異世界召喚?



突然、目の前に光が覆った……と思ったらな…なんや?


ここはさっきとは別のというか全く別の景色

めっちゃ広いし豪華な西洋の部屋におるやんけ?


キラキラ光るその豪華な赤い絨毯やシャンデリラに目のくらむ思いがした。

 その先にある玉座に若い男性が座りって

 ニヤニヤと不敵な笑みを浮かべている。


その後ろには甲冑着て槍を持ってる西洋風の兵士が数人、さらにその奥には弓を構えてる奴もぎょうさんおるし。


そして目の前にサンタクロースのような髭を生やした王様みたいな人がおって、その周りに変な魔法使いみたいなおっさんが何人かおるわ。 一体なんやねんこれは?


その中で一番偉そうなオッサンが大袈裟に両手を掲げて叫んだ。


「やったぞ2度めの魔術で成功した。ついに勇者様の召喚に成功しましたぞ。王よ!」


「せ……成功しましたぞ、陛下!」


「ついに私たちは成功したのですね!」


高そうな紫色のローブを纏い、白い髭を蓄えた老人とその横にいる高そうな白いドレスを着た金髪ねーちゃんがやかましく騒いどる。


ハア? あのオッサン勇者って……なに言うてんの? アホちゃうか?


妙な視線に気付いて周りを見ると王様っぽいヤツがワイらをジッと見つめとる

オッサンなにメンチきっとんねん

なんやあのサンタクロースみたいな髪型のオッチャンはワイの事をジーッと見とる。ホモちゃうか?

ワイはそんな趣味ないで?


「うむ、やはりそなたこそ真の勇者であろう

さぁ勇者様!どうかこの世界をお救いください」


おっ……ワイが勇者やって?


じゃなくその後ろにおる奴らを見とったようや。まあそうやろうなワイのわけないわな……

王様のそばにおる神官みたいな奴らが水晶玉を見て何やザワザワ騒いどる。


「勇者探知の魔法石が輝いておる。やはりそなた達こそ真の勇者じゃどうかこの世界をお救いくだされ」


なんなんやコイツら勇者、勇者って


「勝手にオレ達をこんな所に連れて来て一体何が目的なんだ。説明してもらおうか」


金髪ヤンキー君が取り巻きを引き連れてツカツカと王様の前に出て説明を求めるといかにも大臣っぽい奴がワイらに話しかけて来た。


まずここはモンスターやエルフなどが存在する異世界らしい、この国はルーデンハイム聖教国いうて絶対人間至上主義の宗教国らしく、この国では亜人や身分の低い人間の奴隷を労働力の中心としている為、他の国とはあまり仲がよくないそうや

しかも隣の国とはいつ戦争が起きてもおかしくない状態にあり、この国の宗教で崇められている勇者が必要なのだとか、あと昔から勇者が召喚されて魔王を倒してこの世界が救われたとかいう言い伝えがあるそうな まぁどないでもええけど


だが彼等は歓喜した!!


「マジかよ!やったぜ!ここでは日本の法律

関係ねえんだってよ」


「ヨシキさんここって外国みたいだし金髪女食いまくろうぜ」


「おっしゃあぁっここじゃ俺達は勇者様御一行らしいぜ」


王様は彼等を指差し、大臣と何やらヒソヒソと話し出した。


「まず2組の勇者様御一行、あなた方には豪華な部屋を一室用意させていただくので食事まではそこでくつろぐが良い」



大臣は兵士、魔術師達に向かって言い放つ


「さぁ我等の目的は果たされた。これで我が聖教国は安泰であろう、あとは残った者の処分だが」


ちょっとまたんかい?

処分って何やねん?


ヤンキーの姉ちゃんがノシノシと王様に向かって行く


「処分ってどう言う事よ。アタシ達に対するその扱いは何よ。アタシ達は強制的に連れてこられたんだよ。元の世界に返してよ!」


姉ちゃんはすぐに槍を持った兵士達に突き飛ばされ、王様達が冷たい目で蔑む様に俺達を見つめる。


「ハァなんだよそりゃ何が勇者だよふざけんじゃねーぞこの野郎!」


突然の理不尽な扱いに怒りを抑えられない眼光鋭い上半身タトゥーの若者は近くにいた兵士に掴みかかった。するとその隣に立っていた兵士が槍で刺し、さらに他の兵士達に羽交い締めにされ、めった刺しにされてしまった。それを見た大臣が王様の横で手を挙げた。


「その者は我等に、我が聖教国に立て付く反逆者!牢獄に連れて行け!」


そこまでやったらアカンやろ、アレだけ刺されたら死んでまうやないか? コイツら人の命を何やと思うとるんや?


王様が俺達を睨みつけて怒りをあらわにし、


「我に逆らうという事は、我が十字聖教が滅ぼすべき悪しき外敵という事ぞ!そやつらは我が国の奴隷商人の所にでも連れて行け」


俺達は兵士達に城の外へと連れて行かれた。

途中、城からチラッと見た城下町はまるで中世ヨーロッパのような街並みだった。


うわぁマジで異世界に来ちまったのか

まぁ元の世界には別に何の未練もねえけどよ

つーかこの状況アカンやろ

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