?」

[そうだよ!学生時代から30kg痩せたの。やっと思い出してくれたんだ!改めて、久しぶり、柚。]

「久しぶり。痩せた理由聞いてもいい?」

[うん!私ね、学生時代、モデル体型みたいに痩せてる美彩と柚と仲良くしてたでしょ?なんだけど、2人がいないときに他のクラスメイトから〔モデルみたいに痩せてる色崎美彩(いろさきみさ)さんと石川弥柚華(いしかわみゆか)さんといて楽しい?〕

〔勘違いしないでよ。この豚女〕ってよく馬鹿にされてたの。

だから私、学生時代自分に自信がなくて、どーしよって考えてたの。それでコンビニでみた雑誌の表紙がたまたま美彩で、可愛いって思って美彩みたいな美人になりたい!ってその時思って、私就職して頑張ってダイエットして30kg痩せたの。〕

「すごいね・・・」

〔(人''▽`)ありがとう柚。柚に褒められて、嬉しい(o^―^o)ニコ〕

「今週の日曜日に、美彩と会うんだけど来る?」

〔うん!久々に美彩に会って驚かせたいもんww〕

「OK、じゃあ日曜日の11時半にこのカフェに集合ね」

〔わかった!じゃあ、駅まで送るよ〕

「ありがとう。」

~駅~

「今日は(人''▽`)ありがとう☆」

〔いいえ。いろいろとおしゃべりが出来たし、日曜日に美彩を含めて3人で会えるのがうれしい〕

「私の楽しみ!じゃあ、私はそろそろ帰るね。今日は本当にありがとう」

〔いいえ。また日曜日ね。じゃあね〕

「じゃあね(o^―^o)ニコ」

~そして日曜日~

私は、美彩と華恋と約束しているCAFEに向かった。

集合時間は11:30。だけど、20分くらい早く着いちゃった。先に入って席取っとこう。

10分後

[柚!火曜日以来だね(o^―^o)ニコ あれ?美彩はまだ来てないの?]

「うん。でも、もうちょっとで美彩が来ると思うよ」

[OK ゆっくり待ってよっか]

そして集合時間の11:30

『みゆ!おまたせ!あれ?隣にいる美人さん誰?』

「華恋だよ?覚えてる?」

『覚えてるけど、華恋ってぽっちゃりしてなかった?』

[30kgやせたの。]

『30kg!? すごい痩せたんだね!もしかして食べれなかったとかじゃないよね?』

[違うよww私は自分でダイエットして痩せたの。でも2年間かかったけどねw]

『2年間で30kgはすごい!こんな美人になったのはすごい!ごめんね。すごいしかでてこないw』

[久しぶりに柚に会った時に、すごいってめっちゃ言われたwwやっぱり柚と美彩は似てるねww]

『そう?でも、私は今アパレル業界で働いてるの。だから柚から電話で聞いたモデルの話は、もうモデルじゃないから、私はもう華恋の憧れになれてないのが、申し訳ない。』

[私にとって美彩は、今も憧れの存在だよ!

今はモデルをしていなくても、頑張ってアパレル業界で、働いてるって聞いてすっごい人なんだなって思ったの。だから私は、色崎美彩をファンとして応援し続けるし、憧れの存在として追い続けるよ。]

『華恋・・・。じゃあ、私は華恋に追い抜かれないようにアパレル業界で頑張る!』

「2人、ますます仲良くなったね(o^―^o)ニコ」

『だね(o^―^o)ニコ』

そして、3人で夕方までおしゃべりをして、それぞれの業界でそれぞれの仕事で頑張ることを3人で約束をして、終わった。


~2年後~

美彩が芸能界復帰をした。そして美彩はモデルとして、

私が作成した案を基に作ったワンピースで日本で1番大きなファッションショーに出演した。

美彩が着ていた、ワンピースは10代や20代の女性の中で人気となり、爆発的に流行した。

華恋は、渋谷でスカウトを受け、芸能界に入って、歌番組で作家や作詞家に評価され、アーティストとしてインターネットやTVを中心に活動している。

そして私は、美彩が着ていたワンピースの原案を作った本人としてモデルの間で人気となり、人気モデルから大人気タレントまで《ワンピースを作ってほしい》と、言っていただき、本業のファッション業界の仕事と個人のワンピースを作る副業の両立をしている。

これからも3人でライバルとして、それぞれを追い続けていたいと思う

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ファッション業界で生きるには 櫻唏 桃菜 @Sakuragi_Momona

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