第13話
*****全国吹奏楽コンクール*****
私達を乗せたバスは会場に着いた。
楽器を下ろし整列。この部恒例の部長からの言葉で会場に入る。毎年、部長の言葉は重みがあり皆の気持ちをひとつに同じ方向に向かせてくれていた。私は会場に着くまで言葉が見つからなかった…。
整列する前に回りを見た、父兄の方々、応援に来て下さった先輩方々が頑張れと見守ってくれている。それを見た時、自然と言葉が浮かんだ…。
「ここから先はライバルしかいません。でも後ろを見て下さい、味方しかいません、ここにいない方々も味方として私達を導いて下さいました。戦うのは50人でもそれ以上の力を私達はいただいているのです。その方々に恥じぬ様精一杯…それだけです」
「はい!」メンバー50名、声が揃った。
そして会場に向けて歩き出した。
会場に入る通路に右手を吊った華ちゃんがいた。左手には弓が入ったケースがあった。出場出来ないが弓と一緒に会場に来ている。コントラバス奏者にとって弓は分身みたいな物。それを見て私は悲しくなったが、私は華ちゃんの言った通り知らない同士を守った…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます