北風(頑張り屋)と太陽(怠惰)
北風と太陽はどちらが旅人のマントを脱がすことができるかで勝負することにした。太陽が勝った。北風は太陽を非難がましげに見た。
まず最初に旅人のマントを脱がすのに挑戦したのは北風だった。強い風でマントを吹き飛ばそうとしたのだが、そうすると旅人はよりいっそう強くマントを巻き付けるのだった。
だが、それでも完全にマントを巻き付けておくことはできない。ぴらぴらと舞うマントにもう少しだと思った北風は、一層強い風を吹き付ける。だが、旅人はマントを一層強く巻き付ける。道中にあった木々が葉をすべて吹き飛ばされ、レンガ積みの家さえなぎ倒されて中にいた豚たちを押しつぶしたが、それでもなお旅人はマントを保持している。
明らかに自身の持ち時間をオーバーしていることに気付いた北風は太陽に「お前の番だ」と言った。
「んが?」と居眠りしかけていた太陽は目を覚ましたが、その口からよだれが垂れた。そのよだれが旅人を直撃した。
ねとねとしたよだれに包まれた旅人はたまらずマントと服を脱いで川で水浴びをした。マントも洗った。
「だっておまえがいつまでもやってるから、俺もやることが無くて寝ちゃったんだよ」と太陽は言い訳をした。
《お題:光の言い訳 必須要素:唾液 制限時間:30分》
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