異世界でバーベキューをすると


 山道をとことこ歩いとるとまた旅の商人と出会えたんでワイがコピーした元の世界の食品とかを

 こちらの世界で必要なアイテムと交換してもらった。特にコンビニスイーツなんかは喜んでもらえたみたいやね。



「カイ坊、ガルタ!具合はどないや?」


「ゴホ、ゴホ、……ずいぶん良くなったかな」


「ああ、おかげさまでな」


「おう、ほんならポカリも飲んどくか……」


 ヨッシーは2人のところへ駆け寄り、虚空庫アイテムボックスからアク○リアスを2本出して彼らに渡した。



「ヨッシーさんそれは……」


「ワイ、アイテムBOX持ちやねん! しかもコピー機能付きやでー」


「マジか」


 お互いに顔を見合わせるガルタと下田海、


「カイ坊だって便利なスキルあるんやろ」


「いや、オレには『錬成』くらいしかねえよ」


 そうや前にワイの鑑定スキルで確認したんやけど彼には『錬成』というスキルがあったわ。

 素材から武器を作り出せるようになるらしく極めれば素材さえあれば何でも作り出せるようになるって書いてあった。

 ほんならそのうちバイクや自動車なんかも作れるようになるんちゃうんか?


「分からへんで〜カイ坊もそのうち大化けしたりするかもしれへんで?」


「海君の持つスキルか……確かにドワーフなどが

 そのような能力を持っている事が多く、住居を建てたり鍛治職人として活躍しているな」


「家建てれるんか!そいつはええな

 ほんならカイ坊は伝説の剣とか作ったら冒険者の女の子にモテモテやど」


「ホ…ホントかよ」


「ちょっとやめなよ、海が真に受けちゃうよ」


 ヨッシーの背中をポンと叩く藍那


「よっしゃー!決めた。オレは最強の錬成師になって女にモテまくってやるぜ」


「おお、海君頑張れ!」


「ええど、やっぱ男には目指すモンがないとな」


 海の頭を撫で回すヨッシーとガルタと距離を取り冷めた目で見る藍那だった。


「チッ、バカ男ども……」



 山を降りると比較的小さい渓谷を見つけたのでそこで休憩する事にした。


「わあ、いい所じゃん♪」


「よし、ここで休憩しよか?」


 ヨッシーが虚空庫アイテムボックスからイス、バーベキューコンロを引っ張り出して来た。


「オッサンもしかしてバーベキューかよ?」


「おう、肉より魚の方がええんか? 何やったら釣り道具もあるで」


「釣りか………いいな」


「よし、ほんならワイ、ガルタと川に行って魚釣ってくるからアイ坊はこっちやっといてくれるか?」


「ハア、何それ?」


 ヨッシーは虚空庫アイテムボックスから肉、野菜、そしてタレを出すと藍那に任せてガルタと

 釣り道具を持って奥の川へと歩いて行った。



「アイツら2人とも釣りに行きやがったッス」


「あのオッサン、マジで勝手なんだよね〜」


「腹も減ったし先に焼いて食ってもいいっスよね」


 藍那はバーベキューコンロに火をつけ、肉を焼きだす。数分待つとようやく肉のうまそうな匂いがしてきた。海は包丁を持ってまな板の上で野菜を切りながらチラチラと藍那を見ている。


「うわぁうまそうな匂い、はやく食いたいッス」


「海、よそ見してると指切っちまうぞ」


 ガサガサ


 いつのまにやら山の方から4匹の緑色の肌の醜い魔物が藍那たちの周りを囲む様に近づいて来る。


「ギャギャッ!」


「うわ何コイツすんげー気持ち悪いんだけど…」


「コレって匂いにつられて来たんスか?」


 ゴブリンの1匹が走り出してこちらに向かって叫びながら手オノを投げて来た。


「ギャギャャャ!」


「ひいいい」


 なんとか飛んでくるオノを海はなんとかかわしたがほかのゴブリンが海に襲いかかって来た。


「ふざけんじゃねえ! ブラックお願い!」


 藍那の指示によりブラックは風魔法を使い、

 ゴブリンどもの動きを止めた。


 藍那は目で海に合図を送ると彼女は包丁を両手に持ち直した。


「てやぁあああああああ!」


 藍那と海は左右に分かれて、思いっきり踏み込み

 お互いの手に持っている包丁でゴブリンの脳天に突き刺して押し倒し、さらにマウントを取った状態からさらに突き刺す突き刺す、突き刺す、突き刺す、突き刺すーっ!

 2人は血塗れになり、ゴブリンどもの頭からピュッピュッと血が噴き出しピクリとも動かなくなった。


「ギャ…」


 残ったゴブリン2匹はおそれをなして逃げていった。


「嗚呼、肉焼けすぎちまったよ」


「まあまあ別にいいんじゃないスか!腹も減ったし

 とりあえず食いましょうや」


 それからしばらくしてからヨッシーとガルタが魚を一匹ずつ持って戻って来た。


「何や魔物に襲われたんか」


「大丈夫か、2人とも怪我はないのか?」


「とりあえずブラックの魔法とウチらでなんとかなったよ」


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