幕間-9 胡蝶の夢
「さて、最低限の説明責任は果たそうか」
「
「試練の形式は様々で、全ては《神託者》の裁量に任される。試練は一種の仮想世界、つまりは夢の中で行われ、新たなる調停者の能力、知力、そして人格を試す」
「《神託者》がその者を失格と判断すれば、全ての権能は失われ、調停因子は新たな適合者を求めて再び彷徨う」
「それが《神託者》の権能であり、使命だ」
「つまり今回の事件は全て、夢オチってわけさ」
……ムカついたので後はもう割愛する。もうヤダ。
. ❇︎ .
力は一般人にも劣るだとか、技術だって皆無だとか。
推理だって感情が邪魔してるとか。
人は疑ってかかれだとか、自己評価見直せとかもうちょっとポジティブになれとか自殺願望でもあるのかとかお人好しも大概にしろとか。
あと、
……人格に問題ありかよ。結構な暴言だよだいたい。
まあ半分くらい聞き流したが、夢の中とはいえ一度死んだんだ、常在戦中を心がけろ、とか言われた気がする。
あと潮崎が戦ってた人は実在しないモブキャラだとか。正直どうでもいい。
許し難いことは多々あるのだが——
「1日に2回死んでんだぞ軽々しく人殺すんじゃねえよぶっ殺すぞ!!」
怒るとちょっぴり口が悪くなる俺だった。
. ❇︎ .
一体どこから夢だったのか。
ホテルの部屋には食料の買い出しをとっくに済ませた祐希が居て。
時間はどう流れていたのやら、時計は3時を指していて。
死ぬほど腹痛に苛まれ。
ベッドの上で
何かを察した彼女に慰められ。
色々込み上げてきて半泣きになりながらコンビニのおにぎりをもしゃもしゃと食べ。
もうほんと惨めになって今度潮崎に会ったら1発殴り飛ばすと誓い。
なんとも納得のいかない形で、事件は幕を閉じたのだった。
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