ストーカーが可愛かったので飼うことにしました
だるま
プロローグ
最近、誰かにつけられている気がする。いや、つけられている。
......普通に怖い。
だが、今はそんなことなんてどうでもいい。いやどうでもいいことはないけど。
まあそれは置いといて
今一番の問題は、勝手に誰かが俺の家を出入りしていることだ。
最初は些細な違和感だった。テレビのリモコンの位置が変わっていたり、クッションの位置が変わっていたり。まだその時は、俺の気のせいじゃないかと思っていた。
ある日、重大な事件が起こった。楽しみにとってあったプリンがなくなったのだ。
それで俺はやっと気づいたよ。あれ?誰かこの部屋入って来てるんじゃね?と
気づいたあとも、警察には連絡しなかった。どう通報すればいいのかわからなかったからだ。だってあれだぜ?プリンがなくなったので誰かが僕の家に侵入しています!って言ってみ?笑われるぜ。知らんけど。案外真面目にしてくれるかも。
だが俺はリスクのある賭けはしない。
プリン事件から数日たったある日、また事件が起こった
バイトが急に休みになったので早めに家に帰ると、鍵があいていた。おそるおそる中に入っていくと、誰かが俺の家のソファーに寝転んでいた
「はあぁ。相変わらず
「お前誰だ!......なんで俺の名前を知ってる?」
俺が叫ぶと、そいつはビクッと肩を震わせてこちらを見た。
とても可愛い、女の娘だった。可愛い......。はっ!しまった!あまりの可愛さに意識を失いそうになっていた!なんて恐ろしいやつだ!
「べ、別にいいじゃないですかっ!雅人さんがいないときにクッションの匂いを嗅いでいただけですよ!それ以外なにもしてません。」
「嘘つけ。プリン食べたろ。」
「うっ、あれは......雅人さんって普段なにを食べてるんだろうって気になって冷蔵庫を開けたんです。そしたらあのプリンが......私は必死に自分の欲望と戦ったんです。けれど、気づいたらプリンが口の中に入っていたんです」
「つまり?」
「食べました。美味しかったです」
「......」
俺は無言で彼女のほっぺをつねった。いや、初対面の、しかも自分の家に勝手に入って来るようなやつにするなんて我ながらおかしいとは思うよ?けど、なんか我慢できなかったんだ......。許せ
「痛いれす!やめれください!」
「あ、すまん。つい、じゃない。お前誰だよ」
「私ですか?私は、
いや、もうおわかりですよね?みたいな顔されても。全くわからん。
「知らんな。お前、俺のこと知ってるよな?なんでだ?」
「そりゃー同じクラスですもん。知ってますよ」
同じクラスだと?いたっけこんなやつ。考えてみれば、クラスの奴らほとんど思い浮かばねえ。なんでだ?そうか、俺がいつも寝てるからか。
なんで寝てるかって?うるせえ!察しろ!
うーん。こいつが嘘ついてるのかどうかわからん。
「じゃあなんで、俺が学校行ってるときに家にいるんだ?お前も学校のはずだろ」
「だって雅人くんほとんど毎日バイトしてるから。その時間に来てるんです。」
そうだ、おれバイトしてるんだった。当たり前すぎて気づかなかった。
なるほど......なるほど?
「なんで俺がバイトしてるの知ってるんだ?」
「え?あの、その、なんとなく」
「いやいやそんなわけ無いだろ。ちゃんと答えろよ。」
「雅人くんを観察してた......から?」
顔を赤く染めて彼女は言った
おおう。か、可愛い。じゃなくて!観察してた?俺を?
ストーカーじゃん。警察に連絡しよう
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