第38話 『運』



極論を言ってしまえば、自分の人生における成功も失敗も、すべて運で決まるというものです。


そんなこと言われたら、何もする気が起きないとなってしまいますが、まぁ実際そういうものだという話。


お金を稼げるのも、たまたまそういう場所に自分が居るだけ。

ただ、そういうめぐり合わせに立ち会えたという『運』は、周りの環境あってのもの。

その運を自分の実力と勘違いすると、狂い出すらしい。


道教でしたか、『無用の用』という逸話がありました。

老荘思想も同じ考えですね。


人としてはそういう風に生きるのもいいかもしれませんが、現代社会ではそれだけでは文明が発達しない。

そこら辺りのバランスがいるのでしょうね。


私も思うのです。

『運』というのは、確かにあると思います。

ただ、自分の努力や行動によって、ある程度は引き寄せられるものだと思います。

何もせずにボォーッとしていては、稀に運が巡って来るかもしれませんが、行動するとより引き寄せることができるでしょうね。

そう考えていますが、実際には終わって見ないとわからないところが辛いですね。


そして、結果を求めては、これまた『運』が逃げていきます。

俺はこれだけやったのに、何故だと。

その過程において、妄想段階で報われている時もあります。

幸せを感じていたら、報われているでしょう。

それに、実際その過程でつながりがあると思います。

これも報われているのかもしれません。

また、結果もすぐに出るものでもないように思うのです。

数日から数年、もしかして数十年、最悪は最後まで結果がないかもしれません。


でも、それを求めるのではなく、何気なしに待っている。

そうすると、案外フッと落ちてくるものが『運』でしょうね。


秋の夜長、少し物思いにふけってみました。

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