3-18

 どんだけ飲むんだよ!ってくらい、大輝は飲んでる。

あぁ、これにまともに付き合ってたら、そりゃつぶれるわ〜って感じ。

俺は昔、大輝と飲んで、記憶をなくしてから、自分の飲める量を超えないようにセーブして飲んでる。

龍聖も、今日はあんまり飲んでない。

割と、酒は好きな方だと思うけど、本戦の前だから、自制してるんだろう。

でも、今日は、ほんとに楽しい酒だな。


「俺は、自画自賛だけど、俺の目に狂いはなかったな!って。

おまえら選んで正解だったな!って思ってるよ!元々の仲良しで、バンド始めようぜってのとは、違うじゃん!

元々の友達だと、なかなか技術的なことを指摘し合うとかできねーしさ!

ほんとはこう思うとかあっても、友情関係にヒビ入るとかあってさ、遠慮すんじゃん!

それに比べて、俺らは友達でも何でもなかったから、逆に言い合いながらやれて良かったと思ってるよ!」

と、大輝が言った。

そっか、そうだな〜なんて思って、頷いた。

大輝は、続けて

「瞬、どんだけ怒るんだってくらい、桂吾と悠弥を怒ってたよな〜!」

と笑った。

「なっ!それな!俺いつも、瞬!死ね!って思ってたもん!アハハ」

と悠弥が言った。

「死ね!って、ひで〜な〜!呪いの言葉じゃん!アハハ!」

瞬も笑ってる。

「でも、あんだけ言われて、悠弥がよく殴りかからなかったなって思ってたよ」

と、俺も笑った。

「バカな俺だって、瞬がもっとよくしたいと思って、俺に注意してるってのは、わかってたから、反発もしたけど、結局、瞬が正しいって思ってたよ」

と、悠弥が言った。

そう!そうゆうとこ!悠弥は、ほんとにいいヤツだ!

「おっ!マジか!悠弥、やけに素直じゃん!もっと、飲めよ!アハハハハハ!」

瞬も嬉しそうだ。

「軽音部のさ、俺らDチームだったじゃん!」

悠弥が言った。

「おっ!すげー懐かしいの、きたな!Dチーム!」

大輝がすかさず答えた。

「Dは、ダメダメのDとか言われてたけど、結果1番まともに、やってたよな!」

「そうそう!Aチームは、中学の同級生4人でさ、うまかったけどな!最後、文化祭のあと、めっちゃ殴り合いのケンカしてたよな〜!

誰も止めてなくて大乱闘だったじゃん!」

「アハハハハハ!なんだったんだろ、あれ!

見ててマジ笑えたよな!」

俺も答えた。

「Bチームはさ、ボーカルが2人変わったんだっけ?」

「3人変わったんじゃね?最初が女で、男、男、女じゃなかった?」

と瞬が言った。

「そうだな!なんか、最後まで定まんね〜感じだったよな!」

大輝が、飲みながら言った。

「Cチームは、ギターとキーボードが付きあってて、キーボードがドラムと浮気してとかやってたよな!アハハ!バカ?って思ってたよ!」

アハハハハハ!と、みんなで大笑いした。

「悠弥!よく覚えんじゃん!そんなこと!」

「キーボード、超デカパイだったじゃん!

だから、覚えてる。

胸が邪魔で、鍵盤見えねーんじゃね!って思って見てた!」

アハハハハハ!と、みんな大笑いした。

「あっぶな!手出さなくて良かったな!」

瞬が言った。

「出さね〜けどよ〜!俺には、せっちゃん、いたし」

「まぁ、他のチームから見れば、俺らもいつもモメてんな!って思われてたんじゃね?」

と、龍聖が言った。

そうかもな〜と、みんな頷いた。

「俺ら、みんな個性的で、みんな別々な感じだけど、だからこそ出せるカラーがいっぱいあるってことじゃん!

今回のラブソング、バラードもそうだけど、もっともっといろんな色を出していこうぜ!」

と大輝が言って、みんなで

「了解!!」

と声を揃えた。


5人で、飲んで、喋って、笑いまくった。


「あれっ?今日のミーティングって、バカ話だけで良かったのかよ?」

と、俺は、大輝に聞いた。

「いいんだよ!もう、やるべきことは、十分やったからな!あとは、風邪ひかないように!ってくらいかな。アハハ!」


大輝は、リーダーらしいリーダーだ。

決断にブレがない。

そして、大輝の判断は正しいと、いつも思う。

あと、5日で本戦。

俺のノルマの600人もクリアした。

そのうち、どのくらいの人数が来てくれるかはわからないけど、やるべきことは、やれたと思う。




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