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そうやってしばらくの間、草子が森の中を歩いていると、やがて空から冷たい雨がぽつぽつと降り出した。
草子は足を止めて空を見上げる。
手のひらで降り出した雨を受け止めるように、草子は「……雨だ」と一人で小さな声でつぶやいた。
森の中を歩いている草子の服装は帽子付きの真っ白なパーカーにピンク色のハーフズボン。足元は真っ白なスニーカーと言う格好だった。
背中にはお気に入りの小さな白色のリュックサックを背負っている。右の手首には真っ白なスポーツタイプのデジタル時計をしていた。(時計の時刻は現在、午後二時を表示していた)
草子はパーカーの帽子をかぶり、森の中を小走りで駆け出した。
……どこかで雨をしのげるところはないかな?
走りながら、きょろきょろと森の中を見渡してみると、運のいいことに探し始めてすぐに、大地が盛り上がって小さな山のようになっているところに、ぽっかりと穴が空いたような、(あるいは大地が大きく口を開いているような)洞窟があるのを見つけることができた。
やった。私、ついている。
そう思ってにっこりと笑った草子はそのまますぐにその暗い洞窟の中に入っていった。
洞窟の中はとても『ひんやり』としている。
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