黎明!ミグランス生命
@TonaXman
第1話 アルド、営業をかけられる
メインストーリーの第1部終了後。
舞台は現代の王都ユニガン。宿屋前に受注アイコン。
アルドがメインストリートを歩いていると、一人の男が声を掛ける。
ティム ちょっと、そこのあなた!
アルド ん?なんだ?
ティム 少し、お時間よろしいですか。
アルド ああ、大丈夫だけど。
ティム 見たところ、とても強そうな方だ。もしや、王宮にお勤めの方ですか?
アルド いや、そうではないけど。
ティム そうでしたか。でも、腰のものを拝見する限り、魔物と戦う機会はあるのでは?
アルド まあ、そうだな。魔物とはよく戦う方だと思うよ。
ティム そうですか!そんなあなたに、2つの質問があるのですが、よろしいですか。
アルド あ、ああ。別に構わないけど……。
ティム では、まず最初の質問です。あなたにとって、一番大切な人は、誰ですか。
アルド え?急にそんな事聞かれてもな……。
アルド、腕を組み悩む。
アルド うーん、仲間はみんな大切だし、誰って聞かれても……ああ、でも。
ティム でも?
アルド うん。やっぱり、家族は大事だよ。妹のフィーネとか、じいちゃんの顔が浮かんだかな。
ティム なるほど。では、ご家族が一番大切だという事ですね。
アルド まあ、そうかも知れないな。
ティム 素晴らしい!あなたは家族を大切にされる方なんですね。では、もう一つの質問です。目を閉じて想像をしてみてください。あなたは、いつものように勇敢に魔物と戦っている。
アルド、言われた通りに目を閉じる。
アルド ああ、想像すれば良いんだな。
ティム 敵はいつもの見慣れた魔物だ。この戦いも楽勝……そう思ったあなたは、必殺技を放たんと大振りに構える!その刹那……突然、目の前が真っ白になった……。
アルド な、何が起きたんだ?
ティム どうやら、あなたの死角に魔物がいたようです。不意打ちを受けたあなたは気を失い、倒れてしまったのです。
アルド 俺は負けたのか……。
ティム 打ち所が悪かったのでしょう。……さて、あなたが目を開けると真っ白な天井が見えます。ここはどこだ…?そう思った矢先、妹さんの声がするんです。「お兄ちゃん!ああ、良かった!」と。
アルド もしかして、バルオキーに運ばれたのか?
ティム そうです。フィーナさんは、涙を流して、あなたが目を覚ましたことを喜ぶのです。
アルド (……フィーナじゃなくて、フィーネなんだけどな。)
ティム でも、彼女が放った次の言葉に、あなたは衝撃を受けるのです。「お医者様が、お兄ちゃんの体はもう動かないって言ってたの。でも大丈夫。私が一生、お世話するから」
アルド えっ……そんな!
アルド、想像上の話ではあるが、愕然としてしまう。
ティム そう、あなたは魔物の不意打ちをくらい、打ち所が悪く、体を思うように動かせないようになってしまったのです。もちろん、お強いあなたは、まずそんな事は起きないと思われているでしょう。でも、こういった事が絶対にないと、言いきれますか?
アルド それは……絶対に起きないなんて、言えないな。
ティム そうですよね。では、このような状態になってしまった時、先ほどのお話のように、妹さんやおじいさんに、お世話をしてもらいたいですか?もし答えが「ノー」で、そんな事態を避けられる方法があるのならば、あなたはその話を聞いてみたいですか。
アルド うーん。そう言われると、不安になってきたな。
ティム そうですか。どうでしょう。立ち話もなんですし、良ければ、酒場でもう少しお話をしませんか。
アルド ああ、そうだな。
ティム では、先に行ってお待ちしていますので!
ティム、酒場へと向かう。
アルド、腕を組み考えてしまう。
アルド 俺、うまく乗せられていないか……?
『Quest Accepted』
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