「「「ハッピニューイヤー！かんぱーい！」」」

　私たちはグラスを打ち合わせる。

「で、次はどこのダンジョンに潜る？」

　盗賊のローグがそう切り出した。盗賊といってももちろん犯罪者の方ではなく、冒険者でダンジョンの罠を解除したり、斥候をしたりする方だ。

「うーん、依頼を受けるべきじゃない？冒険者のランクは依頼をいくつこなしたかで決まるのよ」

　そう主張するのは癒し手のリリア。

「たしかに年始は年末に消化されなかった依頼が残っているからねー。仕事始めにはいいかも」

　戦士のクローバーも賛同する。

「ジータ、どう思う？というか、何してるんだ？」

「去年の冒険にかかった経費とかをまとめてる。税金の申告をしないといけないから」

　私は恨めし気にクローバーを見返した。

「今年の冒険は、ちゃんとポーションとかをいくつ使ったか把握しておいて……ね？」

《制限時間15分、お題：今年の冒険》

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい