第4話:石橋台
「捜査一課…!?」
「貴様等は
「なんか文句あるか?」
高橋は挑発するような口調だ。
「今回こそ死人を出さなかったが、貴様等が死人を出せば、その時は容赦せんぞ。」
「いつから
竹ノ内は高橋の言葉に眉間にしわを寄せる。
「貴様、知らんわけでは無いだろう?警視庁は
「……。」
高橋は黙り被る。
「さてと、本題に入ろう。
竹ノ内の影から一枚の仮面が現れた。
「⁉︎何をする気だ!」
仮面は影から手と足を抜き、「ケタケタ」と笑った。
「やつを“入れろ”。」
仮面は影を伸ばし、大台ケ原を包み込んだ。大台ケ原はゆっくりと影に沈み始めた。
「お前!」
高橋は再度ブレウに手を伸ばそうとしたが、影は何も受け付けなかった。
「くそっ!なんでなんだよ!」
大台ケ原の声が徐々に小さくなっていきながら、大台ケ原の存在は消えた。
「お前ぇ‼︎‼︎」
安土は懐に飛び込んだ。
「ここで争う気か?いいだろう、公務執行妨害として扱えば、合法だ‼︎‼︎“やれ!”。」
仮面は安土の元へ目を向けヌルりと手を伸ばす!
「あんたを絶対ぶっ飛ばす!」
引けを取らず、安土の短刀も尋常で無い速度で走る!
「待て!安土!」
高橋の声に一瞬の戸惑いを見せ、安土の刃は速度を遅める。が、仮面の手は止まらない!
「クソッ!」
「ハイ。そこまで。」
突然謎の男が現れ、仮面の手を止めた。
「うちの若いのが先に手を出したのかもしれないけど、本当に殺す気で食ってかかるなんて。ちょっとやりすぎなんじゃない?竹ノ内君♪」
「
「君を止めに来るのも含めて、お迎え。」
「隊長!」
「ったく、高橋、お前…何してんだか。
「……は、ハイ…。」
安土は持っていた短刀を地面に落とした。
「貴様が来ただけで、こいつら二人は安心してやがる。……やはりこいつらの親玉は貴様か。」
「貴様貴様ってうるさいナァ。そうです~。僕がこのCHASERの親玉、ってか…会長?まぁいいや、石橋台長で~す。」
「……ひとまず本日は帰るとしよう。」
「随分と
「そもそもとして、私がここに来た目的は達成された。これ以上ここに長居するつもりは、犯行してくるやつがいなければ…ない。」
竹ノ内はちらりと安土の方を見た。
「す………すいません……でし…た。」
竹ノ内は少し表情を緩めると、来た時と同じように、窓から外へ出た。
「帰りのあいさつもなしかよ。」
高橋はぼやいている。
「虫は去ったみたいですよ?フールさん。」
「そうみたいだね、エンペラー。僕らがここにいる意味は、もう無いみたいだ。」
「なんの話してんだ。お
「鴨田君…だったっけ?君の友達はいい人だったがその友達の君はどうなんだろうね…いずれにせよ、君は知らなくていいことだ。」
フールは鴨田を見つめながら言った。
「オレの友達が良い人…。」
「さて、帰るとしようか。帰るぞ、ストレングス!」
フールは遠くまで聞こえるように叫んだ。
「
「あぁ…帰らなきゃいけねぇみたいだな。クソッ。もっとあんたと拳で語り合いたかったぜ…。」
ストレングスは詰まらなさそうに言った。
武田は少し考えるようなそぶりをした後、口を開いた。
「オレはいつでも待ってるぜ。」
その言葉にストレングスはニィッと笑い、武田のもとを去り、フールのもとへと向かった。
「行ったみたいね。」
「おう山中、そっちもどっか行っちまったのか?」
「私がおなかに少し拳を入れたら、帰って行っちゃったわ。」
「お、おぉ。そうか。」
武田はこの人には逆らわないようにしようと思った。
「全く君たち何やってんだか。全員逃げちゃったじゃない。」
「すんません、竹本さん。ですが今回、一つ疑問が残りました。」
「疑問?」
竹本は武田の言葉に首をかしげた。
「彼らはなぜこんなところに来ていたんだろうか、と言うことです。こんな肥溜めみたいな誰もいないような場所に、それも三人もです。」
「それは…。」
竹本は一瞬口を開いたが、また閉じて「いくぞ」と言う風に手を動かして、坂道を下って行った。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「うるせぇバカッ!」
安土は
「JUGGER」によるビルの事件が終わり、所轄の刑事がボチボチと集まってきたところに、泉と安土がいる。
「なんでもう終わっちゃってるんですか~~!」
「お前が来るの遅いからだろ。」
鴨田は来ていた上着を肩からぶら下げながら現れた。
「あっ鴨田。」
「鴨だ。」
「おい泉『鴨』は無ぇだろ、『鴨』は。」
三人は仲良く話している。そんなところに一人の男があらわれた。
「ま、泉。運転してたのはお前なんだから、遅くなっちまったのもお前のせいだよな?」
「ちょっとクソ上司は黙っててください。」
「あんた誰。」
鴨田は眉間にしわを寄せながら、急に現れた
「いいとこ気づくね、イケメン君。上着着なよ。ご紹介に預かりました、泉のクソ上司でーす。こんちはー。」
「いや、名前を教えろよ。名前を。」
そんなこんなで話していると、高橋があらわれた。
「深津、久しぶりだな。」
「おっ!へ?あ、オ、オウタカハシジャーン、ヒサシブリーゲンキシテター。」
「棒読みと最初の反応でオレに会いたくないオーラをむんむん出すな、この野郎。」
「お二人の関係はどういったご関係で?」
泉は先ほどまでとは一転して、少しまじめな表情で聞いた。
「別に…大した仲じゃねぇよな?深津。」
「ホントのホントの腐れ縁ってやつだ。まぁまた機会があったら話そうか。高橋の若いころの話。」
「うわ、聞きてぇ~。」
「聞いても得ないぞ安土。」
高橋は少しニヤけながら言う
「ま、オレのハナシも一緒にしよか?」
「クソ上司の若いころの話なんてマジで興味ないです。帰ってください。」
「うわ冷たっ!泉冷たっ!鳥肌立つわ!」
「…ったく、ワーワーうるさい人ですねクソ上司は。」
「そうだよな、そう思うよな、こいつは昔っからこうなんだ。今日はお詫びに奢ってもらうか。飲みたい気分だし。」
「えっ!?ひどくない?高橋!オイッ!」
高橋さんは無視してどこかへと去って行った。
その後、安土 鴨田 泉 長宮 山本 高橋 深津のメンバーで、居酒屋に行き、七人でどんちゃん騒ぎをした。
これでいいのか?
まぁこれでいいか。
つづく
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