第3話 トップバッター

 次の日の教室では、その話題で持ち切りだった。

 そしてどうやら、世間知らずはおれだけだったらしい事も分かった。騒いでいたやつらばかりではなかったので、黙ってる人の中には同類が紛れていたのかもしれなかったけども。


「楽しみだよな!」

「え~、めんどくない? 春休みつぶれんだぜ?」

「えっ? あたし6月だったよ?」

「1日じゃん。“学校では教えてくれない大事なこと“だよ?」

「違う学校の子と話すってだけでもワクワクするんだけど」

「仲良くなれる子いるかな~」


 先生がやってきて静かになったが、授業から解放される度に話題に上り、おれは必要な情報をだいたい得ることができた。

 日本全国の14歳が、市役所や区役所、または公民館などに集められ、そこで人生ってやつについて学ぶということ。


 内容は結婚・仕事・子ども・老後・恋愛の5つに分かれ、大まかな内容は既に公開されていること。

 この1年の間に5回に分けて実施されるということ。

 この計画が、今の総理大臣肝入りの政策で、半ば強引に成立した経緯がある、ということ。


 そしてどうやら、このクラスではおれが一番早く受講することになるらしい、ということ。

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