【休載】青春するから応援よろしくお願いします!!

第102話 「おやすみなさい」ゲットだぜ！

『ちょっといいなって思ってもそれじゃあ、彼氏もできないっての』

「ご愁傷様です」

　……え？

　ちょっと待て。

　今何て言った？

　────ちょっといいなって思っても────？

　アレ？

　つい簡単に受けたけど、ここはおれ、「えっ？」って聞き返すべきだった？

　かあぁ///フラグ？

　うわしまった！

『────から、現実とドラマごっちゃにしてる人間多過ぎなのよ！』

「あの咲良さん？」

『え？』

　あっ、何て言うのか考える前に遮っちゃった！

「ええとああぁそのつまりさっきの……」

『は？　何？』

「うわあの何でもないですぅ……」

　は？　何？　の破壊力ったらない！

　もう何言いたかったのかすら吹っ飛んだ。

『何？』

　ああしかし咲良はとことん追求する派だった！　何て言えば？？

『さっきの何？　怒んないから言いなさい？』

　しかも学習してる。が、言ってることソフトでも言い方！

　おれも学習してる。

　素直に吐いてしまえ。

「さっき言っていた『ちょっといいな』という言葉はどういう意味ですかー」

　棒読み。

『そのままの意味……』

　気の抜けたようなよく分かってない返事。

『……って、なに、ナニ誤解してんのよ！　イヤだ、もう！』

　聞きようによってはツンデレ発言だが、まあいいや、ご褒美ということで。

「だよねー、すまん」

『何しゃべってたか忘れちゃったじゃない』

「おれも忘れた。まあいいよ、なんか困ったらまた連絡する」

『アンタから来たことないんだけど』

「いや、ゴメン、するする」

『了解。じゃまたね』

「うん、おやすみ」

『おやすみなさい』

　咲良の「おやすみなさい」ゲットだぜ！

　おれはようやく眠ることができた。