怠惰くんはみんなと話します ③
どのくらい寝たのかわからない。
起きると隣に気配…というより視線?違うな…なんかすごい存在を感じる。
「(じゅるり)…あらら、起きちゃった。おはよう怠惰くん。私との会話をすっぽかして寝ちゃったお寝坊さん」
あぁ、そうだ。この人が残ってた。
「ごめんなさい。怠惰の影響というか…僕、睡眠時間が多いんです。前世から」
なんか勤勉ちゃんの様子がおかしい。会話は普通にしてるんだが、肉食獣の前のうさぎの気分だ。起きる時にもなにか聞こえたし。
「まぁ、他のみんな見てればわかるけどね。憤怒くんは豹変するし、色欲ちゃんは…大胆なんだもん」
僕が寝ている間に色々あったみたいだ。すごく気になるが自業自得だし。甘んじて受けいれ、飲み込もう。
「でね、怠惰くん。私、怠惰くんのこと気になるんだ。色々教えてよ」
誘い文句がすごくお姉さんって感じ。陰キャキラーというか童〇キラーというか…そういうのは色欲ちゃんの仕事じゃないだろうか。
それから僕達は死因や過去のこと、性格の話をした。
自己紹介よりは深く掘り下げ、楽しく談笑した。勤勉ちゃんは責任感が強いらしい。
時間30分前までずっと喋っていたが、一旦区切ることにする。
「もうそろそろ時間だから、全体で意見交換をしようよ」
「そうね。んー…やっぱり怠惰くんのこと気に入っちゃった。あっちでもよろしくね」
これだからお姉さん系はずるい。話しやすさも然ることながら余裕の感じられる雰囲気がとても和むのだ。
「さてと、残り時間は30分!転生先とかの相談を全体でしましょう!」
全員が円卓(仮称)に着席する。
何故か知識として全員の頭に入っている円卓の機能を使い、勤勉ちゃんが中央に世界地図のホログラムを起動させる。
「まずは大陸の設定ね」
地図を見るとホールケーキを6等分して少しずつ隙間をあけたような…花弁が6枚の花のような、そんな形の地形が見える。
真ん中には真円みたいな形の大陸。
なんていうか…上下左右が対称で、作為的なものを感じる。
ちなみに脳内でデータベースのようなものを開くことが出来、それぞれの説明が出てきた。
要約するとこうだ。(
中央は混沌国カオスと呼ばれ、ランキング制度による序列化された国がある。ここでは種族の壁がなく、闘技場での成果と街への貢献度によるポイントで差別、区別しているようだ。(いきなり設定濃いぞおい)
上の
とてもわかりやすいが、純人族が8割を占める国家で他種族とは距離を起きたがる人間が多い。
右上の花弁はビスト獣神国。
神獣と呼ばれる動物?がおり、国民はそれを崇めている。血気盛んだが、精神的な問題で女性が強く、尻に敷かれる旦那さんは多い。
人族、他種族は少ないが仲は良好。
右下の花弁はストア商業連合国。
1番ものが揃い、1番金が飛び交い、1番賑わっている国だと言われている。
破産者や孤児への支援が手厚いそうだ。
下の花弁はサウス魔導国。
魔族と呼ばれる人種が6割を占め、魔法の研究に熱意を注いでいる。最南端は実験の結果ボロボロらしい。
左下は戦国<
和風な国…というか大陸で、様々な小国が戦争を繰り返している。武将ゲー等ではない。そう信じている。
そして最後に左上、魔物の大陸<
そこには進化を繰り返した魔物しかおらず、弱肉強食の世界が広がっている。
怖いから僕は行きたくない。
「取り敢えず、迷ってない人は行先を設定してくれるかな?」
僕は迷わずサウス魔導国に決定した。
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