休憩所
菖蒲園を後にして、町田の街を散策する事にした。サッカーファンとして町田の街に興味があったからだ。
町田はサッカー所としての顔を持つ。代表選手を何人も輩出した土地である。
1977年、FC町田の前身となる少年サッカーチーム「FC町田トレーニングセンター」が結成。小学校の教諭たちが「子供たちのバランス感覚を養うにはサッカーがよい」として、地元の小学生に対してサッカーの指導を始め、その優秀選手を中心に「フットボールクラブ(FC)町田」という選抜チームの結成につながり、清水市(現・静岡市)と並んで「少年サッカーの盛んな地域」として知られるようになった。
1989年、トップチーム(第1種登録チーム)として「FC町田トップ」を創設。町田サッカー協会理事長(当時)の重田貞夫が初代代表兼監督に就任。
1996年、菰田省二が監督に就任。
1997年、FC町田ゼルビアにチーム名を変更。また、東京都社会人サッカーリーグ1部へ昇格。
これが町田ゼルビアの歴史の概略だ。サッカーは町田のアイデンティティでもある。故に、サッカーがこの街にどれだけ根付いているのか知りたかった。
しかし、行けども行けどもサッカーの片鱗すらうかがえない。閑静な住宅街としての顔しか見えてこない。
歩を進める。坂道をひたすら登る。リュックサックに入ったおにぎりを取り出して腹に入れる。蝉時雨が容赦なく降り注ぐ。
滴る汗を拭う。それでも歩くペースは一定を保つ。回りの民家は少なくなり、代わりに木々が生い茂る。
山の中腹にきた。回りには民家はない。バス停に古びた商店が一件だけが立っていた。シャッターを下ろしたその商店には人気はない。客を迎えるのは稼働している販売機だけだ。私はここで休憩を取ることにした。
熱い。だるい。私はいったい何をしに町田に来たのだろうか。登山をしに来たのか、サッカーを見に来たのか。はたして、どちらだろうか。
まだ道半ば。天空の城はここからさらに上にある。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます