怠惰くんは状況を確認しました

暖かい心地がして、僕は目を覚ました。


「知らない天井だ」


あたりは真っ白。天井があるのかはわからないけど、1度は言ってみたかった。


少し先まで歩いてみる。幸い、僕の体は普段のような見え方で見えているが、真っ白な空間は感覚が狂いそうになる。


体感ではすごく長く感じたが、5分ほど歩くと目の前にテーブルとイス、人影が現れる

人影の数は14。その中には控井さんもいる。

目の前のテーブルは円卓に似ているが、真ん中はくり抜かれ、そこに1人、中性的な見た目の美人(イケメン?)が立っていた。


「私を囲む方々よ。目の前の席に座って下さい」


鈴のような響き、でもとても重いような声色で、その人は言う。

僕も合わせた14人は逆らうことなく座る。いや、座る以外の選択肢が頭になくなってしまうような、そんな感覚だった。


「あなた達は絶対的に異なる生き方で生き、絶対的に異なる死に方で死んだ。これからあなた達には新たな生を謳歌して貰うが、そこに制約を設けさせて貰う」


目の前の人はまるで神様のようだった。声を出すことが出来ないので質問ができない。仮称として神様と呼ぶことにする。(心の中だけど)


神様が言うには、僕は転生をするらしい。異世界転生というやつだ。

それから説明を受けたが、要約するとこうだ。(説明回想テンプレ)




僕達14人はそれぞれ大罪、美徳の信念を1つ持っており、次の生ではそれが重要な役割を持つ。


その世界にはステータス、レベル、スキル、称号があり、自身のものはいつでも確認できる。他人、また無機物等は鑑定関係の技能によって確認できる。


僕は怠惰の大罪を背負って生きることになるが、どんな事象からも大罪、美徳は確認できず、この場にいる人達以外に知ることはない。


大罪は大罪スキル、美徳は美徳スキルとしてステータス(自分用)に記され、それぞれ成長する権能を多数有する。


その世界は技と魔法、そしてカルマの世界であり、それぞれの要因が合わさる事でスキルが発生する。


スキルは1次、2次、3次、秘奥、覚醒、神話に分けられる。(大罪、美徳は別枠)


今から14人は2日に渡り交流を深める雑談タイム、転生先を決めてもらう。

それに関して、ポイントで種族、ステータス、スキルも決める必要がある。


赤子に転生するが、種族によっては親がないという。また、事象改変で生まれる命であるため、魂の乗っ取り等にはならないとのこと。


悔いのない人生を送って欲しい。


そう言うと、僕達の雑談タイム48時間の開始を告げ、消えてしまった。

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