雪ウサギ

勝利だギューちゃん

第1話

雪が降っている。

しんしんしんしん降っている。


ここは、寒いが雪はあまり降らない。

なので、珍しい。

子供の頃は、一冬に2~3回は降っていたが、

地球温暖化のせいか、一度も降らない年も多い。


子供の頃、雪が降れば、親が雪ウサギを作ってくれた。

だれが、考えたのかは知らないが、想像力がおありのようで・・・


そして、この雪ウサギが月に行って、餅をつくと想像していた。

実際は、中国の故事が由来だが・・・


それはさておき・・・


雪が降るのは久しぶり。

何年ぶりだろう?

旧友に再会した気分だ。


元気だったか?

・・・って、知らないか・・・


外に出る。

息をはく。

白い。

哺乳類であることを、実感する。


かなり、積もってる。

完全な銀世界だ。


雪国の人には、当たり前だが、僕には当たり前ではない。


雪を丸める。

転がす。

ころころころころ


大きくなる。


もうひとつ、作る。

ころころころころ


さっきよりも少し小さい。


雪だるまをつくろう。

これを、さっきの上に乗せる。


・・・崩れた・・・


雪だるまは、生を受ける事はなかった。


再チャレンジ。

今度こそ、作ろう。


失敗。


あきらめた。

雪ウサギにしよう。


出来た。


でも、ウサギというよりも、白いナマコだ。


葉っぱはないか?

あった。


これが、耳だ。


眼はどうしよう?

赤い物・・・


おっ、偶然にも、さくらんぼが、あった。


つけよう。


うん。


ウサギらしくなった。


名前を付けよう。


ラビ。

うん、いい名前だ。


よろしくな。


『まんまだな。もっといいのつけろ。

それに、俺は♂だ』


何か、言ったか?

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雪ウサギ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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