偽令嬢魔王 ~魔王軍を追放されてしまったので悪役令嬢として忍び込むことにしました~

松本まつすけ

設定資料集

(ネタバレ有り)

◆登場人物紹介

★魔王サイド★


【フィテウマ・サタナムーン】

(登場:第1章「第1話 魔王、死す」~)

 本作の主人公。月の如き銀の髪と、血の如き紅い瞳の少女。

 魔王として君臨し、人間とは長い年月戦争し続けていた。

 勇者の聖剣に心臓を貫かれ、全ての力を消失させられることに。

 他者の負の感情を糧にしているため、時間さえあれば蘇ることができる。

<スキル>

・魔術を極めし者[常時]:高度な魔法を扱える。また魔法を創り出すことができる。

・魔導の見者[常時]:魔力やその性質を感知することができる。

<補足>

 名前の元ネタはフィテウマ・コモースム(学名:Phyteuma scheuchzeri)。

 そしてサターン(悪魔)+ムーン(月)から。

 ちなみにこのフィテウマは別名、悪魔の爪とも呼ばれる。

 その花言葉は「気品」「品格」。


【ミモザ・アレフヘイム】

(登場:第1章「第6話 アホの子登場」~)

 生まれつき魔力を持ってなかったため、エルフの森から追放されてしまった少女。

 魔法の才はないが、突然変異級に魔力感知能力がズバ抜けて優れている。

 日銭を稼ぐために独学で魔具を作って各所で売り歩いていた。

 主人公と出会い、質の良い素材を得られるようになり、兵器も平気で造れる。

<スキル>

・魔脈の見極め[常時]:魔法・魔力の流れを把握できる。

・魔技師の知恵[常時]:効率的に道具に魔力を込めることができる。

<補足>

 名前の元ネタはマメ科アカシア属のミモザ(学名:Mimosa)。

 花言葉は「友情」「秘密の恋」。

 また、アレフヘイムは北欧神話におけるエルフが住む国のこと。

 厳密にはアルフヘイムまたはアールヴヘイム(Alfheim、Álfheimr)。

 余談だが、そこに住むエルフの鍛冶屋が主神の剣を打ったとされる。


★勇者サイド★


【ロータス・ネルムフィラ】

(登場:第1章「第2話 勇者、殺す」~)

 勇者としての運命を背負い、精霊の加護を受け、女神から聖剣を託された男。

 本編では開幕で魔王(主人公)を倒した男。

 魔王を討伐してからは世界的に勇者として認知されるようになる。

 軍事国家レッドアイズとは縁が深く、一時期は軍に所属していた経歴も。

 後に自ら志願して辺境の地パエデロスに赴き、治安維持に努める。

<スキル>

・聖光衣[任意]:身体能力を大幅に上昇させる。ついでに全身が光る。

<補足>

 名前の元ネタは蓮(学名:Nelumbo nucifera)。

 花言葉は「救済」「清らかな心」。


【ダリア・ノベルティ】

(登場:第1章「第2話 勇者、殺す」~)

 赤髪の女魔法使い。その実力は一国をも容易く落とせると言われるほど。

 本編ではロータスと共にパエデロスの治安維持に勤める。

 かつては荒れ果てた死の大陸で薬師や用心棒として生計を立てていた。

 偶然にもロータスと遭遇し、魔王討伐の仲間にスカウトされることに。

 ロータスとの出会いで、以前と比べると格段に優しい性格になったとか。

<スキル>

・魔術の心得[常時]:魔力を感知することができる。

<補足>

 名前の元ネタはキク科のダリア(学名:Dahlia)。

 花言葉は「気まぐれ」「裏切り」。


【マルペル・ミラビリス】

(登場:第1章「第2話 勇者、殺す」~)

 元王宮に仕えていた女僧侶。聖女として名を馳せた時期もあった。

 本編ではロータスと共にパエデロスの治安維持に勤める。

 王宮が陥落し、放浪していた頃にロータスと出会い、以降同行することに。

 善行だけで生きてきているが、誰よりもこの世の汚い部分を見てきている。

 正義感が強いがゆえに説教臭い面が出てくる。

<スキル>

・慈愛のヴェール[常時]:回復・治癒能力が向上する。

<補足>

 名前の元ネタはオシロイバナ(英名:Marvel of Peru、学名:Mirabilis jalapa)

 花言葉は「内気」。


【リンドー・ジェンティアン】

(登場:第1章「【勇者組】再会」~)

 軍事国家レッドアイズ出身の兵士。屈強なるムキムキの戦士。

 本編では基本的にレッドアイズで活動しており、パエデロスまではあまり来ない。

 ロータスと出会い、一時は魔王討伐の仲間として同行していた時期もあった。

 剣の扱い方から、戦場における立ち回り方に至るまでロータスに叩き込んだ。

 勇者の仲間の中では最年長ということになる。

<補足>

 名前の元ネタは竜胆(学名:Gentiana scabra)。

 花言葉は「誠実」「正義」。


【シゲル・ナデシコ】

(登場:第3章「第72話 財宝を持ち帰るまでが冒険です」~)

 一応本編では勇者の仲間に分類されている男。ウザイくらい陽キャ。

 悪名高き盗賊。元は東方の島国の出身で、忍と呼ばれる暗殺稼業をやっていた。

 他者に忠義を尽くすことに嫌気が差して大陸まで渡ってきた経緯がある。

 女癖が酷く、女と見れば厄介に絡んでくる悪癖も。

 優れた諜報能力を持っており、相互利益のため一時ロータスと組んでいた。

<スキル>

・危機勘[常時]:不意打ちやトラップなどの危険を察知できる。

<補足>

 名前の元ネタはナデシコ属の繁縷(学名:Stellaria)。

 花言葉は「ランデブー」「集合する」。


★軍事国家レッドアイズサイド★


【コリウス・レッドアイズ】

(登場:第2章「第30話 アホの子、増える」~)

 軍事国家レッドアイズの第二王子。見た目はやんちゃなチビっこ。

 兄が優遇され、放任気味のためか家出癖があり、周囲を困らせることが多い。

 冒険者に憧れてはいるが、知恵も実力も伴ってはいない。

 国では誰もが悩まされるトラブルメーカー。

<補足>

 名前の元ネタはシソ科のコリウス(学名:Solenostemon scutellarioides)。

 花言葉は「かなわぬ恋」。


【ソレノス・レッドアイズ】

(登場:第2章「第36話 ヤバいの出てきた」~)

 軍事国家レッドアイズの第一王子。コリウスより八つほど年上。

 父である国王と同じくらいに国民から信頼されている剛胆な男。

 国のためなら努力も惜しまない。コリウスと違って英雄的な人気も高い。

 ロータスとは同い年で、密かにライバル視している一面も。

<補足>

 名前の元ネタはコリウス(学名:Solenostemon scutellarioides)。

 ちなみに主な種類として、ジグザグ、チュルオタ、レッドアイズなどがある。


★冒険者サイド★


【コーベ・ステラリア】

(登場:第3章「第67話 ジメジメ洞窟に陽キャを添えて」~)

 冒険者を名乗る男。その正体はシゲル・ナデシコ。

 卓越した変装技術を持ってコーベに化けている。

 ちなみに、コーベは数年前に行き倒れていた冒険者の名前らしい。

<補足>

 名前の元ネタはナデシコ属の繁縷(学名:Stellaria)。

 西洋では小鳥のエサにする草で、小鳥が集合する様が花言葉の元になった。


【ケノザ・ラミウム】

(登場:第3章「第67話 ジメジメ洞窟に陽キャを添えて」~)

 コーベと手を組んでいる熟練冒険者の男。

 実力者かつ元勇者の仲間であるコーベに一応信頼を置いている。

 冒険者として積んできた経験であればコーベにも負けじと劣らない。

<補足>

 名前の元ネタはホトケノザ(学名:Lamium amplexicaule)。

 花言葉は「調和」。


【ヤツリ・シペラス】

(登場:第3章「第67話 ジメジメ洞窟に陽キャを添えて」~)

 コーベと手を組んでいる熟練冒険者の男その2。

 元は傭兵稼業だったが、パエデロスの噂を聞きつけて転職した。

 コーベとは馬が合うが、女癖の悪さには呆れ果てている。

<補足>

 名前の元ネタはカヤツリグサ(学名:Cyperus microiria)。

 花言葉は「伝統」。


★使用人サイド★


【チコリー】

(登場:第1章「【使用人】我らがフィーお嬢様」~)

 主人公の屋敷に勤めているメイドの一人。見た目は小柄な少女。

 元は奴隷としてパエデロスに連れてこられたが、主に捨てられ失業。

 後に、斡旋所経由で屋敷の使用人として雇われることとなった。

<補足>

 名前の元ネタはキク科のチコリ(学名:Cichorium intybus)。

 花言葉は「質素」「節約」。


【オキザリス】

(登場:第2章「第50話 勇者地獄」~)

 主人公の屋敷に勤めているメイドの一人。服の下はムキムキの少女。

 元はレッドアイズ国の城に勤めていた超ベテランメイド。

 何故か勇者の仲間とは交流も深い。

<補足>

 名前の元ネタはカタバミ科のオキザリス(学名:Oxalis)

 花言葉は「決してあなたを捨てません」。


【ジャスミン】

(登場:第1章「【使用人】我らがフィーお嬢様」~)

 フィーの屋敷に勤めるメイドの一人。

 パエデロスの治安が多少なり良くなった後、斡旋所経由で雇われた。

 一応、同じメイドのチコリーの先輩にあたる。

<補足>

 名前の元ネタは茉莉花(学名:Jasminum)。花言葉は「優雅」。

 なお、本編では名前が出ていない。


【ダージリン】

(登場:第1章「【使用人】我らがフィーお嬢様」~)

 フィーの屋敷に勤める執事の一人。

 まだパエデロスの治安が悪かった頃、フィーが掻き集めてきた使用人の一人。

 貴族に捨てられた身分だが、執事であることに多少なりプライドを持つ。

<補足>

 名前の元ネタは紅茶の産地から。ちなみに茶の花言葉は「純愛」。

 なお、本編では名前が出ていない。


★従業員サイド★


【デニア・アスタロイズ】

(登場:第4章「第89話 新装開店、リニューアルオープン!」~)

 ミモザの店で働く従業員の一人。褐色肌で、白髪の女エルフ。

 遠方の大陸にあるジャーカランダーという国の出身、ということにしている。

 森を焼かれ故郷を失ったエルフの一人。仲間と共に世界を旅していた。

 笑顔を振りまく、おっとりとした気質は、周囲に馴染むために習得したもの。

 定住の地を求め、エルフの里を転々としていたが、パエデロスに行き着いた。

 里から追放されたミモザのことを密かに妹のように思っている。

<スキル>

・森の民の勘[常時]:魔法・魔力の流れを把握できる。

・華焚昇:周囲に穏やかな雰囲気を醸し出す。

<補足>

 名前の元ネタはクチナシ(学名: Gardenia jasminoides)。

 アカネ科クチナシ属で別名、ガーデニアと呼ばれる。

 果実は着色料などに使われることもある。

 花言葉は「優雅」。


【ヤスミ・イクソラ】

(登場:第4章「第89話 新装開店、リニューアルオープン!」~)

 ミモザの店で働く従業員の一人。黒髪で、変な髪型の女。

 元は東方の島国の出身で、忍と呼ばれる暗殺稼業をやっていた、らしい。

 隠密の仕事では、師匠と慕う人の次くらいに優れた能力を持つ、らしい。

 パエデロスまでやってきたのは実の師匠を追いかけてきたから、らしい。

 師匠と同じく血生臭い仕事に飽きてきたので平穏に過ごしたい、らしい。

 ちなみにミモザに仕えるのは死に別れた妹によく似ているから、らしい。

<スキル>

・韋駄天[常時]:素早さが向上する。

・影ノ足:足音・足跡を残さず移動することができる。

<補足>

 名前の元ネタはクチナシ(学名: Gardenia jasminoides)。

 ジャスミンに似た芳香を放つため、ジャスミノイデスと呼ばれる。

 ちなみに「ja」はドイツ語の発音では「ヤ」になる。

 花言葉は「洗練」。


【ノイデス・ノウマウス】

(登場:第4章「第89話 新装開店、リニューアルオープン!」~)

 ミモザの店で働く従業員の一人。ハーフオーガの女。

 何処ぞの山奥の集落から家出してきたため、出身の詳細は不明。

 生まれつき身体が弱く脆弱で虐められていたが、血反吐を吐く思いで鍛えた。

 結果、黒光りする筋肉を得られるまでに至ったが、それでもオーガには劣る。

 オーガとしても半人前、人間としても半人前の中途半端な女。

 虐げられても努力を実らせたミモザのことは心の底から尊敬している。

<補足>

 名前の元ネタはクチナシ(学名: Gardenia jasminoides)。

 ジャスミンに似た芳香を放つため、ジャスミノイデスと呼ばれる。

 葉は対生で、表面に強いつやがある。

 花言葉は「私は幸せです」。


【サンシ・マルバ】

(登場:第4章「第89話 新装開店、リニューアルオープン!」~)

 ミモザの店で働く従業員の一人。女ドワーフ。

 極寒の名もなき山々を旅するキャラバンの元メンバー。

 主に炭鉱で鉱石を掘り起こし、それを加工する専属の技師だった。

 それまで定住することはなかったが、凄腕の噂を聞きつけ山から下りた。

 魔法を使うことができないため、術式の組まれた魔具に憧れを抱いている。

 ミモザとは同い年くらいらしく、そこはかとなく親近感が沸いているらしい。

<スキル>

・魔脈の見極め[常時]:魔法・魔力の流れを把握できる。

・石への傾聴:鉱石の性質を把握できる。

<補足>

 名前の元ネタはクチナシ(学名: Gardenia jasminoides)。

 漢名(中国植物名)では山梔(さんし)となる。

 株立ちする常緑の低木。

 花言葉は「喜びを運ぶ」。


★アレフヘイムサイド★


【プディカ・アレフヘイム】

(登場:第4章「第111話 族長のプライド」~)

 アレフヘイムの里の族長を務める若いエルフ。推定500歳。

 プライドが高く、アレフヘイムに誇りを持っている。

 ただし、カリスマ性に欠けており、控えめにいってポンコツ。

 実力こそ尊敬に値し、従いこそするが里のエルフはついていけていない。

 先代の娘ということもあり、族長の座に就いたが、里の重鎮は頭を抱えている。

 さらに実の娘が魔法の才に恵まれなかったことが族長の名に傷をつけた。

<スキル>

・魔脈の見極め[常時]:魔法・魔力の流れを把握できる。

<補足>

 名前の元ネタはオジギソウ(学名:Mimosa pudica)。

 ミモザとは本来、オジギソウに由来する植物名のこと。

 日本ではアカシアを指す呼び名として使われているが、本来は誤用である。

 花言葉は「敏感」「失望」。


★ネルムフィラ魔導士学院サイド★


【カーネ・ディアンカリー】

(登場:第5章「第119話 ネルムフィラ魔導士学院入学式」~)

 ネルムフィラ魔導士学院の教師としてレッドアイズ国から派遣されてきた。

 レッドアイズを代表する魔法薬学者で、一時期は王子の教育係を担っていた。

 銀色の眼鏡を光らせ、陰湿で陰険な態度をとるが、反面、面倒見はいい。

 優秀な生徒ほど好待遇に接して甘やかし、不出来な生徒ほど鞭を振るう。

<スキル>

・魔術の心得[常時]:魔力を感知することができる。

・薬剤師の知恵[常時]:薬に必要な材料を見抜くことができる。

<補足>

 名前の元ネタはカーネーション(学名:Dianthus caryophyllus)。

 スパイシーな香りを持ち、古来より酒や料理、香水などに使われている。

 花言葉は「誇り」「気品」。


【マーガ・キッキバル】

(登場:第5章「第119話 ネルムフィラ魔導士学院入学式」~)

 ネルムフィラ魔導士学院の教師としてレッドアイズ国から派遣されてきた。

 レッドアイズの国立魔導学院を首席で卒業した高名な呪術師。

 普段は頭からすっぽりとフードを被って顔がよく見えないが、美人。

 性格は内向的で情緒不安定。見た目とのギャップで生徒からの人気は高い。

<スキル>

・魔術の心得[常時]:魔力を感知することができる。

・貪欲な領域:任意の場所の空間を一時保存できる。

<補足>

 名前の元ネタはマーガレット(学名:Argyranthemum frutescens)。

 和名は木春菊(モクシュンギク)という。花占いなどでよく使われる。

 花言葉は「美しい容姿」。


【パエニア・ラクトフロニア】

(登場:第5章「第123話 少年よ、筋肉の前に黙せ」~)

 パエデロスの貴族街に住み、ネルムフィラ魔導士学院に通う少年。

 治安の悪い頃に移住してきており、資金援助の出資者の親を見て育つ。

 大体のことを金で解決できることを覚え、高慢でプライドの高い性格になった。

 自分が一番でありたいという願望は強く、人に隠れて努力を積む側面もある。

<補足>

 名前の元ネタは牡丹(学名:Paeonia suffruticosa)。

 女性の美しさを形容するため、女性へのプレゼントに良いとされる。

 花言葉は「高貴」「風格」。


【クラメ・ボンフィア】

(登場:第7章「第173話 淑女を学べ」~)

 幼少期にパエデロスに移住してきた貴族に養子として引き取られたハーフオークの少女。

 当時から淑女としての嗜みを一から教え込まれた本当の意味での令嬢。

 オークの血を引く亜人のため忌み嫌われてきており、他人と接することが苦手。

 外見的特徴も、整った顔に豚の鼻がついているという歪さをからかわれることも多い。

 魔力に秀でた才はないものの、ネルムフィラ魔導士学院では優等生に部類する成績を誇る。

 とあるきっかけからリコリスと関わるようになり、強力な魔法も習得できるようになった。

<スキル>

・狩人の鼻[常時]:優れた嗅覚を発揮し、遠くにある匂いの所在や鑑定ができる。

・野生健脚[常時]:丸々一日中歩き回れる程度の体力がある。数十分休憩するだけで回復する。

<補足>

 名前の元ネタはシクラメン(学名:Cyclamen persicum)。

 別名、カガリビバナ(篝火花)、ブタノマンジュウ(豚の饅頭)とも呼ばれる。

 花言葉は「遠慮」「清純」「内気」。


★新生魔王軍★


【ロベリア・エリナス】

(登場:第6章「第165話 逆襲の魔王」~)

 かつて勇者ロータスの仲間を名乗っていた男。

 高貴な法衣を纏い、知的な凜々しさを放つ。賢者とも呼ばれる高位魔術師。

 旧魔王軍の捕虜の命を動力源に変換する非人道的技術の発案者。

 損得勘定で生きており、自分の得にならないことには関わらない。

 お人好しのロータスの一挙手一投足には虫唾が走るほど。

 あたかも魔王親衛隊のリーダー格のように思わされるが、指揮を執りたいだけ。

<スキル>

・魔術の心得[常時]:魔力を感知することができる。

・命脈の極み:魔力から命の量を鑑定できる。魔力を命に変換、またその逆もできる。

<補足>

 名前の元ネタはロベリア(学名:Lobelia erinus)。

 花言葉は「悪意」「敵意」。


【カルミア・ラウレル】

(登場:第6章「第165話 逆襲の魔王」~)

 かつて勇者ロータスの仲間を名乗っていた女。

 ギャンブラーとして名を馳せていた時期もある、世界でも指折りの占い師。

 未来を見通す能力は本物だが、制約も多く、ここぞというときにしか使えない。

 何よりも刺激的なものを求めており、分かりきった未来には興味もない。

 未来のことをあまり考える必要もないため、思想はかなり幼稚で、思慮も浅い。

 勇者と過ごしていると死ぬほど忙しい割に楽しくないという理由で離脱した。

<スキル>

・魔術の心得[常時]:魔力を感知することができる。

・危機感の勘[常時]:目の前の相手の力量(具体的には筋肉量や魔力量)などを理解できる。

・未来視:自分以外の、名前を含む力量などの情報が把握できている対象の未来の1秒が視える。ただし、1度視た相手の未来は二度と視えない。

<補足>

 名前の元ネタはカルミア(学名:Kalmia latifolia)。

 花言葉は「裏切り」「野心」。


【サフラン・クロッカス】

(登場:第6章「第165話 逆襲の魔王」~)

 かつて勇者ロータスの仲間を名乗っていた男。

 拳法着の上からでも見えるほどの怒張した筋肉を持つ武闘家。

 腕力だけなら世界でも随一で、ロータスやリンドーも凌駕するほど極めている。

 心底、闘争を求めている気質のため、平和や平穏という言葉に嫌悪を抱くほど。

 ロータスと組んでいたのは、より強い敵と戦えるからに他ならない。

 魔王にトドメを刺したのが自分じゃなく勇者だったことを未だに嫉んでいる。

<スキル>

・剛腕の怒り:受けたダメージを力に置換できる。一度力を放つか、意識を放すと消失する。

<補足>

 名前の元ネタはサフラン(学名:Crocus Sativus)。

 花言葉は「過度をつつしめ」「濫用するな」。


【ナルシス・ダフデイルス】

(登場:第6章「第165話 逆襲の魔王」~)

 かつて勇者ロータスの仲間を名乗っていた男。

 レッドアイズ国の軍事力に三割は貢献しているという高度技術を持つ魔導技師。

 ロベリアと組むことで多くの不可能を可能にしてきた歩く歴史のような存在。

 その技量は世界の数十年先の未来を見据えていると噂されているほど。

 魔導機兵オートマタなどの技術に規制が掛かり、著しく不満を抱いているうちの一人。

 勇者の仲間で最弱と言われるが、それはあくまで基礎能力だけの話である。

<スキル>

・魔術の心得[常時]:魔力を感知することができる。

・禁断の叡智:潜在魔力を代償に対象の鑑定ができる。鑑定できる範囲は現在までの情報まで。

・魔技師の知恵[常時]:効率的に道具に魔力を込めることができる。

<補足>

 名前の元ネタは水仙(学名:Narcissus)。

 花言葉は「自己愛」「うぬぼれ」。


【リコリス・ルキフェルナ】

(登場:第6章「第160話 突然の遭遇」~)

 主人公の前の代の魔王の娘。月の如き麗しい白髪と、炎の如き朱き瞳の少女。

 普段は世界の底と云われる灼熱の大地に引き籠もっている月の民。

 潜在魔力は歴代の魔王にも匹敵し、常に蓄え続けているため、年をとらない。

 使命感や責任感という言葉が嫌いで、無気力かつ自堕落的な性格をしている。

 一度眠りに就くと百年以上目を覚まさないため、短命種はまずお目に掛かれない。

 主人公とは知り合い程度の関係だが、他に知人もいないため、協力には応じる。

<スキル>

・魔術を極めし者[常時]:高度な魔法を扱える。また魔法を創り出すことができる。

・魔導の見者[常時]:魔力やその性質を感知することができる。

<補足>

 名前の元ネタは彼岸花(学名:Lycoris radiata)。

 そしてルキフェル(堕天使)+ルナ(月)から。

 また、彼岸花の花言葉は「再会」「想うはあなた一人」。

 根に毒を持ち、死人花、地獄花などの呼び名がある。


★その他★


【セバスチャン】

(登場:第1章「第1話 魔王、死す」~)

 元魔王である主人公に仕えていたスケルトン。本名は不明。

 骨だけになる前からフィテウマの面倒を見ていた。

 口は悪いが、一応親心を持って魔王に接している。

 実は主人公の前の代の魔王にも仕えており、気の遠くなるほどの歴史の観測者。

<スキル>

・不死者[強制]:死ぬことはできない。

・闇夜の徘徊者:影の中に潜ることができる。また闇にいる場合、外からの干渉を逃れられる。光を浴びるとどちらも使用不可となる。

<補足>

 名前の元ネタは一般的な執事の名前、セバスチャンから。

 いつの頃から執事がセバスチャンという認識になったのかは諸説がある。


【ハイドレンジア】

(登場:第1章「【魔王城】コルクガール」~)

 勇者に陥落させられた後も魔王軍の影で活躍していたオーガ族。

 力仕事こそすれ、知略の方はセバスチャンに任せっきりとなっている。

 レッドアイズ国による残党狩りに遭った後、消息は不明。

<補足>

 名前の元ネタは紫陽花(学名:Hydrangea macrophylla)。花言葉は「冷酷」。

 なお、本編では名前が出ていない。


【レッドアイズ国王】

(登場:第2章「第54話 やぶ蛇」~)

 レッドアイズ国の王。

 先代、先々代より続く長い歴史の中、魔王軍と戦争してきた。

 兵器の近代化に最も貢献してきた血筋だが、当人はそれを継いできただけ。

 勇者であるロータス一派が魔王軍を陥落させた後、便乗で名声を得た。

 そして、魔王軍から押収してきた技術を盗み、国の発展へと繋いだ。

 しかし、生命をエネルギーに変換する禁忌の技術だったため、後に失脚。

 その結果、地位も名誉も全て失うにまで至る。

 作中、ソレノス・レッドアイズが新国王に継がれることになる。

<補足>

 本編でも名前が出ていない。

 そして今も名前は特に考えていない。


【カシア・アレフヘイム】

(登場:第3章「第67話 ジメジメ洞窟に陽キャを添えて」~)

 ミモザの姉を名乗る女性。その正体は令嬢フィー。

 お忍びで冒険者として活動するためにミモザの魔具を使って変身した仮の姿。


【バレイ・ソレイナム】

(登場:第4章「第86話 おいも騒動」~)

 辺境の街パエデロスにおいて農業組合の会長に就いている男。

 元々は治安維持を勤めるロータスにより遠方から連れてこられた貴族。

 実のところ、農業そのものはパエデロスでは定着しておらず退屈していた。

 令嬢フィーが大幅に開拓を進めてしまったことにより一気に多忙になったとか。

 グルメな一面も持っており、最近では芋料理にハマっているらしい。

 身分だけでいえば、レッドアイズ国の王族とも面識があるほど位は高い。

<補足>

 名前の元ネタは馬鈴薯(学名:Solanum tuberosum L.)。

 花言葉は「恩恵」「慈愛」「情け深い」。

 いわゆる一般的なジャガイモの別名。中国での呼び名。

 17世紀初め、ジャワのジャガトラから来たためジャガイモと呼ばれた説がある。

 本作では、ジャーカランダーから来たためジャガイモという名称になっている。

 また、ジャーカランダーの名前の元ネタはキリモドキ属(学名:Jacaranda)。

 こちらの花言葉は「栄光」「名誉」。


【クヤック・ラクトフロニア】

(登場:第8章「第202話 旅立ちの朝に」~)

 かつて軍事国家レッドアイズで騎士団長だった男。

 戦場では敵からも味方からも恐れられる鬼神とまで呼ばれていた。

 サー・クヤックの名が残るところに悪は栄えないという伝承が残っているほど。

 魔王軍に攻め込む際、膝に矢を受け、自身の老齢を痛感し、勇退することに。

 騎士を辞めてからは兼ねてより好意を寄せていた女性と結婚し、子供を儲ける。

 その後、治安維持のためリンドーからの要望によりパエデロスに移住した。

 辺境の地では現役ほどの威厳はなかったが、貴族として秘密裏に援助をしていた。

<補足>

 名前の元ネタは芍薬(Paeonia lactiflora)。ボタン科の多年草。

 花言葉は「つつましさ」「謙遜」。

 女性の美しさを形容する花の一つで「立てば芍薬、座れば牡丹」という言葉も。

 子供の名前はパエニアだが、おそらく奥さんの名前はリリー。


【女神】

(登場:第8章「第223話 星命」~)

 年齢や容姿などは一切不明。実際に出会ったことがあっても記憶に留まらない。

 ただ、誰もが一目で女神だと認識する。

 世界を管理していると囁かれているが、実際にはあまり関与することができない。

 別次元から世界の源である星命いのちを媒介にして初めて干渉できる存在。

 古の時代は星命いのちが満ち溢れ世界の何処でも女神に会うことも可能だった。

 星命いのちの核が割れて、一部が空の月になって以来、干渉できなくなってしまった。

 唯一直接干渉できるのは世界樹ユグドラシルが地上に露出している聖地コロナリアのみ。

<補足>

 作中で初めて女神の存在が示唆されたのは第1章「【???】いつかの戦い」。

 女神の干渉できる大陸の名前の元ネタはアネモネ(学名:Anemone coronaria)。

 色によって花言葉が異なる。「希望」「期待」「真実」「はかない恋」など。

 また、アネモネは100以上の品種があるが、花びらのない花というのも特徴。


小結こむすみ真央まお

(登場:第8章「【???】異世界転生」~)

 主人公の転生後の姿。

 前世の記憶と、何故か全盛期の魔力を引き継いできている。

 魔法のない世界に転生してきたが順応しようと奮闘。

<補足>

 名前の元ネタはフィテウマ・コモースム(学名:Phyteuma scheuchzeri)。

 その花言葉は「気品」「品格」。

 一般的な読み方は小結は「こゆい」「こむすび」と読む。

 コモースムの当て字を検討したが、あまりに可愛くないので小結こむすみとした。

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