桜の君
公園に咲く桜を見にきていた。それはこの時期にしか会えない君が待ってくれているから。
幼い頃から通っているこの公園は大きな桜が一本咲いている。いつからか桜の下にいた君に会いに来るのが恒例になっていた。
ただ、何年か通って来て気づいたことがある。背が伸び大人になってきた僕に比べて、いつまでも君はあの頃のまま姿を変えない。
不思議に思いながらも君を想う僕はそれに気づかぬふりをして、いつまでもこの季節、君に会いに行く。
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