選ばれし力

Sumire

第1話

私は、ルーナ・シャローム。今、駅のホームにいます。

切符に書いてあるホームがどこにも見当たらない。

親は、駅まで送ってくれて、用事があるからってすぐ帰っちゃった。


「7と3分の1番線はこっちよ〜!汽車が出ちゃうわ!ルーシー先に行きなさい。」

と、家族連れのお母さんの声。

ん?今、7と3分の1番線って言った?

私が探してるところだ!!

「わかった!」

背の高い男の人が、カートを押しながら、ホームとホームの間の壁に向かって走った。

ウソでしょ…?

そのまま行ったらぶつかっちゃう!!

『えっ……??ウソ…。』

壁に吸い込まれた??消えた…よね?

『すみませーん!どうやったらあそこに行けますか?』

勇気を出して聞いてみる。

人見知りなわりに頑張ったよ。褒めて。

あの先に、7と3分の1番線があるのかな?

「7と3分の1番線?あなたも新入生?うちのロルアも今年からフォレスワーツに入るのよ!行き方はね、7番線と8番線の間の壁に向かって走るの。大丈夫よ、怖くないわ!ロルア、先に行ってあげなさい。」

「うん!見てて!」

と、男の子は、壁の中へ消えた。

『私も行きます!』

ちょっと怖いけど。



7と3分の1番線に着くと、大きな汽車があった。

この汽車に乗って、学校に行くのね!!

さっきの男の子はどこかしら?

この集団に着いて行けば、さっきの男の子に会えるかな?

「ん?きみ、1年生?」

「どうしてここにいるんだい?」

顔がそっくりな2人の男性に話しかけられた。

あれ?もしかして…間違えた?

着てる制服みたいなのをよく見ると、上級生だ…。

間違えて上級生に着いてきちゃった?!

ど、どうしよう…。

1年生の所に戻らなきゃ…。


「フレディ、ジョージ、どうしたの?あら?1年生?連れてきちゃダメじゃん。」

「ペローラ!この子間違えて着いてきちゃったみたいなんだ。」

「1年生の所に送り届けてあげてくれない?」

「ええ。いいわよ。あなた名前は?」

『ルーナ・シャロームです。』

「シャロームね。さっ、戻りましょ!おいで?」

『ありがとうございます。』

「気にしないで?私は、ペローラ・アジェリーよ!よろしくね。同じ寮になるかわかんないけど(笑)」

そういえば、全寮制の学校だっけ。

あのマフラーの色、寮の色が入ってるのかな?

私たちはまだ紺色だったっけ。



1年生の所に送ってもらった。

「居た!どこ行ってたの?みんな心配してたわよ。」

とゆるく髪の毛をカールさせた女の子に話しかけられた。

『ごめんなさい。迷子になってて。』

「もう(笑)みんな汽車に乗ったわよ。」

『ありがとう!』

んー、、、ちょっと混んでるね。

こんなに新入生いるんだあ。

「もうここしか空いてないみたいだな。キミも一緒に座るかい?」

今度は、金髪の男の子に話しかけられた。

この子、どっかで見たことあるような…??

正確には思い出せないけど…。

似てるだけかな?気のせいかな?

『そうみたい。ありがとう。』

「そういえば、名前を聞いてなかったな。僕は、セラフォイ・ローゼル。きみは?」

ファミリーネームがセラフォイか。

どこかで聞いたことあるわ。

『ルーナ・シャローム。よろしくね、セラフォイ。』

同じ学年で初めて会った男の子。覚えおかなきゃ!

あの赤毛の男の子も気になる。あとで探しに行こ!

『ちょっとお手洗いに行ってくるわ。』

「ああ。場所は分かるかい?」

『大丈夫よ!ありがとう。』

さっき、ペローラさんに教えてもらったからね!

さあて、ホームであった男の子を探しますか!!

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