第7話 闇の住人
僕は昔、とある悪魔と出会った。
その悪魔は家族を食らい、栄養が豊富な人間食すために故郷を滅ぼした。
生き残ったのは、俺だけだった。
しかし悪魔はとある条件を飲めば活かしてやると提案してきた。
その内容は、僕の体内に悪魔の力を宿すことによって、日々蓄積される栄養を半分与えるということだった。
このことにより、人間と悪魔の2つの種族の力を僕は宿した。
___ローダンド王国付近___
「もうすぐつきそうだな!」
「なんだか、不安ですね。」
アベルは新しく仲間ができ、生き生きしているが、エレナは怯えていた。
「まぁ、もし悪党がでても兄貴の手を借りずとも俺が蹴散らしますよ!」
「殺すなよ」
そんな会話をしているうちに俺達はローダンド王国にたどり着いた。
しかし、王国の住人たちがなんだかざわついているのが分かった。
「どうしたんだー?」
アベルが近くの住人に何が起こっているのか、聞き出す。
「#虐殺のルーベット__・__#がこの王国に訪れやがったんだ。あんた達も殺されるうちに早く逃げた方がいいぞ!」
そう言うと、住人は遠くへ走っていった。
「虐殺のルーベット?誰だそれは」
「知らないすか?ここら辺では有名な人間の体をした悪魔だ!」
俺とエレナはここよりも西に住んでいたため、そんな奴の名など聞いたことも無かったが、ここでは知らない奴はいないほど有名らしい。
「そいつは、強いのか?」
「そりゃもう。なんせ悪魔族ですから!」
「悪魔族の領地はどこなのですか?」
「この国からさらに北東にある雪山の頂上にあるとされている。噂では魔王直々の部下という噂もある」
魔王の部下か……。これはグーゼンベルクの居場所を聞けるいいチャンスかもしれない。
武器を買うのはあとにして、今はそのルーベットの居場所を探そう。
「ルーベットを探す。」
「え!」
「は!?」
エレナとアベルは驚いた顔で口を開けたまま固まっていた。
「兄貴?何を言っているんすか!?今は武器を作って先を急ぎましょう!」
「そうですよ!そんな恐ろしい悪魔なんかに構っている暇は無いですよ!」
「俺ならここにいるぞ。」
俺ら3人の脳内に男の声が響く。
「なんだ!?」
「どこから!?」
アベルとエレナは驚きを隠せない様子だった。
「お前は誰だ?」
俺は脳内から話しかけている主に問いかける。
「俺の名はルーベット=シュワンツ。ここから奥にあるローランド城で待つ。必ず来い。さもなくばこの国もろとも壊滅させる。」
ルーベット=シュワンツ……。次はこいつと戦うのか。
「アベル、エレナ。行くぞ…」
「おう!」
「はい!」
俺達一同はローランド城に向かうのであった、
次回、「影」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます