〈君〉と〈私〉のラブコメ的日常カッコカリ。 【コメカリ】【異世界冒険譚】
初見 皐 / 炉端のフグ
第1章 ラブコメ的日常カッコカリ。
プロローグ;第1章 「ラブコメという名の日常に」
旧第1章『ラブコメ的日常カッコカリ。』を1話にまとめた話です。
日常編である第1章はセリフのみの特殊な文体、冒険編となる第2章以降は地の文が追加されます。
第1章は読まなくても楽しめます。
ブラウザバックする前に2章以降も覗いてみてください!
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——
生まれる前から心臓が止まりかけ、5歳の頃には階段から転げ落ち頭を強打。小学生の頃にはインフルエンザにノロウイルス、その他諸々感染症のオンパレード。何度か車に轢かれそうになり、中学3年生の終わり頃、遂に事故で両親を失う。独り生き残った潤は、親族もいないため天涯孤独の一人暮らし。
高校には入ったものの、荒み切って友達作りはおろか今までの数少ない関係も全てシャットアウト。それでも登校だけはする中途半端な律儀さを発揮していた。
——そんな矢先。
「やあ。君もあぶれたのかい?」
酷い台詞と共に、
. ❇︎ .
これはその後の——《君》と《私》の、物語だ。
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潤「……え?」
祐希「君ってたまに調子乗るよね。いつ私が君と——」
潤「やめて頼むからそれ以上言わないで死にたくなる」
祐希「でも私たちが初めて初めて出会った時は驚いたなぁ。だって君がドブに落ちた1円玉を拾おうとしてどろんこになってるんだもん」
潤「記憶を捏造するな!?見られてたのかと思ったわ!」
祐希「え、やってたの?」
潤「…………いや、冗談だよ?ドン引きしないで」
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登場人物紹介から抜粋:
【夜桜潤】
平均的な長さに切った黒髪に、勝気そうな黒い瞳。強いて挙げるなら平均的な日本人のそれよりも更に黒い色をしている事が特徴。
身長は173cm。
誕生日は3月10日。
【朝日祐希】
髪は透き通るような銀髪で、流れるようなロングヘア。澄んだ琥珀色の瞳を持つ。
身長は162cm。
誕生日は1月1日。誕生日が祝日と被った可哀想な子。
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祐希「ふん、潤というのかい?贅沢な名だねぇ」
潤「一文字だからな?」(察し)
祐希「今からお前の名前は君だ。いいかい、君だよ。わかったら返事をするんだ!君!!」
潤「代名詞!?」
君「なんてこともあったなぁ」
祐希「すごい良い思い出みたいに思い出してるけど、君の名前は未だに神隠しにあってるよ?」
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潤「最近イラストの練習してるんだけどなかなか上手くいかないんだよな」
祐希「えっ、どれどれ?見せて」
潤「笑うなよ?」
祐希「笑わない笑わない」
潤「これだけど……」
祐希「……ブフッ」
潤「おい」
祐希「なにこれ……っ!ドラえもん……?ハハッ」
潤「笑いすぎだろ……お前の絵だよ」
祐希「えっ」
潤「にしても、俺って器用貧乏だよな。何するにも薄く広くって感じだし」
祐希「……君が何か一つでも器用だったことがあった?」
潤「最近祐希が辛辣すぎる」
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祐希「最近私のデレ要素が足りない……」
潤「最後にお前がデレたのはもう8日前の午後4時13分だったもんな……」
祐希「うん……えっ?今なんて?」
潤「えっ、だから最後にお前がデレたのは——」
祐希「やめてやめてやめて!?気持ち悪っ!なんでそんなこと覚えてるの!?サヴァン症候群!?ストーカー!?」
潤「もうやめて!俺のライフはもうゼロよ!」
祐希「でも君のそんなところも嫌いじゃない」
潤「今更デレ要素ねじ込んできてももう遅いぞ!?」
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祐希「あ、君!ちゃんと消毒しないと!」
潤「ああ、忘れてた。このご時世だもんな。ちゃんとしないと」
祐希「はい、シュッシュ」
潤「はいシュッシュ」
祐希「ぷっ」
潤「おい笑うな」
祐希「悪かった悪かった。はいアーンして」
潤「流れるように喉を殺しにかかるな!」
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祐希「一見人畜無害そうな顔をしているが、コイツの殺してきた人間の数は計り知れない……。君も気をつけたまえ」
潤「殺戮兵器MO☆CHI!!」
祐希「なんて不謹慎なことを言ってるんだ、君は」
潤「お前もな!」
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先生「ーーくーん」
「はーい」
先生「夜桜潤くーん」
祐希「あ、潤くん休みでーす」
潤「居るよ!居ますよ!ここに!」
祐希「はっ!認識が薄れてた!」
潤「お前はどこの青春ブタ野郎だ」
祐希「……」
先生「休み、と」
潤「ちょっと先生!?」
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祐希『あ、潤くん休みでーす』
潤(初めて名前呼ばれた……!)
祐希の言う「君」は代名詞なのか、固有名詞なのか。それは祐希のみぞ知る。
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潤「……これってなんの授業だっけ?」
祐希「信じられないことに道徳の授業だよ、これ」
潤「どんな道徳感植え付けようとしてんだ、生徒に」
祐希「もう何が何だかわかんない……」
潤「焼肉食べたい」
祐希「!?!?」
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潤「昼休み祐希と飯食ってると周りからの視線が痒い」
祐希「美少女とふたりっきりでご飯食べてるんだもん。目立って当たり前だよ。あ、今日はカレーの気分」
潤「男女が2人ってだけでも目立つからな。その実、俺が祐希にパシられてるだけなんだが」
祐希「ボッチ飯を回避できてるんだから喜びなよ」
潤「別に俺はボッチじゃないんだがなぁ……」
. ❇︎ .
潤「はい、カレー」
潤「あれ、小麦久しぶり。最近見かけなかったな」
小麦「たまには先輩を焦らしてみるのも良いかなーって思いまして」
潤「穏やかな良い日々だった……」
小麦「そんなに名残惜しそうにします!?」
潤「おお、お前が突っ込むとは珍しいな」
小麦「先輩のペースでボケる隙がない……」
潤「ボケないでいいから」
小麦「あ、そうだ!夜桜先輩、朝日先輩と2人きりでいたかったんじゃないですか?だから……っ、だから私にはこんなに冷たく……」
潤「ウザい……」
小麦「ああーもうっ!取り合ってくれないんじゃからかいにくいじゃないですか!」
潤「なんでお前は逆ギレしてんだ」
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地味に美少女発言を否定しない潤。だって事実だもん。しょうがないね。
ちなみに小麦はふたりの1個年下の学年。
人物紹介より抜粋:
【横畠小麦】
栗色の髪をショートカットにしている。栗毛って言ったら馬の毛色だった。違うモノになる。
身長は147cm。
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潤「ところで、お前はさっきからなんで黙ってるんだ、祐希?」
祐希「別に?なんでもないけど」
小麦「朝日先輩、もしかして拗ねてます?私が夜桜先輩とのお食事に割って入っちゃったから」
祐希「拗ねてないから」
小麦「やっぱり!拗ねてるじゃないですか!」
潤「……お前はどう思う、悠史?さっきから話に加わりたそうに聞いてるが」
潤「じゃあ何だ、その逆さにもった本は?飯はもう食い終わってるだろ」
悠史「……朝日さん拗ねてるんじゃありません?」
祐希「強引に話逸らす生贄にされた!」
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人物紹介から抜粋:
【舘山悠史】
振り回され担当。彼のいる回は全員がボケに回ったりして四面楚歌。他からの扱いは雑。
銀鼠色の髪。ちょい長め。
身長は170cm。
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潤「最近いつも祐希とコントみたいなやりとりばっかりしてたから、人数増えると何を話して良いのかわからなくなるよな」
祐希「そうだね。なんかボケにくいっていうか」
悠史「普段どんな話してるんですか、あんたら……」
小麦「そうだ!今日夜桜先輩の家でゲームしましょう!」
潤「おっ、ようやくまともなラブコメらしいイベント発生したな!」
祐希「このメンツでラブコメができるのか」
小麦「正直コメディ要素しか期待できませんけど!!」
悠史「何の話してんですかほんと」
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この頃は曲がりなりにもラブコメやってたなぁ……?
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潤「よし、この人数と言ったらアレだよな!蹴鞠しようぜ!」
悠史「いつの時代に生きてるんですかあなたは!」
祐希「じゃあVRMMOとか」
悠史「祐希さんもズレてる!そもそもそれたぶんリアルで集まる必要ないですよね?」
小麦「TRPGしません?」
悠史「一番まともじゃない人が一番まともな意見を……?」
小麦「『やったら確実に死ぬ』って言われてて、実際死者が10人くらい出てる真のタブーシナリオを入手ーー」
悠史「やめて下さい」
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大乱闘(集団リンチ)
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悠史「今日はなんだかんだ楽しかったです。また今度何かして遊びましょう」
祐希「うん、今日は楽しかった。……ところで、どうして館山君がいるんだろう?」
小麦「あれ、本当だ、呼んでないですよね?」
潤「誰も呼んでないな」
悠史「えぇ……あの流れで呼んでなかったんですか……?うそ……気まずいってレベルじゃないじゃないじゃないですか……」
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ラブコメで手が冷えるって言ったら……
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潤「うぅー。寒いな。手が冷える」
祐希「手袋つけてこなかったの?」
潤「うぐ……」
祐希「まったく。そんな事だろうと、君用の手袋を持ってきたんだ」
潤「えっ、でも祐希も手袋つけてないけどーー」
祐希「いいからいいから、遠慮しないで」
潤「いや、祐希も手が赤くなってるじゃん。ほら、手出して」
祐希「え、いや……ひゃっ」
潤「?……どうかした?」
祐希(内側にハッカ油塗ってたなんて言えない……!イタズラするつもりだったなんて言えない……!)
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このふたりにテンプレを期待した私が馬鹿だった……!
ちなみに自分だけ普通に手袋するのは良心が許さなかった模様。
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祐希「昨日の夜、君の出てくる夢を見たよ」
潤「ほう」
祐希「ゾンビが大量発生してて……」
潤「ほう?」
祐希「君は忠犬のように私を護ろうとしてくれたけど追い詰められて……」
潤「ほうほ……犬?」
祐希「ここは任せて先に行け展開で……」
潤「まぁ……かっこよく……な?」
祐希「あっさりゾンビになって追いかけてきて……」
潤「……」
祐希「ゾンビは私が皆殺しにしたから安心して良いよ」
潤「躊躇なく俺のゾンビも殺したな!?」
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祐希「私が君に料理作るのって初めてだよね」
潤「だな。お前が家に来た時はいつも俺が作ってたし、正直地雷臭が半端なかった」
祐希「酷いなぁ。じゃあどうして今日は私が作っても良いって気になったの?」
潤「お前がメシマズな可能性とコイツの苦しむ顔見たさを天秤にかけた結果だ」
悠史「……祐希さんのご飯は美味しいって聞いてたんですが」
祐希「まだ食べてもいないのに酷すぎじゃない?」
潤「……今テーブルの上に載ってるモノがお前の料理っていう認識でいいのか」
祐希「酷い」
悠史「全部僕の前に滑らせるおふたりも十分酷いですよ!!」
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祐希「目と鼻をつけて……雪だるま完成!」
潤「おお!ゆきだるまがふたつ」
祐希「ふたつ?私はひとつしか作ってないよ?」
潤「いや、ふたつあるだろ」
祐希「何で私見ながら言うの?このスリムボディをだるま扱いするつもり!?」
潤「その常軌を逸した重ね着は何だ」
祐希「あ……いや……ちょっとだけ、ちょっとだけ体重が増えちゃったから……誤魔化そうと」
潤「何それ可愛い」
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朝日祐希
To:夜桜潤
君は今日私と猫カフェに行く。これは決定事項だ。
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潤「メールの文面酷すぎねぇ?」
祐希「君は犬派だからこれくらい言わないと来ないかなって」
潤「俺の犬派は揺るがないぞ」
祐希「まあまあそんなこと言わずに抱っこしてみなよ」
潤「……ニャー、ニャゴロゴロ」
祐希「共鳴し始めた……!?」
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