第16話 八月八日、料理と本音と
「白川、お前、料理したことあるのか? 農家の人が……泣いてるぞ」
慎吾の呆れた視線の先には、美咲が皮を剥いたジャガイモ。それは食べる部分がほとんどない無残な物だった。
「失礼ね、あるわよ。ただし、包丁じゃなくてピーラーを使ってだけど!」
負けん気の強い美咲は、文明の力であるピーラーがないのが悪いと騒ぎだす。
宿にチェックインの手続きが済むと、さっそく五人で夕飯のカレーを作り始めた。宿代は安いが、ご飯は各自で作るシステム。
調理場は、廃校の調理室が綺麗にリノベーションされている。
清潔感のある白い壁と天井。幾つもある水場とガスコンロ。皿やコップ類は常備されていて、好きに使っても良いシステム。
碧理達の他にも数組のグループが楽しそうに料理を作っていた。
「……白川、お前は翠子と一緒に食器類を用意してくれ。花木は……上手だな。料理するのか?」
美咲にやらせると野菜が可哀想なことになると、慎吾は追い払った。
それは、お嬢様育ちの翠子も同じようで、二人一緒に食器が置かれている棚へと向かう。
あんなにも翠子を嫌っていたのに、美咲は数時間で慣れたらしい。
残ったのは意外と料理に慣れている手つきの慎吾と、昔から家事をやっていた碧理。それに蒼太だった。
「私は……両親が四歳の時に離婚しているから。小学生の時は祖父母の家で食事していたけど、中学からは自分で作ってた」
中学生に上がると、碧理は祖父母の家に行くのが億劫になった。
それからは、拓真に与えられたお金から自分で買い物をして、慣れない料理に挑戦する日々。
最初は失敗ばかりだった碧理も、数をこなしていく内に上手くなり、今はレシピ本を見なくても簡単な物なら普通に作れる。
「ああ……悪い。余計なこと聞いた」
離婚の言葉に、慎吾は申し訳無さそうに謝った。
いつもは周りを威嚇し続けているのに、根は素直らしい。
「別に良いよ。今時、離婚している家なんていっぱいあるでしょ? そう言う赤谷君は料理するの? 凄く上手だけど」
慎吾は話しながらも、ジャガイモや人参の皮を手際よく剥いていく。
「うちは離婚していないけど、家庭内別居状態だ。お互い大学教授だからか言い争いになるとどっちも引かなくてさ。世間体が悪いからって仮面夫婦やってる。二人共、夜遅く帰って来たり研究で泊まり込んだりして家に寄りつかないけど。そのとばっちりが子供にきて……姉貴と二人で料理してた」
碧理は何と答えたら良いのか困ってしまう。
慎吾の家の事情も、思ったよりも重かった。
「えっと、森里君は? 手際が良いけど?」
この重くなった空気をどうにかしようと、碧理は蒼太に話題を振る。
玉ねぎを弱火で炒め出した蒼太は「同じだよ」と笑った。
「僕の家は両親共働き。弟二人は小さいから必然的に僕が料理担当になった。作るのは嫌いじゃないから問題ないよ。母は仕事人間で出張も多いけど、父とも仲が良いから。特に不満はないかな」
「なるほど……。必然的に作らなきゃいけない状況だったのね、三人共」
碧理は納得した。
自炊しなくても、昨今はコンビニやスーパーの惣菜。それに宅配や外食。食べ物はどこにでも大量にある。
だが、コンビニも朝、昼、晩、三日続ければ飽きてくる。好みも毎回偏り、同じものしか手に取らないし食べない。その内、食べたい物がなくなってしまう。
その点、自炊は時間がかかって面倒だが、身体に優しく節約にもなる。何より、将来一人暮らしをする時は食の心配がない。
「翠子さんは料理をしたことないよね?」
食器棚の前で、美咲と楽しそうに吟味している翠子に目をむけた。
あんなに電車の中で喧嘩していたのが嘘みたいに二人は仲が良い。
「いや、一回だけ俺と一緒に作った。シチューだったけど……茶色くなったんだよ。市販のルーじゃなくて、コンソメや牛乳で作ったせいか焦げて大変だった」
その時のことを思い出したらしく、慎吾が苦笑いを浮かべた。
焦げたシチューは、その後、翠子の家族と一緒に全部完食したと言う。なんだかんだと言いつつ、全て平らげる慎吾は見た目とは違い優しい。
「ところでさ、卵はどうするの? 今、茹で卵にして食べる? それとも明日の朝にする?」
残りの材料を見ていた蒼太が二人に声をかける。
「俺はカレーに入れる」
「私は明日の朝かな。あれ? 果物や缶詰。それに蜂蜜って、これ買っていたの美咲だよね? このまま食べるのかな?」
蒼太の隣で買い物袋の中を確認する碧理は、まるでSNSを意識しているような鮮やかな材料の数々に驚く。
どう見てもキラキラ女子が選びそうな食材だ。
「あ。それ、明日の朝食用よ。ほら、パンケーキ作るの。生クリームも買ったんだから」
皿を調達した美咲と翠子が調理台の上に食器を置いた。そして、生クリームを手に取ると見せびらかすように皆に見せつける。
「あのさ、美咲。その生クリーム……誰が泡立てるの? ハンドミキサーないよ?」
泡立て器で地道にやると時間がかかる。誰もが率先してやりたがらないだろう。
それを碧理が指摘すると、美咲が男子二人を交互に見た。
「お願い!」
可愛く首を傾げる美咲に、慎吾は呆れたようにため息を吐く。
「お前、自分でやれよ」
「無理よ。出来る気がしない」
「……俺はカレーで忙しいんだよ。それに甘い食べ物は嫌いだ。女、三人で泡立てろ」
そう言うと慎吾は、苦笑している蒼太と一緒に、市販のカレー粉を鍋に入れ始めた。
「ええ―。意地悪だ」
「まあまあ。落ちついて。明日の朝、早起きして作ろう」
「そうですね、私も手伝いますわ」
碧理と翠子が気を使って美咲を励ます。項垂れている様子を見るに、美咲はパンケーキが心の底から好きらしい。
「ありがとう。早起き出来るか分からないけど頑張る。あ、翠子、スプーン取ってこなきゃ。忘れてた」
「カトラリーですね。慎吾君。サラダがあるなら、あの棚の上にある大きな器が欲しいので取って下さい。私と美咲さんでは届かなくて」
翠子が指差した先にあるのは、透明な少し大きな皿。
女子二人よりも高い食器棚の上にある器はさすがに取れない。
「しょうがねーな」
面倒臭そうにそう言うと、美咲と翠子に連れられるように慎吾は行ってしまった。
残された碧理と蒼太は調理を再開させる。
「何サラダにするの?」
カレーを混ぜている蒼太が、キャベツを千切りにしている碧理に聞いた。
「コールスローだよ。私、これ好きなんだ」
「良いね。量が多いから手伝うよ。カレーはもう出来たから」
「ありがとう。じゃあ、人参も千切りにお願い。コーンは缶詰買ってきたから」
碧理の隣で人参を切り始めた蒼太は、碧理と会話を続けた。
主に、お互いの友達である瑠衣や刹那の話。蒼太のバスケの話。先生や好きな本。それにアーティストと話題は尽きない。
いつもは図書館で会った時に少し話す程度。そんな関係だった二人の距離が一気に近くなる。
「それでさ……」
「うん。それで、っ、あ……」
蒼太の話も面白く、碧理はふいに手元から目を離した。すると、包丁は無情にも碧理の指をかすめた。
「大丈夫? あ、これで抑えて」
蒼太が急いで取り出したのはネイビーのハンカチ。四つ角の一つに猫が刺繍されている可愛い品物だ。
それを血がうっすらと出ている人差し指へとあてる。
「あ、血がつくから汚れるよ」
「気にしなくても良いから。こういうためのハンカチだろ」
爽やかなクラスの人気者は気が利く。この行動力が友達が多い一因なのだと碧理は感心した。
「森里君はイケメンだね。ハンカチ持っている男子ってあんまりいないよ」
昨今では、男子どころか女子も持っているか微妙な所だろう。
特に深い意味もなく碧理がそう言って蒼太を見ると、なぜか顔が赤い。
「どうしたの?」
「いや。……イケメンってそんなに言われないから照れる」
「えっ……。嘘だ。森里君、背も高いし優しいしモテるでしょ? 彼女いないのが……不思議なくらいで……あ」
そこまで言った碧理は思い出す。
電車の中で美咲に聞かれ、気になる子発言をしていたことを。聞こえていないような態度をとっていた碧理は、その時に気分が落ち込んだ。
自分ではないとわかっていても、気になり出すと目が蒼太を追ってしまう。
「彼女はいないから」
落ち込む碧理を見ながら、蒼太は即答した。
「でも、気になる子はいるんでしょ? さっき電車で……ごめん。変なこと聞いて。もう聞かないから安心して」
そこまで聞いた碧理は咄嗟に聞くのを止めた。
自分もこう言う質問をされたら嫌だからだ。それに、蒼太を意識し始めた碧理は、その答えを聞くのも怖い。
「お前ら、青春してんの? 二人はそう言う関係だったのか。蒼太が彼女作らなかった理由は花木か? ふーん」
皿を手に戻って来た慎吾が、手を繋いでいる二人を見て軽口を叩く。
違うことが気になって忘れていたが、手は蒼太に握られたままだ。碧理は途端に恥ずかしくなった。
ハンカチで抑えられている傷の痛みが、感じなくなるくらいに動揺した。
「ダメよ。赤谷。外野は静かにフェードアウトしなきゃ。カレー三人分貰ってすぐにいなくなるから続きして大丈夫よ!」
「そうですよ。おめでとうございます。碧理さん」
なぜか、美咲と翠子までもが誤解しているようだ。
「ち、違うよ。指を切っちゃったから、森里君がハンカチ貸してくれただけだってば」
急いで説明するが、三人共、生温かく頷くだけで信じてくれない。
「花木さんの言う通りだよ。誰かバンソーコ持ってない?」
蒼太も赤い顔をそのままに、碧理の傷を皆に見せる。
思ったよりも良く切れる包丁だったらしく、赤い血がまだ滲んでいる。
「私が持っています」
そう言ったのは意外にもお嬢様の翠子で、鞄から取り出すと蒼太に手渡した。
どうして蒼太に手渡すのかと碧理は不思議そうな顔をする。だが、それを当たり前のように蒼太が受け取り処置を施す。
弟達の面倒も見ていると言っていたからか、手慣れていて戸惑っている様子はない。
狼狽えているのは碧理だけのようで、近すぎて、視線をどこに定めて良いのかわらかない始末。
しかも、外野三人の視線がむず痒い。
「出来たよ。痛みは大丈夫?」
「あ、うん。大丈夫。ありがとう」
碧理は、挙動不審な様子でお礼を言う。痛みよりも恥ずかしすぎて顔が熱い。
「あとは僕と慎吾がやるから女子三人は座っていて。あそこのテーブルで待ってて」
「えっ? 大丈夫だから私もやるよ」
どうやら少し切っただけで戦力外通告をされたらしい。
「花木、この二人見ていてくれ。ふらふらと歩き回って危ないんだ。さっきも、そこのグループと話していて目が離せない」
慎吾の視線の先を見ると、男性三人と女性三人の姿。服装も若く料理をしている手つきも危なっかしい。
夏休みを利用して来ている大学生のようだ。
美咲達は男性達に話しかけられたのだろう。そのせいか、大学生グループの空気がギスギスしているように見える。
「う、うん。わかった。あっちの、人がいないテーブルにいるね」
「悪い。助かる」
あんなに翠子と別れたいと叫んでいた慎吾は見た目とは違い心配症だ。過保護とも言うだろう。現に、翠子の様子を何度もチラチラと確認してくる。
それが当たり前のように、翠子は全く気にしていない。
「溺愛だよね?」
三人でテーブルへと向かっていると、美咲が碧理の耳元で囁いた。
「そうだね。意外なライオンの姿に驚いたよ。恋は人を変えるんだね」
六人掛けのテーブルに辿り着くと、美咲と碧理が隣同士に座り、向かいに翠子が一人で座った。
「何のお話しですか? ライオン?」
「赤谷のこと。学校では問題児とかライオンとか言われているけど、本当は優しいって話」
美咲が説明を始めた。
学校で慎吾がどんな生活を送っているのかを。
すると、話していく内に翠子の顔つきが曇り出す。
「それは多分、私のせいです。慎吾君は中学まで真面目だったから」
中学まで慎吾は、黒髪で眼鏡をかけていて、絵に描いたようなガリ勉タイプだったと翠子は言う。
それが想像出来なくて、碧理も美咲も顔を見合わせた。
成績は学年トップクラスで生徒会長まで務め、卒業式では代表して答辞を読むなど輝かしい中学時代を送っていたらしい。
品行方正で秀才。今と全く違う評価に、碧理も美咲も想像がつかない。
「成績優秀? 今は私と一緒に補習受けているのに……。あ、そうか。赤谷も出席日数が微妙なのか。あいつも私と一緒で学校行かないから。でも、どうして高校になってから問題児になったの?」
美咲の疑問に、翠子は悲しそうに目を伏せる。
「たぶん、私のせいです。私が慎吾君と付き合っていることが両親にバレたから」
翠子と慎吾が付き合い出したのは中学を卒業してから。
女子高に通う翠子が不安になって、無理やり迫って付き合うことになったと言う。意外に積極的な翠子の行動に、碧理も美咲も興味津々だ。
だが、一人娘の翠子は、両親から交友関係を厳しくチェックされていると言う。
「高校になってすぐに知られてしまって。両親が慎吾君に言ったらしいのです。別れて欲しいって。それから何度も慎吾君から別れようって言われたけど、私は納得出来なくて平行線のまま今に至ります」
翠子は俯いて辛そうに声を震わす。
詳しく聞くと、翠子の家は碧理も美咲も知っているほどの有名な企業。そして一人娘のため、将来は翠子が後を継ぐことが決まっているらしい。
物心ついた時から両親の姿を見て育って来た翠子は、跡継ぎになることに不満はないと言う。そのために、今は勉学に励み将来に活かしたいと胸を張って答えた。
でも、それは慎吾がいてくれるからこそ頑張れると声を震わす。
何度も両親にそう伝えたが、聞き入れてくれないと翠子は悲しそうに笑った。
「お嬢様も大変だ。なら、赤谷の今の素行の悪さは翠子と別れるための演技ってこと? 自分の将来潰しているようなものだよ。推薦は取れないし、友達は離れていくし……」
確かに美咲の言う通り、学校内で慎吾を見かけるといつも一人だ。あえて、一人になろうとしているようにも見えた。
「だから私は慎吾君と別れません。私のせいで慎吾君の未来が……狭まりましたから。私が傍にいます」
「……なんだよ、それ。翠子に関係ないだろ? 俺の未来は俺が選ぶ。勝手に決めつけるな」
カレーを人数分、お盆に載せてきた慎吾と蒼太に今の話を聞かれたらしい。
慎吾の顔つきは厳しく怒っているようにも見える。
「翠子、俺はそんな理由で高校生活を送っているんじゃない。違う理由だ」
「じゃあ、理由を教えて下さい。いつもこの話題になるとはぐらかしてばかりで要領が得ません。ここではっきり教えて下さい。それで、納得出来る答えなら諦めます」
椅子から立ち上がり、慎吾に面と向かって自分の言いたいことを伝える翠子は、かっこよかった。
それほどまでに堂々としていた。
「それは……」
「その前にカレー食べよう。冷めたら美味しくなくなるから。それから二人で話し合いなよ。外野がいると邪魔でしょ?」
蒼太が抜群のタイミングで場を取り持つ。
そのおかげでピリピリしていた場が少しだけ和んだ。
「俺は食欲がなくなったからいらない」
そう言うと、慎吾は逃げるようにその場を離れる。
どうやら食事中をしていると、逃げられなくなると思ったらしい。子供のような反応に、碧理は苦笑した。
「慎吾君!」
後を追い駆けようとする翠子を碧理が止める。
「待って。あの様子じゃ何を聞いても上手くいかないと思うから、一人にさせとこう。後でカレー届けるから」
それでも行こうとする翠子の腕を掴み、椅子へと強引に座らせた。
そして四人での味気ない晩餐が始まる。
カレーは市販のルーだが、とても美味しく出来た。コールスローもスマホのレシピサイトで一番人気なだけはある。会話もそこそこ弾んだが、一人抜けた寂しさは何処となく漂っていた。
「ごめんなさい。私のせいで嫌な空気にさせてしまって」
皆が食べ終わると、翠子が頭を下げて謝罪する。
慎吾がいなくなった責任を感じているらしい。楽しい予定だった夕食が、味気ないものに変わったことが堪えたのか、目に見えて落ち込んでいた。
「仕方ないよ。それに、この旅ではっきりさせたら良いんじゃない? 翠子の願い事は赤谷君とずっと一緒にいることでしょう? なら、二人で話し合うべきだよ」
碧理は話ながら、皆が食べ終えた皿やスプーンを手際よく片づけ始めた。
「碧理さんは大人な考えです。私はすぐに答えを求めてしまって慎吾君を困らせています。わかっているけど……好きなんです」
翠子の声が震える。どうやら泣いてしまったらしい。
「好きだけじゃ生きていけないよ。だって私の両親、恋愛結婚なのに離婚してるから」
碧理が笑いながらそう言うと、翠子は気まずそうな顔をする。そして、蒼太も何も言えずに心配そうに碧理を見ている。
「ああ、それわかる。でも、子供としては離婚してくれた方が良い時もあるよ。だって、うちなんて、今、両親がダブル不倫中なんだもん」
まさかの重い告白に他の三人は絶句する。
そんな中、美咲自身は明るく告げた。
「いや、本当だよ。本人達はバレていないと思っているけど、兄も弟も知っているからね。私の引きこもりの原因それだから。ママは専業主婦だから見張りも兼ねているんだ。てか、私だけじゃなくて皆の両親も凄いね。良くこんな境遇ばかり集まったね」
確かに美咲の言う通りだと誰もが思った。
碧理の両親は離婚。慎吾は家庭内別居。美咲はダブル不倫中。翠子は厳格な親で融通がきかない。唯一、まともそうなのは蒼太だけかも知れない。
「両親の話題は置いとこうか? それを話し始めると、慎吾がお腹空かして暴れそうだから。温め直して僕が持って行くよ。翠子さんは、もう少し時間を置いてからの方が良いよ。慎吾も頑固だから」
翠子が立ち上がろうとすると、蒼太がそれを止めた。
「なら私が持って行くよ。森里君だと……赤谷君、何も話さないと思うから。だって、プライド高そうだし恋愛が絡むと男同士でも言えないんじゃない? 美咲は……傷口に塩を塗り込みそうだから却下」
碧理がそう言うと、美咲はブーイングの声を上げた。だが、蒼太と翠子も肯定したせいか大人しくなる。
蒼太も不満そうだが、碧理の説得に折れてくれた。
探そうとすると、さすがに元学校だけあって広い。むやみやたらと動き回るのは無謀だ。
蒼太が何回も慎吾に電話をかける。
数回目の電話でやっとで出た慎吾に居場所を聞き出し、碧理は向かった。
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