第8話

部活の初日、パート分けが行われた。

希望を出した。その後に先生との面談がある。フルート、サックス、クラリネット、それぞれ希望を見ながら先生が向き不向きを判断する。口の形がその楽器に合っているかで別のパートに回される場合がある。


私が呼ばれた。

「ああ、君ね、コントラバス!」


「えっ?私、サックス希望…」


「コントラバスしか駄目!」先生にきっぱりと言われた。


何かあるのかな?いつか聞いてみよう…。

コントラバスか…。


パート別ミーティングが終わった帰り道。


フルートパートの夏樹が「最低30万だって…」


「何が?」と聞いた。


「フルートだよ、それ以上じゃないとうちの学校のレベルの音を維持出来ないって」


私はその時、吹奏楽部はお金がかかる事を知った。私は何を買わなきゃいけないんだろう…家にお金あるのかなぁと不安になった。


次の日。 私は楽器メーカーの人に訪ねた。私の学校のレベルになると毎日専属の楽器メーカーが出入りしてメンテナンスをしてくれている。

「コントラバスは弓を用意すれば大丈夫です。18万あれば用意出来ます」と言われた。

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