闖入者
僕が女神様のい家に来てかれこれ三日が過ぎた、
「どうしました、ハック?」
「今日も可憐だ女神様」
「もう、ハック///」
毎日こんなやり取りをしているが飽きないね。
「そういえば女神様、どうしてこの家に?」
「えっ?」
女神様は困惑していた。 しまった、女神様は笑ってこそ至高、だがしかし、困り顔もまた僕の心臓を締め付ける。
「話していませんでしたっけ?」
「そうですね、女神様」
女神様はトントンと料理していた手を止めると僕の前に座ってきた。
なんて美しいんだ、まるで花のボタンのようだ、
「私は産まれた時からこの家に居たんです……」
何と?
「私はこの村、つまりイプレ村に流れ着いてこの村の人達に育てられてきました」
「はぁ」
昨日殺したあの男もこの村の者だと村が騒がしくなったな。
そういえば、あの時、真っ先にこの家が疑われたな、実際そうなんだがまさかあんな問答無用で、
しかも、アイツがよく行く所はここしかないという理由だけで来た挙げ句に見ない顔だからって直ぐに怪しまれたが結局遺体も何も見つからないから証拠不十分で見逃されたな、
「ハックさん、あの時の男はですね……」
声が震えている、なにか思い出したくない話しでもあるのだろうか、だが男ハックここは一言、言っておこう、
「話したくない事があるならいいんですよ女神様」
カッコいいぞ僕。
「ごめんなさい……」
震える小さな体を見て僕は自然と彼女に近づき肩と手を優しく触れる。
「はっ、ハック、ご飯の続きを」
「美味しいの待ってるよ」
そう言うと、パタパタという擬音が似合うような小走りをしながら厨房に立つと、すぐに食材をトントンと切り始めた。
美しい、なんて美しいんだこの女神様は守ってやりたい、いや俺が守る。
バンッ!!
「メイいるか!!」
またか、ここは女神様と僕の憩いの巣だぞ何で邪魔がこんなに来るんだ、
「は、はい、居ますよ」
女神様は僕と喋るときよりも小さく震えた声で応答するのだ。
女神様、そんな苦しそうに声を上げないでください僕の心が締め付けられます。
「いたのかメイ、お前に頼みがある」
「た、頼みですか……」
女神様は震えている、声も萎縮していた。
そんな姿は見てられないと思い女神様の隣に来て耳元で、
「何があっても僕が守りますよ」
と、言った。
その言葉があってか女神様の体の震えは止まった、
「兄ちゃん何したんだ?」
むっとした顔で男はそう言ってきた、あん何だてめぇ殺してやろうか?
「ハックは何もしてませんよ、用がないなら閉めますよ」
女神様は扉を閉めようとする、
ガシィッッッ
「ちっ、この兄ちゃんが来てからちょっと反抗的になりやがって。まぁまてよ、頼み事ってのは周辺にでたゴブリンの討伐だよ、この辺じゃお前が一番強いからそれを頼みに来たんだよ」
それを聞いた女神様は扉を離す、
「わかりました、それで何処に?」
「あぁ、村の近くにある洞窟だ頼めるか?」
「はいわかりました」
女神様はおとなしく了承した、
「女神様、それじゃダメですよ」
女神様は僕の声を聞いて振り返った、
「てめぇ、人に頼むって時は報酬の提示をしなきゃならないってのは、この国に居るもんなら知ってるだろ」
「ほ、ほうしゅう?」
女神様は首をかしげる、可愛いいや可愛い、
「そうです女神様、まさか女神様今まで無償で!?」
女神様はコクリと頷く、はい可愛い、
「ちっ、変な男を連れ込んだと思ったら余計な知識を知りやがった、あぁわかったよ報酬は払うよ銀貨五枚でいいか」
「ダメです」
「あぁん? ゴブリンを倒すだけだろ?」
「今まで女神様にやってきた分も払ってください!!」
「ちっ、わかったよ用意してやる金貨三枚ぐらいでいいか?」
金貨三枚だと……それだけあればこんな家に住まなくても良いぐらいのお金だ、こ、こいつ。
怒りが沸々とわいてくる、
「ハック……」
女神様は僕に視線を送る、そんな心配しないでそんな涙を浮かべながら見ないでください、尊死してしまいます。
「わかった、いいだろう」
「それで決まりだな、じゃ待ってるよ、終わったら村長の家に来な」
「わかった」
男は女神様の家の扉を閉めた。
「ハック、怖かった」
「そうでしたか、女神様」
そんな目で見られたら僕、僕本当に……。
「そんな、悲しそうな顔をしないでください、僕はどこにも行きませんよ」
「うん……私、準備して直ぐに行くね……」
もう行くんですか女神様、そんな直ぐに行かなくても、
「ご飯食べてから行きましょう女神様!!」
「えっ?」
「お腹空いたら大変ですよ、それに僕も着いていきますから、一応冒険者やってましたから手伝えますよ」
「いいの、ハック?」
「えぇ、頼ってください守らせてください」
「ふふ」
女神様はふっと笑った。
可愛いです女神様。
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