中二病で長々とウザい、時間割の聞き方
旗 ユウ
山本君への時間割の聞き方
赤い魔術師。
私が直感で思いついたトマトの二つ名だ。でもよく考えてみるとこれが意外にも腑に落ちる。トマトが魔術師たりうる理由、君にぜひ聞いてほしい。
トマトにはリコピンという栄養素が多く含まれている。そして、野菜の中ではトップクラスの甘さと、見栄えする真っ赤な色を持っている。私が知っているトマトに関する知識はこのくらいだ。だがこの少ない情報からでも、“魔術師らしさ”を考えることができる。まず、リコピンというよく分からない物質を含んでいる点。聞き覚えはあるリコピンだが、実際どんな栄養素なのかを知る人は少ないだろう。謎めいた要素を持っている意味では魔術師っぽさを感じる。次に、異様なまでの甘さと発色の良い赤だ。これは魔術師の能力の高さと華々しさを表現していると言っても過言ではない。さらにもう一つ、決定的な類似点がある。いくら華があって優秀でも、主役にはならない点だ。トマトを使った料理を思い出してみてほしい。サラダからサンドイッチ、スパゲティなど多様だが、どれもワンポイントアクセントの効いた名脇役といった感じではなかろうか?スパゲティのようにトマトソースに加工されて使用されるくらいだ。魔術師はどうだろう。魔術師は敵であれ味方であれ、安定してナンバー3くらいのポジションをキープしているのではないか?主役、主人公はたいてい勇者様、ラスボスは魔王。これが定番であり、基本的に魔術師がそこに割り込むことはない。まさにトマトだ。私見だが、逆に魔術師がトマトと名乗ってもいいくらいに思う。何が言いたいかというと、つまりはそう、トマトと魔術師はそういう星の下に生まれてきたということだ。
なぜ私がこんなにトマトについて話しているか。勘の良い山本君ならもう分かっているかもしれない。
そう。君がトマトのような人だから。主人公の私をいつも支えてくれる優秀なサポーター。それが君だ。
あぁ、親愛なるトマト、もとい山本君!実はそんな君にしか頼めないことがある。私に...私に教えてほしい...!
「明日の時間割なに~?」
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