第16話 叙勲式の朝
翌日
「おはようノフィ」
「ふぁー、おはようルイト君。今日はいつもより早いね」
「まあ今日は謁見の日だからな。緊張してるんだよ」
そう言って俺は日課のトレーニングを始めた。そして朝になり朝食を取りにホールに行くともうみんな揃っていた。
「おはようルイ、家で待ってるから頑張れよ!」
「気にせず普通に過ごせばいいのよ」
兄さんや姉さんは口々に声援をかけてくれる。それだけでも嬉しい。すると父さんが
「それよりも今はみんなで朝食をとろうか」
と言って席に着くよう促した。俺と兄さんたちは席につきみんなで朝食を食べた。
食べ終わると部屋に戻った。
部屋には昨日買った洋服が置いてありそれに着替えた。
それから十分ほどで時間になり玄関ホールに降りた。
そこには俺と同じように正装を着た父さんがいた。
2人で家族に見送られながら馬車に乗った。
馬車の中では緊張を和らげようと父さんが話しかけてくれ、それから20分ほどすると皇城に着いた。すると父さんは皇城の使用人に呼ばれた。
ここからは別行動らしい。すると間も無くして
「おっと、待たせちゃったかな。ごめんねルイト君」
そう言って1人の騎士が近づいてきた。その騎士は、俺が皇帝陛下と話した時に途中から入ってきた騎士だった。
「お久しぶりです」俺がそういうと
「お~、覚えてくれていたんだ。よかった~」
と言って素直に喜んでいた。すると俺がじっとその騎士の方を見ているのに気づいて
「あ、ごめんごめん名乗ってなかったね。僕はライル・フォン・アークライト。気軽にライルって呼んで。今は一応近衛騎士団長をしてるよ」
そう言ってきた。俺はこの時二つのことに驚いていた。一つはこの若さで近衛騎士団長であること。この国では近衛騎士団は実力主義で、実力のあるものしか入れない。
また、団長も実力で決めるため相当な実力者のはずだ。
そして二つ目さっき名乗ったアークライトこれはこの国には公爵家しかない。
つまりこの騎士は公爵家の人間であるということだ。
「すみません。アークライト公爵家の方とは知らず」
そういうと「いやいや大丈夫。それより歳がそこまで離れてないからその硬い口調はなんとかしてほしいな」
そう言われたので俺は素直に
「わかったよ、ライル。これでいいか?」
「うんうん、いいね」
そう言いながらニコニコして廊下を進んでいく。すると大きな扉の前に来た。
するとライルがきゅうに真面目になって
「謁見の方法はわかるかい?」そう聞いてきた。
俺は知らないことを伝えると
「今回は僕と一緒に入るから僕のマネをしてね」
そう言ってきた。するといよいよその時がやってきた。
「ルイト・フォン・ニアラス、ライル・フォン・アークライト入れ」
そう言われると目の前の大きな扉が空いた。
そこにはたくさんの貴族がいた。
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