第16話 ライブ3

「さぁ始めようか。イッツァパーリータイム」


俺と龍は更衣室に入っていった。


時は少し遡り


「じゃあ俺が消化器やるから康介は飛び込め」

「まて、あれ被ろう」

康介が指さした先にはピエロの被り物があった。

「なんでだ?」

「少しくらい相手を動揺させられたら儲けものだろ。」

「たしかにな」

そしてその被り物は龍がつけることになった。


「もう1回作戦を言う。まず一緒に入っていって龍はすぐに消化器を使え。そのあとはさっき言った通りだ。」

「わかった。」

「よし行こう。」


俺たちが中に入って俺はドアを閉めた。相手の顔を見たら動揺しているのがわかった。


「さぁ始めようか。イッツァパーリータイム」


俺がそう言うと龍が消化器を使った。これで相手の視界が奪われる。そのうちに俺と龍は相手の懐に素早く飛び込み相手の顎を殴る。

だがギリギリのところで俺の拳がかわされてしまった。でも追撃して相手が顔を殴ってくるだろうと思ってるのを利用し俺はカーフキックをしてひるませた所で顎を殴り気絶させた。龍の方を見るともう終わってたらしい。

もちろんその時には消化器の効果も終わっている。


「お前ら何者だ?」

「通り名は殺人鬼ピエロらしい」

「とその助手だな」

「ふざけたこといいやがって」


すると男は突然ドアに向かって逃げ出した。


「バカが2対1で戦うわけないだろ。じゃあなアホども」


俺はそれを見ているだけだった。


「待て!おい康介逃げられるぞ。」

「大丈夫だよ」


俺はニヤリと笑った。

その時男がドアをガチャガチャしていて逃げられていなかった。


「あっれー?逃げないの?あ、そうだった3人目の協力者に外から鍵を閉めてもらったんだった。だからお前はもう逃げられないよ」

「クソッタレがーー」


男は冷静さを失いナイフを持ちまっすぐ向かって来た。俺はそれを軽くかわし男の顎を殴り気絶させた。


「ふーひと仕事終わりっと」

「康介君!」


すると七海さんが抱きついてきた。


「助けてくれてありがとう。ほんとに怖かったよ。」

「怖い思いさせてごめんね」

「康介君は関係ないのに助けてくれた。ほんとにありがとう」


俺は泣き止まない七海さんの頭を撫でた。

龍は拘束されているほかのメンバー達を解放し、ゆきさんと話していた。


「雪さん大丈夫ですか?」

「だ、誰?」

「あ、まだ被ってたままだ」


龍はそこで自分がまだ被り物を被ってたことに気づきすぐに脱いだ。


「俺は雪さんのファンです。助けられてほんとに良かったです」

「ありがとう」

それから七海さん達が落ち着きを戻してきた時に龍が話しかけてきた。


「おい、康介3人目の協力者なんて聞いてないぞ」

「いや、いるわけないだろ」

「は?じゃあなんでドアがあかなかったんだ?」

「普通に考えろ、俺は内側から鍵を閉めただけだよ。」

「いや、だったらあいつが鍵をすぐ開けるだろ」

「あいつにはそれが無理だったんだよ。」

「なんで?」

「まず支配したと思ってたドームから急に敵意を持った人が出てきたら動揺するだろ?それに加えてピエロの被り物なんか被ってるんだ。動揺するに決まってる。しかも現れた2人が一瞬で2人も気絶させたんだ。ひとりじゃ勝てないと誰でも思うし怖いよな。お前ならどうだ?」

「たしかに怖すぎるな。急に現れたピエロが人を一瞬で倒したら」

「そうだ、その時点で俺の作戦は完成してたんだよ。」

「相手を動揺させるのをか?それでも鍵くらいは開けられるだろ。ってかお前この時のためにわざとドア閉めたのか?」

「当たり前だろ。普通逃げ道のために空けておくドアをわざと閉めたんだよ。そして相手は俺たちが殺人鬼と知ってさらに逃げ出したいと思う。そして案の定逃げたわけだけどその頃には殺されないことしか考えずに内側から鍵が閉まってるとも知らず俺の言葉を鵜呑みにしてナイフ持って突っ込んできたということだ。」

「お前、なかなかやばいやつだな」

「そうか?それより神崎さん助けに行くぞ」

「おう」

「えっと七海さんたちはここで待機していてください俺たちが出ていったら鍵を閉めてドアの前に机置いて入って来れないようにしてください。もし帰ってきたら連絡しますから」

「わかったわ。ほんとにありがとう気をつけて」

「はい」


そして俺たちは神崎さんのところに向かった。











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