怠惰くんは生まれ変わりました
僕は今、とても後悔している。
転生したという実感はとてもある。
ありすぎて泣き叫んでいるくらいだ。
「おぎゃぁ!うぅー!」
ただ、孤児院前に放置されたためか、とても寒い。
目は開けづらいが音や感触で大体のことはわかる。
オプションで最低限布などに包まれており、籠に入っているようなのだが絶賛外である。
さらに言えば秋の入りあたりの気候なので布が足りない。誰か助けて。
「うー!うぅー!うぁ!」
歯はなく顔の筋肉も幼いため、ただ声を発するしかない。
何度も何度も、生きる為に叫び続ける。
いつまでそうしていただろうか。
とても疲れている。喉は疲れ、息を切らして縮こまる。
まるで死ぬ寸前のような…
────って待て、いや待って。
僕もう死ぬの?VIT振らなかったからってそんなに厳しいの?
バイタルが不安定です的な?やめろし。キャラ崩壊するぞこら。
いやだいやだいやだ。
僕は生きていたいんだ。だらだらと。
「あら?こんなとこ────」
声が聞こえた気がしたが、その時僕は意識を失った。
また、死んだのだろうか。
何かに包まれている心地がして、とても安らぐ。
揺りかごに揺られているような、そんな感覚で────
「あら、起きたのね。とーっても可愛いけれど…こんな子を捨てていくなんて。親はどんな人なのかしら…」
開けづらい目を少し開けると、ぼやけているが女の人らしきものに抱かれている。
…だって胸が大きいんだもの。性別くらい見分けがつく。
「僕くん。今からあなたはこの家の子。どんな親からでも、国からでも、女の子からでも男の子からでも。絶対に守ってあげるからね」
女の人はそう言う。とても安心出来る声で、包み込んでくれる。
…なんか、日本語じゃないのに言葉が分かるんですが。
別の言語と理解しているのに頭の中でスーッと変換される様で────
──システムの新着ログを提示します。
──称号、転生者を獲得しました。危険回避のため称号をブラインドします。
──生前よりお持ちしていたスキルが開花しました。
──怠惰の権能により、必要スキルを適用しました。
──スキル、魅力強化が追加されました。
──スキル、年上キラーが追加されました。
──スキル、美少年が美少年の極意に進化しました。
──スキル、言語理解を習得しました。
──スキルの関係上、身体的成長が途中で停止します。リミットは12年です。
あれれ?おかしいぞ〜。これでは暫定傾国のショタじゃないか。
魅力ってマスクデータなの?前世からなにかあったの?怖いんだけど…。ねぇ、おい。システムさんよ。
はぁ…
…もしかしてお姉さん、僕の魅力にやられちゃいました?
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