第30話 七海編

紅葉とデートに行ってから時が経ち今日は七海さんとデートの日だ。今俺は集合場所の駅前に来て七海さんを待っている。


「結局七海さんはどこに行くんだろうな?」

「スポーツクラブだよ」


すると突然声をかけられた。


「おはようございます。びっくりするからやめてくださいよ」

「いいじゃない。これくらい」

「心臓に悪いです」

「あはは、ごめんね、それとおはよう」


七海さんはけたけた笑っていた。笑っている姿も絵になっている。


「で、今日は結局どこに行くんですか?」

「さっきも言ったじゃない。スポーツクラブよ」

「だから動きやすい服装にしてきたんですね」


そう一昨日くらいに動きやすい服できてくれってメールで言われたのだ。


「七海さん似合ってますね」

「康介君こそ」


七海さんはワンピースできていた。いや、あっちで着替えるなら俺もこの前買った服できたのに。


「じゃあ早速行きましょうか」

「そうですね」


それからしばらく電車に揺られながら他愛もない話をしているとすぐに着いた。


「へぇー意外と大きいのね」

「ここ来たことないんですか?」

「この前言ったじゃない。こういう場所には来ないのよ」


じゃあ俺が初めての人ですね。とは言えなかった。


「じゃあ早速入りましょうか」

「そうね」


俺たちは中に入りフリータイムで登録してから中に入った。ここにはボウリングにカラオケ、卓球やバスケ、釣りまでなんでも揃っている場所だ。


「こんなにあると何からやればいいか迷うわね」

「あ、じゃあまずあれからやりませんか?」


俺が指を指したのは卓球だ。


「いいわね、そうしましょう」


卓球台のところに向かいまずは2人でラリーをして慣らしてみる。


「以外といけますね」

「そうね、じゃあ試合でもする?」

「そうですね。最初なんで7点マッチでいいですか?」

「いいわ」


そして七海さんのサーブから始まった。七海さんは下手でもなく上手くもなく的な感じで普通に返してくるので俺もそれに合わせて返していく。しばらくラリーが続いている時に俺は少し回転をかけた。すると七海さんの前でたまが曲がり七海さんは返すことが出来なかった。


「今、回転かけたわね」

「勝たせてもらいますよ」

「じゃあ私も本気で行くわね」


そして俺はサーブを打った。そしたら七海さんは速いたまを打ち返してきた。これにはびっくりした。何とかこれは返せたが次に放たれたたまに反応できなく七海さんに点を取られてしまった。


「七海さん上手くないですか?」

「テレビの企画で練習したのよ」

「そーゆーことですか」


それからは一方的だった。俺が回転をかけてもあっけなく返してくるしその返してきたたまも速いからとても返せたもんじゃない。この試合は七海さんの圧勝で終わった。


「七海さんめちゃくちゃ強いじゃないですか」

「そうね、じゃあ私が勝ったし何か1つ言うことを聞いてもらおうかしら」

「ちょ、聞いてないですよ」

「だって言ってないもの、じゃあ今日は七海って呼んでね!これは強制だから」

「はぁ、わかりました。七海」

「ふふ、新鮮ね」

「恥ずかしいですよ」


少し恥ずかしくなった俺は次の場所に行こうと促した。


「ほ、ほら早く次の場所に行きましょう」

「そうね、康介」


急に呼び捨てはやばい。しかも年上のこんなに可愛い美人さんに言われたら心臓がもたない。俺は異様にドキドキする心臓で次の場所に向かった。

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