第4話 初舞台!

???

 目の前で崩れていくのを、ただ見ていることしかできなかった。

 必死に輝こうとする彼は、その手を掴むことをためらっていて、おれが声を掛けた頃にはもう原型を留めていなかった。

 あのときなんて言えばよかったのだろう。もっと早く言ってくれれば──違う、知っていたところで、何をできるわけでもない。

 落ちていく彼の隣に腰掛けて、おれも遥か彼方を見つめるしかできなかった。

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